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君と二人で高みの見物
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昼休み、食堂。

俺は先日ゆーさんとの約束を忘れてしまったので、その埋め合わせを本日行っていた。

「んーっ!このショートケーキおいし〜」
「デザート食いすぎだ。一体何個目だ。」
「四個目〜、だっておいしいんだもん。食べたい気分だったんだもん」
「だもん、って…アスマは本当にかわいいな。それに口の周りにクリームなんかつけて」
「えぇっ!どこ!?こっち?」
「ちがうよ」

ペロッ

「取れた。甘いな」
「ゆーさんてば…。どう?おいしかったでしょ」
「確かにおいしかったけど…アスマの方がおいしいよ」
「もう、ゆーさんのばかっ」

ああ、ゆーさんは本当にかっこいい。甘い顔も好きだ。こんなセリフを言って格好つく人って美形の人位だと思う。

ちなみに、俺たちの周りには普通に食事をしている生徒たちがいて、めっちゃ見られてるんだけど…スルーしてます(笑)

多分生徒たちも、あーまたやってるな、位にしか思ってないと思うし。

そんな甘くてのどかな昼休み。

その雰囲気がいきなりぶち壊されました。





─ガシャーーン

「っ、てめェ今わざとぶつかっただろ!?」

「あ゛ぁ?勝手なこと言ってんじゃねーよ!」

そんな言葉が、そこから少し離れた所にいる俺たちの耳にまで届き、どう見ても不良な感じの男二人は互いに譲らず、とうとう殴りあいの喧嘩を始めた。

周りの生徒たちはキャーキャー叫び、逃げまどい、食堂が混乱に陥っている時だった。


「風紀委員だ!そこの生徒二人、喧嘩をすぐにやめろ」

シーン、その効果音がピッタリな位、周りの生徒たちも不良二人も完全に動きを止めた。

そしてさっきまでの威勢はどこにいったのか、不良二人はガクガクと震え始め声の持ち主、風紀委員長を見た。

「あ…あ、その…」
「し…忍さん…」

「俺はお前らに名前を名乗ったつもりはねーけど」

まぁ、正確には名前ではないけどね。

その、今、この場を支配している男の名前は、忍足征四郎(オシタリ セイシロウ)。

この学園の風紀委員長である。

彼はここら辺一帯でNO.1の族『Rain』の総長をしており、つまりは学園内全ての不良のトップをはっている。

ちなみに族での通り名が『忍(シノブ)』だ。

「全く、こっちは忙しいってのに…仕事増やすんじゃねーよ」

「「すみませんでしたぁっ!!」」

「ハァ…瓜、こいつら風紀委員室に連れて行け」
「はいっ、忍さん!」

そうして瓜と呼ばれた委員長の斜め後ろに立っていた生徒、副委員長の錦瓜(ニシキ ウリ)は不良二人を連れて食堂を出た。

彼は不良な外見の委員長とは違い、黒髪黒目でやんちゃな少年という感じだ。

しかし、見かけによらず『Rain』の副総長をやっているのだが。



そうして騒ぎが一応終息したところで、委員長がこちらへとやってきた。




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