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ある午後の話(炎白)※キス描写若干有

「なぁスティングー」

穏やかな午後。心地のよい静寂にうとうとしていると、唐突にナツさんが呼び掛けてきた。

「なんですか?」

「好き」

これまた唐突に告げられた言葉に、俺はドキリとする。


今日はナツさんに呼ばれて、ナツさんの家にお邪魔している。

付き合いだしてから1ヶ月。お互い仕事が忙しくなかなかこうやって二人でゆっくりする時間がとれていなかったのだが、今日は珍しく二人の休みが重なった。それでこうしてのんびりできているわけだが、ナツさんも嬉しかったんだろう。その口から出てきた甘い響きに、俺はくすぐったいような気分だ。

「うん…俺も」

ソファーに座り、肩を寄せあう。
触れた先から伝わる体温が心地良い。

「ナツさんのこと、好きだよ」



「…スティング」

ナツさんが俺の頬に手を伸ばし、顔を自分のほうへと向けさせる。
そして、軽いリップ音をたてて唇へとキスを落としてくる。
俺は体ごとナツさんのほうへと向けると、そのまま胸元へと顔を埋めた。

「スティング?」

「寂しかった…会えなくて」

「…寂しがり屋だな」

「………………ナツさんだけ…だよ…」

「おう、俺も寂しかった」

ふわり、とナツさんが笑った気がして顔をあげると、途端に唇を奪われた。

最初は角度を何度も変えながら、優しいキス。暫くして息が苦しくなり口を少し開けた瞬間、それを狙ったかのようにナツさんの舌が唇を割って入ってきた。

「ふっ……………ぅ……………ん…んん」

鼻にかかる甘い吐息が、少し恥ずかしい。
それを聞きながらも、ナツさんは舌を深く入れるのをやめない。
熱い舌で口内を掻き回され、徐々に力が抜けていく。
舌を絡め、上顎を撫でられ、ゾクリと快感に背筋が粟立つ。

「んぅ………はぁっ………なつ、さ…んっ」

「……………スティング」

離された唇に物寂しさを覚えつつも荒い息を整えていると、ナツさんがゆっくりと俺を押し倒した。




「……………シてぇ」

切羽詰まったその声に、ゴクリ、と喉がなる。
獰猛な獣のような欲に濡れた瞳の先に映るのは、これまた期待に揺れる自らの瞳。

ドクリドクリと音をたてる心臓が煩い。未だに襲いくる緊張を飲み込んで、おずおずとナツさんの首に腕をまわす。そして。


「………………俺もーーー」

肯定の言葉はナツさんの荒々しいキスに奪われてしまった。


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