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ARMORED CORE 〜これが俺の生きる道〜

"神威Mk-17"それがこの青いACの名前だ。因みに2〜16とナンバリングされた機体は無く、殆ど彼女の気紛れから名付けたらしい。

瑞穂らしいと言えばらしいと言えるが、自分の苗字を入れるあたりそれなりに愛情が篭っている様だ。

それとは別に、なんとなく、いやかなり気になったので、ポーカーフェイスを取り繕いさり気無く聞いてみた。

「引退した時に売らなかったのか?結構な額になると思うんだが」

そう尋ねた、すると瑞穂はクルリと振り返り少し複雑そうに微笑みながらこう返した。

「うーん、なんていうか…思い出って言うと変…かな?ほら私物は捨てられない性格だし。…あ、ついでだから触ってく?」

最後の一文にそこはかとなくいやらしいニュアンスが交じっていないか、

ってかそんな血生臭い思い出の品まで残して置くなよ、と無粋なツッコミを心の中で叫んだ。

だが瑞穂はそんな俺の複雑な心境を意ともせず、嬉々として俺の腕引き寄せ、機体に向かって引っ張っていく。

…別に至近距離だからといって彼女に欲情する気は無い、むしろ恋愛対象外だと言いたい、

はて…何時の間にこんな話になったのやら。

「えへへー、懐かしいでしょ、この辺とか整備が出来てなくて未だに弾痕が残ってるんだよ?」

そういって感慨深げに人間の頭一つ分程の大きめな弾痕を摩る、痕の口径からして恐らく普及型のライフル弾が被弾したのだろう。

だがこの弾痕以外は全て綺麗に直されており、整備の痕も無い。

…それに俺はこれに見覚えがある。

まぁ実にどうでも良い事なのでスルーすることにしよう。










      5年前
―――5 years ago―――




『まもなく作戦領域に突入します、起動開始して下さい』

ACが収まった輸送機の中、俺は通信士の指示に従いACのメインシステムを起動させていた。

個人認証システムを解除すると、独特な駆動音と共に計器とモニターが息を吹き返す。

俺は、この出撃までの一瞬がいつも退屈で仕方が無い。

仕方が無いから、整備中に何度もした機体チェックをもう一度することにした。

メインカメラ・・・RED-EYE・・・状態良好、

コア・・・XCA-00・・・駆動部に異常なし、

アーム・・・AN-101 ・・・駆動部に異常なし、

レッグ・・・LN-1001 ・・・駆動部に異常なし、

突撃砲・・・WG-AR1000・・・弾数MAX、

レーザーブレード・・・LS-3303・・・エネルギー供給部に異常無し、

ミサイル・・・WM-X201・・・状態良好、

グレネード・・・WC-GN230・・・砲身に異常無し、オールグリーン・・・・。

・・・暇d『ポイントに到着しました、ACを投下します』・・・チッ

輸送機のハッチが開き、外の光が内部に射し込む。

俺は両手のグリップを握り締め、右足でブーストペダルを思い切り踏みしめた。

「レイ・オーウェン、アンファング、出撃する!!」

キィィという音と共にブースターが火を噴き、機体は一気にハッチの外へと飛び出る。

降下中、依頼主からの緊急通信が入った。

『レイヴン、聞こえますか?墜落機はクレーター中心部にあります、機首部分だけで良いので破壊して下さい。

尚機体全体を破壊してくださった場合追加ボーナスが加算されます。それではご武運を』

言う方は気楽でいいな?全く筋違いな事で憤りつつも、俺はクレーターに向け、

ジェット音と共に飛び去った。


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あきゅろす。
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