ARMORED CORE 〜これが俺の生きる道〜
二
さて、実に質素な俺の部屋の話は置いておくとして、俺は気分転換に街に出る事にした、
仕事は月に2.3回位しか無いので今日もフリーだ。
重厚な鉄製の扉を閉じ施錠する、空き巣がこの頃多発しているらしいので暗証ロック式のキーも追加で取り付けておいた、
これだけで一時間も食ってしまったが、まぁ別に支障は無いだろう。
汚い灰色のエレベーターに乗り込みこの建物の一階を目指す、今日は平日だからか途中の階で人一人たりとも
乗ってくることは無かった、そう言えばこの建物は俺以外は殆ど住んでいないんだった。
何かと"幽霊アパート"やら"首吊り現場"やらと訳の分からん風評が立っており、俺が借りるときかなりの破格だったのを今でも
覚えている、不動産屋の男がかなり引いていたが俺にとってはどうでも良い、そんなオカルトを信じる程馬鹿でも無いしな。
等と考えているうちに俺の乗ったエレベーターは一階へと辿り着いた、横に流れる自動扉を通り過ぎ、エントランスに出る、
エントランスには四方はがコンクリで固められており、其処にあるのは認証端末と郵便受け、
後は管理人室に繋がっているであろう小窓がコンクリに挟まれて顔を出している。
俺はこの小窓を一度も開いた事が無い、入居した当時俺は挨拶に立ち寄った事も無かったし、それでも後々特に問題にはならなかったから。
一応いつもカーテン越しに見える蛍光灯の灯りが其処に住人が居ることを示しているので管理人は存在するのだろう。
俺は歩みを進める、観音開きの入り口をこじ開けようやく外に出ることが出来た、約48時間ぶりの外出だ、
この二日間俺はカップメンやインスタントだけで過ごして下宿に篭っていたからな、そんな俺に照り付ける太陽の光はあまりにも眩し過ぎた。
お天道様、自重してくれ。
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