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Novel
★03*04【ハメ撮り】
















油断した、と、一樹は思った。男相手に"そういう意味"で油断もなにもあったものではないかもしれないが、一樹は確かに油断した。
気を抜くとふらついてしまいそうな足でなんとか階段を上る。左右を見て人影が無い事を確認してから生徒会室に入ると、長い溜息をついた。


「冗談だろ…っ」


走ったからといって、そこまで息が上がる距離ではなかった。何より秋の涼しさが顔を覗かせた今の時期にしては、異様に身体が熱くてたまらない。一樹は息を荒げながらソファまで移動すると、重く感じる身体をどっ、と預けた。油断した、とまた悔やむ。先程廊下で会った哉太に、一樹は油断したのだ。
片手一杯に飴の小袋を持った哉太を見付けたので声をかけたところ、どうやら直獅に沢山の飴を貰ってしまったらしく、「子供じゃねーのに」と苦笑していた。もしよかったら一ついりませんか、と差し出されたのを何の疑いもせずに受け取り、その場で口にしてしまったのがいかなかった。立ち話をしているうちに熱を持ちはじめた身体に違和感を感じ、ちら、と哉太を見た時には、彼は人懐っこい笑顔を消していた。所謂媚薬なのだと一樹は直感的に悟り、舐めるような視線を振り切ってその場から逃げ出したのだ。
夕陽に赤く染まる生徒会室は、今日は活動がない為シンと静まり返っている。一樹は哉太がすぐに追い掛けて来なかった事は妙だと思ったが、追ってこないのであれば好都合だ。この熱が冷めるまで此処に居よう、ともう一度深く息をつく。正直、高ぶった身体を放置しておくのは辛い。だが薬などに負けるのは癪で、一樹はなんとか気を紛らわそうと何度か深呼吸をした。
ところが、そう無事に終わるものではなかったようである。


「不知火会長〜」


「――――ッ!!?」


一樹を嘲笑うように、唐突に自分を呼ぶ声に息を飲む。間延びした、実にいやらしい下衆な響きを持ってはいるがその声は哉太のもので、普段の可愛いげのある声色は微塵も見えなかった。
しまっ…、鍵閉めんの忘れてた…!!
一樹は声に驚くと共に、自分の浅はかさを悔やむ。生徒会室にいれば安全という保証もないのに、鍵の一つも閉め忘れるなど気を緩め過ぎた。一樹が此処に居るとわかっているかのように、扉はゆっくりと開いていく。それはまるでじわりじわりと自分の首を締め上げていくようで、彼に対して今まで抱いた事のない畏怖の念に、一樹は硬直した。扉が開き、徐々に哉太の姿が視界に入ってくる。一樹はそれを見つめたまま動けず、扉を開けた哉太が室内に入ってきて初めてハッとしたように目を見開いた。


「あ、やっぱり此処に居た。当ったりー!」


「なっ…七海……!」


「流石、会長は鋭いですね!あそこですぐに逃げたのは正解ですよ、逃げるが勝ちってやつです。」


先程一樹が閉め忘れた、生徒会室の扉の鍵を閉め哉太は饒舌に語る。手にはいつものデジカメではなく小型のビデオカメラがあり、それを指先で撫でながら一歩一歩一樹との距離を詰めた。


「今日生徒会が無いのは知ってましたよ。月子に聞いたんで。
ああ、勿論さっきの飴を直獅センセから貰ったっていうのも嘘です。あの人が媚薬入りの飴なんか持ってたら世も末ですよねー」


「…ッ、お前……本当に七海かよ…!?」


「当たり前じゃないですか!俺は、会長に初めて会った時からずーっと七海哉太ですよ」


一樹はソファから立ち上がろうと背もたれに手を掛けるが、のんびりとテーブルにビデオカメラを置いた哉太にその手を取られ、揚句容赦なく捻り上げられてしまう。ぐっ!と呻き声が漏れ、身体のバランスを崩しソファに倒れ込む。


「…くっ、ぁ…!」


それだけだというのに、服が擦れる感覚、柔らかい生地に背中を打つ感覚にうっかり高い声が漏れてしまい、一樹は顔を赤くした。この状況には全く相応しくない声である。可愛がっていた後輩に腕を捩られ、ソファに倒れただけなのだ。一樹は唇を噛み哉太を睨み上げると、十分に力が入らないながらも哉太を蹴り上げようと右足を振るった。


「っと…!」


だが喧嘩慣れしている哉太にとっては薬で弱った蹴りなどなんの意味も持たず、あっさりと足首を掴まれてしまう。


「不知火会長には、飴一つじゃ足りないか…?アレでも結構強力って話だったんだけどな」


「っ、……七海…ッ、今だったらまだ許してやる…!だからこん……っ、ぅ、あああ!」


「あれ、まだ触ってもないのに完勃ちッスか?うっわー…会長可愛い」


哉太は抵抗してくる一樹などまるで気にも留めず、足から手を離して身を屈めた。そして手の平で一樹の股間を撫でさすると、うっとりと吐息を漏らし目を細める。哉太が「結構強力」と言った通り媚薬の影響はかなり強いようで、敏感になった肌は服が擦れる感覚だけで震え、陰茎はすっかり勃ち上がってしまっていた。


「ふっ、ぅあ……な、なみ…やめろ…!んんっ」


右足はソファから下ろされ、まるで触れと言わんばかりの体勢であるが、一樹は足を閉じる事すらままならなかった。股間を撫でられるだけで身体中が快感に支配され、食いしばる歯はかちかちと音を立てる。


「あぁ、さっきまでのはやせ我慢…か。ふふふ、不知火会長〜…我慢なんかしないで狂っちゃっていいんですよ…?むしろ、そんな会長を撮りに来たんですし!」


「撮…っ!?な、なにする、気だ……あっく……ぅ…っ!」


「俺、どーしても不知火会長をハメ撮りしたかったんスよね〜」


「!?」


まるで今日の天気を答えるようにサラリと告げられた言葉に、一樹はゾッとして青ざめる。
なんだ、なんだ…!?今七海は、何て言った…?
哉太はポケットから飴を取り出し、個包装の封を切る。そして一樹にのしかかり飴を口元に持っていくと、実に無邪気に笑いかけた。


「不知火会長!飴、もう一個食べませんか?」




















ボタンを全て外され、はだけられたワイシャツから覗く乳首にはローターが取り付けられていた。テープで固定された二つのローターは機械的に振動し、コードレスのそれはただ一樹を追い詰める。スラックスや下着は疾うに取り払われ、剥き出しになった陰茎は先走りを溢れさせていた。
あれからもう二つの飴を無理矢理舐めさせられた一樹は最早蹴りの一つも出せず、快感に悶え頭上で両手を拘束する手錠を揺らすばかりだった。わずかに残った理性を手繰り寄せて堪えようとするが、ソファの背もたれに腰掛けた哉太が両足で陰茎を扱くと耐え切れずに喉をのけ反らせる。


「あぁっ、あ……んん!足、やめ、…ひ、ぅ…っ!」


「止めていいんスか?」


「〜〜ッ、ゃ…あ、ぁ……止め、ない、で…っ ななみぃ…もっと……んぅぅっ!」


「かーわい…、」


哉太は右手に持ったビデオカメラを一樹の顔に向けると、媚薬のせいで理性の飛んだとろけた表情をズームにしてディスクに刻んでいく。足で辱められプライドが傷付けられているというのに、今の一樹はそれすらも快感だった。白い足が陰茎を挟み、ぐりゅぐりゅと先走りを絡ませて扱く。親指が、手とは違う不器用さと力強さで亀頭を擦る。一樹は半開きの唇から濡れた喘ぎを漏らし、カメラのレンズを向けられても尚眉尻を下げて瞳を潤ませていた。


「ふっ、ぅ、うんっ ……っは、ああ…、あ、しぃ…っあし、もう…!」


「何ですか?不知火会長のちんこ、俺に踏まれてすげーぐっちょぐちょになってますけど…気持ち良くてヤバいんですか?」


「んっ、んん…!」


「あー、今カメラ会長の顔写してないんでちゃんと口で言ってくれないとわかんないです」


「そん、…っ あぐっ、ああ゙ああぁ!」


身勝手な理由で一樹に更なる屈服を迫る。問い掛けに対し必死に頷く一樹だったが、それでは不満なのか哉太は陰茎を足の爪でガリガリと引っ掻いた。敏感な陰茎を容赦なく虐げられ思わず逃げ腰になる一樹を見下ろし、哉太は恍惚として唇を舐める。憧れの人が自分の足などで悶絶し、困惑と快感に歪んだ表情で自分を見上げてくる…。普段の凛としたオーラは、浅ましい欲望に汚れ彼を包んでいた。


「はい、会長のちんこ、ちゃんと撮ってあげますから…言ってくださいね。ほらっ」


「んああぁっ!ひッ…!先、ぐりぐりする、な、ぁ…あああーっ!」


「嫌なんですか?…嫌じゃないですよね。イきたそうにビクビクしてめっちゃえろい……」


「ふぁっ、や…七海……なな、み…ッ っあ…あ……イ…き、たい…!たのむ…からぁ…ッ」


「駄目です。もっとハッキリ。」


ピシャリと跳ね退けられ、一樹は震える唇を噛んだ。無意識に腰が揺れ哉太の足裏に陰茎を擦りつけようとするが、哉太がそれを許すはずがない。足を離し、先走りに濡れた指先で下腹部をゆっくりと撫でると、くすっと吐息混じりに囁いた。


「不知火会長もエロ本くらい読みますよね?…あのくらいハッキリ言ってくれないと、撮り甲斐ないですから。」


「……ッ…!」


「早く。……ちゃんと言えたら、もっと気持ち良くしてあげます、会長…」


「ぅ、……ぁ…っ」


哉太の言葉が脳にいやらしく染み渡り、脳漿に砂糖がゆっくりと溶けて身体が甘く酔い痴れていくような錯覚に囚われる。薬により無理矢理高められた熱を吐き出すことが許されない苦痛に堪える余裕などなく、一樹は言われるままに口を開くしかなかった。


「七海…っ、ぁ……!カメラ、向けるな…!」


カメラの黒い眼が自分の恥ずかしい姿を納めている、淫らな言葉を記録しようとしている。嫌で嫌でたまらない筈なのに、一樹は胸が熱くなり心臓が早鐘を打つのを止められなかった。


「くっ…うぅ……!」


「はい、じゃあ……撮られて盛る淫乱な会長は、どこをどんな風に虐めて欲しいんでしょうかー?……あ、自分の名前もちゃんと言ってくれると嬉しいッス」


吐き出せない熱が苦しい。これは全て媚薬と哉太のせいなのだと、一樹は躊躇に目をつむり拘束された手を握り締めた。


「っ、ぅ……一樹の…」


「会長の…?」


「一樹、の……っ踏まれて…感じる、変態ちんこ…うぅ……っ!…七海の足で踏んで…イかせて、…欲しい………っ!」


「…………」


「……な、…なな…み…?」


顔を真っ赤にして、震えそうになる声で、一樹は漫画にしかないような台詞を吐いた。しかしそれに対し哉太は無言で、一樹は恐る恐る瞼を上げる。


「あー…うわ、何今の…すっげぇ可愛い…」


「は…っ!?」


「言葉が出ないってこういう事なんですね!超〜…っ、可愛いッス!コレが萌えってやつ…?」


「何言っ……ひ!ぅあ…ああぁ!」


「イくところはもっと可愛いんだろうな…。見せて下さいね、…会長」


興奮で、カメラを持つ右手が汗ばむ。哉太は左手にカメラを持ち替えると、再び一樹の陰茎を踏みながらワイシャツで手の平を拭った。"ついでに踏んでもらっている"ような雑な扱いが、一樹の身体を更に高ぶらせる。被虐的な嗜好などないと思っていたのに、歯を食いしばらなければ絶頂を堪えられない程に一樹は興奮していた。


「ひぅっ、あ…ああ!両足…ダメ、だって…ッ!あ゙ぁぁぁっ」


「この方が気持ちいいですよね」


「んっ、ん…!気持ちいい…きもち、ぃから……イっちま、うから…だめ…ぇ…!っあんん!」


ぞくぞくとした痺れが、下半身から徐々に熱を増して迫り上がってくる。イく、と一樹が譫言のように言うと、哉太は唇を舐めてカメラのズーム機能を調節した。まずは全身を写してから…今まで誰にも見せていないであろう、その甘い表情を。


「ひぃっ、ぐ…イく……う…イく…んあっ、あ……七海…ななみ……俺…っ!」


「後輩に足コキされてイっちゃう不知火会長を、ちゃーんと撮ってますから!ほら…イっていいですよッ」


「いっ、そ…な……強く、されたら…!ンっ、ぁ…あっ、イ……くっ、ひっ、ああ゙あ゙ぁああっ!!」


びくん、と身体が跳ねる。背中をのけ反らせて一樹が絶頂の悲鳴をあげると、哉太の足の裏に彼の精液が熱く迸った。眉間にしわを寄せて一樹が荒い呼吸を繰り返すのを尻目に、哉太はその足の裏をカメラに納めていく。


「コレが不知火会長のザーメンか〜……、たまんねぇ」


足が疲れたとか、そんな事は全く気にならない。むしろその疲労すら哉太を一層興奮させてならなかった。
哉太は自分の靴下で一樹の精液を拭うと、それを適当に放りソファの背もたれから降りた。そして一樹に覆いかぶさると、ニヤニヤと歯を見せて笑う。


「はあっ、…はあ……ッ…」


「よいしょ。ほらほら不知火会長、全然勃ったままじゃないッスかー。まだ、足りません?」


「ぅ…んっ、…ぁ……ななみ…っ」


「コレも、すげーよく似合ってますよ」


「ぃあ゙っ!んぅぅぅッ!そ、それ押し付け…っ、ひ、あぁぁ!」


カメラを持つ右の手の甲で、固定されているローターを乳首にぐり、と押し付けると、強すぎる刺激にたまらず、一樹は肘で哉太を押しやろうとした。しかし弱々しい抵抗など全く無意味で、哉太はそれを可愛らしいと思いながら左のローターにも手を押し付ける。


「っあああ!ん、んん…ッ
も…っ、やめ…ろよぉ…っ」


「ダメですって。ほら、飴はまだ残ってるんですよ?」


哉太は身体を起こしポケットから二つの飴を取り出すと、一樹に見せ付けるように振った。彼の喉が期待にひくつくのを見、口角を上げる。
不知火会長…可愛いなぁ……。
傍に置いていたローションを手に取り、左手しか使えない為そのまま陰茎にたっぷりとかけていく。突然の冷たい刺激に一樹はヒッ、と喉を反らすと、思わず身じろいだ。


「あーあー、動かないで下さい会長。会長にあんま痛い思いして欲しくないんで」


「なっ、んで……そんなの、っあ……!」


「会長に、飴を食べてもらおうと思っただけッスよ?」


後孔までだらだらと垂れたローションを塗り込むように、哉太は手の平と指を使ってぬちゅ、と音を立てながらぬるつく肌を撫でる。セックスの経験などない一樹は、陰茎を誰かに触れられる事は勿論後ろを弄られるなど初めての経験であり、媚薬で浮されているとはいえ抵抗感があるようだった。しかし指先が後孔を撫で、くるりと円を描いていくと、それだけでぞくんと快感が走る。一樹はその感覚に驚くも哉太が与える快感にすぐに流されてしまい、指先をゆっくりと出し入れされる事もすんなりと受け入れてしまった。


「あ…っ、あぁ……!な、これ…んん、ん…はぁ……っ、…気持ち……いい…」


「媚薬のお陰ですね、もう二本も入ってんのわかりますか?」


「んあぁっ!馬…鹿ぁ……ッ、拡げ…んな……ひぅっ」


「きゅうきゅうに締め付けて来る会長も、ちゃんと撮らないと勿体ないよなー」


「ばっ…!?そんな、トコ…撮る、な…!あぁあ…っ!」


カメラが自分でも見た事のない所に向けられ、羞恥心からなんとか足を閉じようとする。だが哉太がナカで指を折り曲げると、その力も抜けてしまった。


「はぅ……七海ぃ…っ」


「もう大丈夫そうだな」


ローションに塗れた手で袋を摘み、口で封を切って二つの飴玉を手の平に取り出す。どこか楽しそうな表情を浮かべながら飴を握り、哉太はそれらをローションで濡らした。直径が2cm程の飴が、てらてらと淫靡に夕陽の光を受ける。


「…っ!?」


「…?あぁ、言ってなかったッスね」


飴を後孔に宛てがい、中指にぐっと力を込める。最初は抵抗があるが、一度入ってしまうと飴は押されるままにナカに押し込まれていった。


「―――ッ!ぁ、あ……っ!?」


「残りの飴は、コッチから食べてもらおうかと思いまして」


「こっ、ち…って…!ひ…ッ!?そんな…二つも入るわけ、な…ぁ……ああああぁっ!」


間髪入れずに二つ目の飴を押し込まれ、一樹は初めて感じる異物感に目を見開いた。後ろを締め付けるとごつごつとした感触を下腹部に感じ、言葉にならない呻きを漏らしながら必死に浅い呼吸を繰り返す。


「気持ち悪い…っ、…はぁっ、ん……」


「すぐに溶けてくると思いますから、大丈夫ですよ。
……あぁ、溶かすなら混ぜた方がいいですよね!不知火会長、溶かすの手伝いますよ!」


「…混ぜる、って……?んっ、……っ、なッ!?な…七海……まさか…っ!」


ベルトや制服がローションで汚れるのも気にせず、哉太は左手を器用に使ってベルトを外していく。一樹は哉太が何をしようとしているのか気が付いたのか、拘束された手を動かして何とか逃げようと身体を動かした。だが媚薬が直接溶け出し始めた直腸内は今まで以上に切なく疼き、勝手に収縮する度に飴の形を感じてしまう。そればかりか次にくるであろう更に大きな快感を想像して、一樹は知らず知らずに物欲しげな目で哉太を見つめていた。


「はぁ……。ふ、ふふ…っ 不知火会長に挿れるとか、マジで夢みてぇ…。」


なんか、嬉しすぎて笑えてくる…ッ!
勃起しきって痛いくらいの陰茎を握り、手に残ったローションを塗り付けるように数回扱く。思わず口から零れた笑いは、更に興奮を煽るようにジリジリと胸を熱く焼いた。哉太が先端を後孔に宛てがうと、一樹はひくりと喉を震わせ不安げに哉太を見上げる。カメラを持ち続けている為右腕は痺れてきていたが、ようやく撮りたくて堪らなかったシーンが目の前にきているのにカメラを置くなど有り得ない選択だった。哉太はにやりとした表情を直そうともせずに、一樹に声をかける。


「会長…挿れますよ」


「っ、待て…!そんないきなり入るわ、け……ッぅあ!あ、あああーっ!」


挿入の圧迫感に、押し出されるように声が上がる。しかし不思議と痛みはなく、一樹はそれが信じられないと言いたげに唇を開閉していた。


「クッ…、はは!…入っちゃいましたね。あぁ、これが飴か。っと」


「ひぅ!ぐ…っ!や…飴……押し込まれ、ぅ…あ゙……んぁああ!」


抽挿を繰り返しながら、結合部をなぞりそれをレンズ越しに眺める。ローションが卑猥な音を立て、陰茎の先では溶けて段々と小さくなっていく飴を感じる。哉太は恍惚とした表情で腰を打ち付けながらも、突き上げられ、細い喘ぎ声を漏らす一樹をしっかりと録画しようと気を抜かなかった。


「んあっ、あ…あっ、ぁ、……な、なみぃ…!ひぁっ」


「会長のナカ…、溶けた飴が纏わり付いてくる…ッ」


「あ、んん!や…ぁっああっ、七海の……七海のきもちい…ぃ…!もっと…ななみぃ……ッ」


飴が溶けた事で、粘膜から直接吸収された媚薬が更に一樹を狂わせる。そしてそれは挿入している哉太にも影響を及ぼし、哉太は早々に限界を感じた。突き入れる度に熱い内壁が絡み付き、腰を引けば離したくないとでもいいたげにきゅう、と締め付ける。


「っとに、初めてッスか…?ぅ、ん……最高…」


「うあぁっ!そこ、イイ…ッ んっ、んんぅっ」


「…ッ、あ……会長…俺…もう、ヤバい…!」


「あっ、ぁぁ!…ふぁ…、っン、…七海……一緒、に…っ」


一樹が脚を哉太の腰に絡め、誘うように腰を押し付ける。哉太はその様子をカメラに納めきれない事を悔しく思いながらも一樹にすっかり煽られ、押し殺した声が切羽詰まったものになっていった。


「ン…っく……!会長…ッ」


肌がぶつかる度に、ローションが糸を引く。粘着質な音が聞こえる間隔が徐々に短くなっていき、余裕のない一樹は突き上げに合わせて母音ばかりを吐いた。哉太が限界とばかりに強く腰を打ち付け、低く噛み殺した声と共にナカに吐精すると、釣られるように一樹は絶頂を迎えた。


「ひ、あ……!――――ッ、んっ、あぁぁ゙ぁあぁ!…ぁ…熱、い…っ」


「っ、ぁ……はあ…っ、会長………まだ、終わりじゃないですよ…?」


カメラをテーブルに置き、自由になった右手を一樹に伸ばす。無理矢理犯されているというのに、一樹はその手に縋りたそうに手錠を鳴らした。



















「よしっ、と」


一樹が気を失ってしまう頃にはもう陽は沈み、部屋の照明を点けなければならなくなっていた。哉太は服装を整えた一樹を背負い、ビデオカメラや手錠を手に持って生徒会室を後にする。


「えーと…牡羊座寮の近道は…………」


カメラにしっかりと納めた映像を思い出し、一樹を寮まで運びながら哉太は口元が緩むのを抑えられなかった。
一樹のポケットに、彼を狂わせる甘い罠を仕掛けて。その丸い感触を思うだけで、哉太はまた勃起してしまいそうだった。


「いつでも俺の所に来てくださいね、不知火会長…」

















end










2012.9.27

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あきゅろす。
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