[携帯モード] [URL送信]

魔法少女リリカルなのはStrikers of THINKER
プロローグ
とある男が、薄暗い部屋の中で旧式の端末相手に睨み合っていた、

童顔の男は金髪にバンダナをしており、その眼差しは真剣その物である。


『本メールはレイヴンズアークから転送されています。

依頼主-時空管理局

前払い報酬-2000000c

成功報酬-5000000c


「依頼内容を説明させて下さい。

今回の依頼は、とある実験部隊の作戦遂行補助、ならびに部隊内監査の二つです。

その実験部隊である対ロストロギア処理部隊"機動六課"は、八神はやて一等陸佐を中心に高ランク魔導士を多数配備した

極めて優秀・・・と各方面から期待されている部隊です。

少なくとも、現在進行中の案件である"レリック"に関しては完遂させるであろうと考えられているのですが、

やはり元犯罪者率いる部隊、さらに高ランク魔導士独占・・・とあって、地上本部内の印象は最悪です。

建前上、彼女達への余計な干渉を避けたい私としても、貴方に地上の口封じとして監査役をお願いしたいのです。

陸海に対する偏見の無い"レイヴン"である貴方が行けば、地上本部も黙らざるを得ないでしょう。

期間は機動六課の実験期間中、成功報酬は終了時に満額お渡し致します。」』


ここまで読んで、このメールの受け取り主である、エヴァン・コードウェルは端末の上蓋をバタンと閉じた。
「・・・下らないな」

トスッ

「なぜ閉じたし」

エヴァがそう呟くと同時に、金髪の"身長30cmくらいの"少女が端末の上に降って来た。
彼女の名前は"フラン・コードウェル"エヴァの家族的存在であり、仕事の相棒的存在だ。
フランが文句を言いたそうに口を開く。

「金欠の癖して仕事にケチつけるのはどういう了見?」

「期間長い、報酬が見合ってない、管理局胡散臭い・・・これでいいか?」

愚痴愚痴と言い訳を並べるエヴァ。実際提示されている通貨のc・・・コームは、
たった1cだけで10000クレジットにも相当するので、報酬はそれなりにあると思うのだが・・・
※700000c=7000000000クレジット

「期間は実質一年以上じゃないか?お前の食費及びメンテナンス費が馬鹿にならないというのに、たったこれだけでは話にならないだろ?」

彼の場合、管制人格であるフランを養っているために、普通の金額では一年も過ごせないのだ。
局員ならばその辺りは公費から落とせるのだが、民間人の彼にそれは無い。
更に彼の様な傭兵"レイヴン"を統括している新興傭兵派遣機関"レイヴンズアーク"は、
その手の出費は負担しないのだ。
※フランのメンテナンス費用=30000c/月

「其処はほら・・・ていうか、臨時局員扱いなんだから公費から落とされるに決まってるでしょ?BAKANANO?」

「なんと」

が、臨時局員なら話は別だったりする。
しかしそれでもエヴァンは契約を渋る。

「だが腐っても管理局・・・後々のスカウトの理由を付けるのも癪だしな・・・」

「何で管理局嫌ってるのか分かってるつもりだけど・・・まぁ続きを見てみたら?ほれ」

そういってフランは端末の蓋をこじ開けた、エヴァの目の前に先程のスクリーンが映し出される。
が、次の文章が開かれると同時に、二人に衝撃が走た。

『「・・・尚、本案件において、"彼等"が関わっている可能性があります、

もし彼等が機動六課に攻撃を加えれば、Sランク魔導士を複数保持しているとはいえ、間違いなく全滅するでしょう、

その際、撃退して下さった場合にはボーナスとして追加報酬をお出しします。

説明は以上です、それでは良いお返事を期待していますね?」 契約しますか? Y/N』


「ッ!!」

とあるキーワードが彼等の脳裏を駆け巡った。

「レイヤードの亡霊・・・か」

「エヴァ・・・」

「フラン、出るぞ、支度しろ」

数刻の沈黙の後、エヴァの行動は実に早かった。
二つ返事で受諾のメールを送ると、机の上に置いてあった鞄を掴む、
現金の入った財布、デバイス、その他書類を詰めつ込みチャックを閉めた。
フランが同じく支度を整え、エヴァンの肩に降りる。

「・・・行くか」

とあるマンションの扉が閉められた。


[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!