魔法少女リリカルなのはStrikers of THINKER
プロローグ2
時空管理局-本局
エヴァン達は依頼主と任務の内容を打ち合わせる為に本局へと赴いていた。
受付でその旨を伝えると、二人の前に図っていたかの様に一人の男性が現れる。
「お久しぶりです、主任」
「ああエヴァン君、わざわざ遠方からご足労だったな」
白衣に四角縁の眼鏡を掛けたその男性の名前はサーダナ・キサラギ、
時空管理局の技術顧問兼特別捜査官で、今回の依頼主だ。
「フラン君も、メンテ後の調子はどうかね?」
「すこぶる快調よ・・・ぼったくりのメンテ費用さえなけりゃね」
「はっはっは、お得意様でも料金はしっかり頂くのがうちのモットーなんでね」
フラン達の会話から想像出来る様に、彼女のメンテナンスは彼が行っているのだ。
30000cもの料金をとっているのも彼である。
曰くフランは特別製で、メンテナンスにそれなりの施設を使う必要があるからだとか。
「・・・とりあえず本題に入りませんか」
「ああ、そうだったな、案内しよう」
そう言って一行はサーダナの執務室へと歩いていった。リノリウムの廊下を局員達が往来している。
管理局でもユニゾンデバイスというのは珍しいのか、フランの存在が局員達の目を引き、
そして本人はその視線が不愉快だった様で、スィーとエヴァンのポケットの中に隠れ込んだ。
「自分で飛べよ」
「やだ」
そうこうしているうちに、漸くサーダナの執務室の自動ドアの前まで辿り着く。
一行は中に入ると、応接テーブルを囲むようにしてソファーに腰を掛けた。
「じゃ、手短に今回の依頼内容をもう一度確認させてもらう」
そう言うとサーダナの手元からスクリーンが映し出される、数枚の写真が並べて表示され、
そのうちの数枚は女性の顔写真だ。
「高町一等空尉にフェイト・T・ハラオウン執務官、更に八神はやて二等陸佐、
揃いも揃って管理局きってのエースですね・・・」
「低ランクの連中が聞いたら発狂しそうね、これじゃ宝の持ち腐れも良い所だわ」
エヴァンとフランが思い思いにその顔ぶれについての感想を漏らす、
フランは批判的な意見だが、部隊保有魔力制限というものを考えると結構的を当てている。
「それ故に地上本部の干渉が有り得るのだがな。
彼女等を立場上推した私としてもそれは避けたい・・・そこで監査役の出番だ」
そこでサーダナは一度息を吐くと、エヴァンが口を開いた。
「一つ・・・そんなお子守の為だけに呼んだのでは・・・無いですよね?」
エヴァンの様な魔導傭兵は、魔導師としての実力はトップクラスである。
・・・それこそレイヴンランクBであっても魔導師ランクSに値する者が殆どだ、
たかが監査、もしくは戦力増強程度の理由で雇える訳が無い。
が、サーダナには彼を呼ぶ値する理由がある様だ。
「無論だ、この写真を見てくれ」
サーダナがコンソールを叩くと、六課の面々の写真が消え、一枚の仮面を被った男の写真が表示される。
その写真には仮面の男以外に、管理局の者と思われる死体がいくつも写っていた。
「先週、レリックを回収中だったロストロギア専門部隊"機動四課"が全滅した際に、現場のデバイスから、唯一吸い出せた画像データだ」
「これは、やはり奴等が・・・」
エヴァンの眼つきが豹変し、齧り付く様に写真を睨み付ける。
どうやらこの仮面の男が関係している様だ。
「君に依頼したい事は二つ・・・機動六課への出向と、"彼等"の排除だ」
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