□月だけが見てた
月明かりの下、血にまみれながら、風をきって走る少女がいた。
―どどどどどどど
――――どっかーん!!!
「待たんかいこのくそがきっ!!!」
『いやいやいや!!冒頭の雰囲気、明らかシリアスだったじゃん!?なんでこんなことなってんの!?誰か教えてーーっ!!!!』
こんなところでこんにちは!!
是永 千冬と申します。こう見えても私は春雨の一員です☆キャハ
「なめてんのかてめえェェェッ!!!」
『なんで心読んじゃってんのーッ!!?あんた超脇役キャラじゃないの!?』
私を追ってくる2人の天人。全く、うざいことこの上ない。
私はただ向かってきたから斬っただけなのにさー。
『!』
入る道を間違えた。私が逃げ込んだ道は行き止まりになっていた。
「へへっ…どうやら嬢ちゃんは運がねぇようだな」
「俺らの仲間を殺しやがって…地獄へ送ってやる!!」
『まじやばいなあ…どうしよ…』
「どうもこうも、今すぐ死ぬだけだっ!!」
叫びながら向かってくる2人の天人。
―ざしゅっ どすっ
『あんまり殺しちゃ駄目なんだけどな』
横たわる天人。地面には血の海。…汚いなあ。
『自分たちだってさんざん殺してきたんだから、お互い様だよ??ご愁傷様ー』
月だけが見てた
またやっちゃった…
お月様、このことは秘密だよ?
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