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Novel
★【男主夢】12星座と濃い物語12









扉を閉め、帰ってきたような気持ちで廊下に一歩踏み出……した、つもりだった。


「…え……?」


星座の部屋を抜けた後という状況には見慣れない場所。一応"夜空の廊下"の様に一面が星空ではあったが、ドーム状であり、星は全て妖しく紫色に光っていた。ハッとして振り返り、自分が今入ってきた扉を見て驚愕する。扉にはまるで何かで引っ掻いたかのように荒っぽく、大きな射手座の記号が刻まれていた。
此処は…"夜空の廊下"じゃない…!?


















〜12.射手座の部屋〜





「名無し先輩、いらっしゃい」


「ひ…っ!?」


扉を見つめて呆然としていたところに、突然誰かに腰を撫でられ思わず声が上がる。今さっき、"蠍座の部屋"からの去り際に腰をサソリに刺されたせいで立っているだけでも辛いのに、撫でられなんてしたら…っ


「あぁ、ちゃんとやってくれたんだ、宮地先輩」


「…っ?」


聞き覚えのある少し高めの声に、俺は振り返る。


「あ、ずさ君…!?」


「なんでそんなに驚いているんですか?あぁ、もしかして、僕が射手座だって事…忘れてたとか。」


そこに立っていたのは弓道部の梓君で、どこか嬉しそうに声を弾ませていた。部活中の夜久に忘れ物を届けに行った時に会ったのが最初で、普通に苗字で呼んでいたのだがしばらく後に何故かファーストネームで呼ぶように頼まれたのも記憶に新しい。


「はぁ…っ、く……なんで…?廊下は……」


最後の回復だけが頼みの綱だったのに、なんで"夜空の廊下"が無くなっていていきなり"射手座の部屋"に繋がってるんだ…!?俺はとにかくそれが気になって、荒くなる呼吸をなんとか押さえ込みながら聞いた。


「…そんなに、神楽坂先輩に会いたかったんですか?」


「……は…?」


神楽坂が…なんか関係あんのか…?どこか冷たく言う梓君に俺が首を傾げると、肩を竦められた。


「いえ、なんでもないです。
そうですね…廊下は、"お願い"を代償に消しちゃいました」


「はぁ!?」


消しちゃいました、って…!
どうやら、鍵は開けておく・"お願い"を言わない、この二つを代償に梓君は蠍座と射手座の間の廊下を消して、直接部屋を繋げたらしい。そんな事が出来るのかよ…っ 最初は"番人"の存在そのものにビビっていたが、知り合いの…一応人間だからと緊張は薄れていた。だが、ここに来て再び冷汗が流れる。


「なんで…っ、廊下を消す必要が…」


「なんで、って…折角宮地先輩に、名無し先輩の写真と引き換えにサソリを刺す約束を貰ったのに……回復とかで神楽坂先輩に邪魔されたくありませんから。」


写真!?んなモンいつ撮っ……、…ていうか貰ってどうすんだよ宮地…。目茶苦茶いらないだろ!いや、そんな事より…、廊下が消されて神楽坂は大丈夫なのか…?
呆然とする俺を軽く笑い、梓君は俺に抱き着いてきた。身長は俺の方が梓君より高いが、有無を言わせぬ雰囲気に思わず引け腰になってしまう。梓君は俺の腰をやらしい手つきで撫でながら、甘えるように言った。


「名無し先輩……僕は先輩に"お願い"は出来ません。でも、先輩は僕に"お願い"してもいいんですよ…?」


「何言っ…、うぁ、あ…っ!」


「身体、辛いですよね?」


辛い…、辛いに決まってる…!でも鍵が開いてて"お願い"を聞く必要もないなら、元の世界に早く帰る為にも流されてはいけなかった。何より、神楽坂が心配だ…。
だが梓君は、俺が必死に手繰り寄せていた理性を押し流そうとしてくる。


「先輩、一言"お願い"って言ってくれれば楽にしてあげます…」


「や、め……っ!」


そんな甘い声で囁かないでくれ…っ!梓君を引きはがそうとしていた手は知らず知らずにその細い肩を掴んでいて、離さなければいけない真っ白なワイシャツにしわが寄った。俺の腰を撫でていた手はいつの間にか前に回っていて、ろくに抵抗も出来ない間にベルトを取り払われジッパーまで下ろされる。


「触ってないのに…もうぐちゅぐちゅですね」


「はっ、…んぅぅっ!あ…っ、やめ……ろぉ…!」


下着の中に滑り込んできた手が、俺のペニスを握った。性急なのに、媚薬に侵されたせいで既に勃起していた俺は、抵抗の言葉すらまともに吐けないまま梓君の手に悶えるしかない。下着の中で手が動かしにくいのか、まるで焦らすようにゆっくりとした手の動きにじりじりと炙られ、身体が追い詰められていった。


「あっ…ん、んんぅ…!」


肩を掴んでいただけだった手は、徐々に背中に滑っていく。駄目だ、駄目だと頭で思うのに…まるで求める様に梓君の肩に顔を埋めた。歯を食いしばって声を抑えようとするが、先端をぐりぐりとえぐられるとたまらない。


「ひ!ぁ、……梓くん…っ、も…や、だ…ッ」


「先輩、耳元でそんな声を出されて……、止めてあげる男がいると思いますか?」


「あっ、ぁ……あ、ん…っ!
さきっぽ…ぐりぐり、したら……ッ、ダメ…だって…っ」


梓君の親指が尿道を刺激し亀頭を円を描くように撫で回す度に、俺は立っているのがやっとな足を震わせた。大して愛撫されているわけでもないのに、もうイきそうで何も考えられなくなる。


「はっ、ぁ…あ、梓く…!イく、ぅ……!」


「まだ…駄目です。」


「ッ…!!?」


イきそうになり梓君を強く抱きしめたところで、あっさりと手を抜き取られ俺は息を飲む。吐き出せなかった熱が身体の中で暴れ、イけなかった苦しさに泣いてしまいそうだった。とても立っていられず落ちるように床に膝をつく。


「っ、ぁ…や、……なんで…っ」


普段の俺だったら、相手の手が離れたのを好機と見てすぐさま逃げていたかもしれない。絶頂の直前で止められたって、後で抜くなりなんなりすればいいからだ。しかし今回は…媚薬のせいでそんな余裕もない。イけなくて辛い、「なんで」が意図せずに漏れた。梓君は俺と目線を合わせるようにしゃがむと、大きな目を輝かせクスッ、と可愛らしく微笑む。


「言いましたよね?先輩は僕に"お願い"していい、って…」


「……っ、…!」


「名無し先輩の"お願い"…聞かせて…。」


そう囁くと、梓君は俺の左手を取り指先を口に含んだ。目を閉じた梓君が俺の腕を両手で持ち人差し指と中指をくわえこむ姿は、ゾクリと征服欲をくすぐられる……けれど、身体は全然言う事を聞かなくて、指の付け根を舌先で強く押され床にへたれ込んでしまった。


「ふぅ、ぅ…ん!…あっ、あず、さく……ん…ッ」


「んっ…、名無し先輩……」


「ひゃっ、あぁ!ぁ…痛ッ、っんんぅ!ふ……ぅ…くっ、ん…」


ガリ、と指を噛まれ、そしてすぐに労るように優しく舐められる。もう痛いのか気持ちいいのかもわからず、辛口の快感に俺は右手で口を押さえた。すると梓君は少し不満そうに目を細め、ぢゅるるっと指を吸いながら指を引き抜く。まるで理性も吸われてしまいそうな錯覚に陥り、また漏れそうになる声を必死に抑えた。


「ぷはっ …先輩、声抑えるのは禁止です」


「えっ…、ちょっ、梓君…!?」


さっき抜き取られたベルトを片手に持ち、梓君は俺の両手首を掴んだ。


「っ!ふざけ……ッ」


まさか拘束されるのかと思い、俺は慌てて手を振り払おうと腕に力を込める。だが見かけに依らず力があるらしく、梓君は俺を床に押し倒すと、俺が背中を打って怯んだ拍子に手首をベルトで固定してしまった。


「くっそ…!っ、うあ!ぁ…っ」


「これでもう、声を抑えられませんね」


「ひっ、ぅんん…!梓…くん…っあぁあっ、あ……!」


手を頭の上で固定され、ワイシャツの上から指の腹で乳首を押し潰される。口を塞ぐ事も出来ず、声を噛み殺す力もなく…俺は開きっぱなしの唇から喘ぎ声を漏らすしかなかった。
ワイシャツのボタンをゆっくりと外され、あらわになった乳首を舌と指で弄られる。


「あぁ、ぁ……ふっ、ぅ…!」


「……まったく、本当に可愛いな…。
ねぇ、名無し先輩。先輩は射手座の神話はどっち派ですか?」


「んうぅっ!や…、何……しん、わ…?」


乳首を摘まれ、思わず身体が反る。とろけた目で梓君を見ると、「はい」と返された。どっち派って…射手座の弓を引いてるのはケンタウロスかサテュロスかって事か?ケンタウロスの方は…確か、ヘラクレスが放った毒矢が運悪く刺さり、ヒュドラの猛毒に苦しみ続けたがゼウスの父・クロノスと妖精・フィラの子供であるケンタウロスのケイロンは不死身である為死ぬ事が出来ず…それで見兼ねたゼウスがケイロンに安らかな死を与えたって話だ。俺はどっちかというと一般的なケンタウロスの神話の方が好きだった。


「ケンタウロスの、方だけど…っ?」


俺がそう返すと、梓君はにこりと笑った。


「あぁよかった、僕もケイロンの方が好きなんです。サテュロスの性格って翼に似てるから…それが弓を引いてるって、なんだか落ち着かなくて。」


悪戯好きだったり臆病だったり、確かに似てるところはあるかもしれない。それにしてもいきなり神話の話なんか始めてどうしたのかと思っていると、梓君は唐突に俺のズボンのウエストを掴んだ。


「なっ!?」


「ところで、なんで射手座の弓が引かれたままか…ご存知ですよね?」


それくらい知ってる。射手座の弓は蠍座の方を向いていて、オリオンを刺し殺したサソリが暴れた時の為に、弓の名手であるケイロンは常に弓を構えているのだ。…と、意識が逸れている間にあれよあれよとズボンと下着が膝まで下ろされてしまい、しまった!という顔をしていると梓君はしたり顔をした。


「あははっ、そんなに真面目に考えなくてもいいのに。馬鹿正直というか、単純ですよね先輩って。」


「チッ…、失礼な奴…!」


「僕なりに褒めてるんです。」


どこが褒めてるんだ、と睨もうとしたがさっき寸止めを食らったペニスを再び握られ、俺の身体は勝手に跳ねた。ギチ、と手首を締め付けるベルトが動きを抑制する。


「凄い…びくびくしてる……、そんなに触って欲しかったんですか?」


「あっあぁぁっ!はぅっ、あ…んん…ッ」


下着に制限される事もなく、梓君の手は俺のを上下に扱く。カッと身体が熱くなり呼吸が荒くなってきて、もうイく、と俺は譫言のように零し膝をすり合わせた。…しかし梓君はまた手を離し、先走りにぬるついた指で乳首をくりくりと回した。


「ふっ、く、あ……あぁぁっ、また…ぁ…っ!」


「蠍座のサソリはオリオンを殺す程の毒を持っていました。」


乳首をピンと弾き、また弄る。乳首で快感を拾う経験がほとんどないから、乳首だけでイく事ができない…それなのに媚薬のせいでどうしようもなく気持ち良くて、イきたくてもイけない苦しさに涙が滲んだ。


「蠍座の…宮地先輩のサソリが人を刺しました。これは"射手座の部屋"の番人として、矢を射る必要があると思いませんか?」


「何言っ、ふっ、あ、あぁぁぁあっ!」


ぼんやりとした頭に、俺はサソリじゃない、とかそもそもけしかけたのは梓君だろ、とか言ってやりたい事が浮かぶ。だが胸から手が離れたと思ったらまたペニスを握られ追い詰めるように扱かれてしまい、何も考えられなくなる。どうせイかせてもらえないのかと思うと辛かったが、でも扱かれている間だけでも与えられる快感を貪欲に味わった。


「ひ、ぁあ!やぅ…あ、あっ…あぁぁ!梓君…ぅ……んあぁっ!」


「先輩……」


「ぅ、っく!?あ、ぁっ……は…!ゆ、び…ぃ………あんんっ!」


また手が離れたと思ったら今度はアナルに指先が触れ、先走りに塗れた梓君の細い指がナカに捩込まれた。かはっと息が止まる。媚薬のせいか指はすんなりと根本まで入り、俺が驚きに身体を強張らせていると、梓君はゆっくりと指を引き抜いていった。


「あ!ぁ、ん…んんっ、くぅ……!」


「名無し先輩、慣らさなくてもよさそうですね」


慣らす、という言葉にギョッとする。ま、まさかまた男に挿れられちまうのかよ…。俺は不安げに梓君を見上げる…が、梓君は特に着衣を崩す様子もなく、何も考えずに一先ずホッとする。ところがどこから取り出したのか…紫色の毒々しいバイブを掲げられた瞬間、俺は青くなった。


「さてと、話の続きをしましょうか。」


「なっ、ぁ…!?」


「サソリの毒は、あのオリオンを倒す程でした。なら、その毒に対抗する為には…更に強い毒を持った生物が必要だと思いません?」


よく見るとバイブは何かの粘液にぬらぬらとしていて、その淫靡な様子に思わず生唾を飲んだ。


「うみへび座になった怪物……って言えば、わかりますよね?」


ぴと、と先端が後ろに当たる。刹那、冗談みたいにそこがどくどくして…熱を持って…、俺は思わず悲鳴を上げた。


「ひあ!あっ、あ…!?」


うみへび座…うみへび座って確か、ヘラクレスが戦った………っ


「ヒュド、ラ……っ!?」


「はい。このバイブにはヒュドラの毒…、まぁサソリと同じく媚薬に変えてますけど、それがたっぷり塗ってあるんです。」


ヒュドラは恐ろしい猛毒を持ち、吐く息にすら毒気があった。ケイロンだけでなくヘラクレス自身をも死に追いやったという神話のヒュドラの毒は…現実のサソリの毒など軽く凌駕しているだろう。


「そんな、の…挿れんな……!」


「大丈夫です、名無し先輩への負担が少ないように…細いサイズにしましたから」


「そういう問題じゃ…っ、あ、ああ゙ぁぁあ!!!」


一気に根本まで挿入されて苦しいとか、そんな事考えてる余裕は全くなかった。ヒュドラの毒が一瞬で吸収されて、身体中を駆け巡り荒かった呼吸はもっと短くなる。イけないようにペニスの根本を握り込まれ、そしてバイブのスイッチを入れられてはもう堪らず、俺は絶叫に近い声を上げた。


「うあ、あ…あ゙ああ゙ああぁああ!!!ひゃああぅっ!や、ら…ぁぁあああっバイブ抜い、てぇぇぇ!!」


頭の中が真っ白になり、自分が何を叫んでいるのかもわからない。うねるバイブが内壁を擦り、普通ならもう何度も絶頂しているような苦痛とも言える快感の中でも梓君の手のせいでイけず、ただ悶えた。


「先輩…名無し先輩?僕が最初に言った事、覚えてます?」


「はあっ、あああ!んぅっ!ひ、あ、あっ……最初って、んあああああ!!も…無理ぃぃぃっ!ナカこすっちゃ…んっ、く、ああああああ!」



最初……梓君が最初に言った事…?働かない頭で必死に記憶をたどり、俺は梓君の言葉をようやく思い出した。

『先輩、一言"お願い"って言ってくれれば楽にしてあげます…』

媚薬を打たれていたからといって快感に負けるのは癪で、頑なに拒否してきたが…もう限界だった。


「お、ねが…ぁ…っ」


「……ん?」


「あっ、あう、ん…!おねが…っ、"お願い"!!梓君…っ!!!ひ、ぅあっ、あ…ああぁっ、も…もう………イかせ、てぇぇ…!!!!」


「ふふっ………やっと言ってくれた…。
…いいですよ?僕のナカで、たっぷり出させてあげます」


そういうと、梓君は俺のペニスを掴んだまま片手で器用にズボンと下着を脱いだ。梓君が動く度にペニスが強く握られたり曲げられたりされ、それにも一々喘いでしまう。
梓君はワイシャツ一枚の姿で俺に跨がると、ゆっくりとペニスから手を離した。梓君のは触れてもいないのにもう勃起していて、可愛い顔とは対照的な男の欲に図らずも心臓が跳ねる。


「はぁ…名無し先輩…、……先輩の…早く欲しかった…」


熱っぽく呟くと、梓君はゆっくりと腰を落としていく。いやにスムーズで、予め慣らしていたに違いない、と何と無くわかった。今まで散々な事しておいて最初から受け側のつもりだったとか…とんだ女王様もいたもんだ。根本まで入ると、梓君はゆっくりと腰を上げていく。下から上へと搾り取られるような感覚と、ナカでうねり続けるバイブとに一緒くたに襲われ、俺は枯れかけた声を上げた。


「あ゙っ、ああああっ、あぁ!!あ、ず…さく…っ、あんんん!梓君のナカ…ひっ、ぅ…きもちぃ……っ!」


「あっはは…!これじゃどっちが挿れられてる、のか…っ……わからないですね…!」


俺の上で腰を動かし、余裕たっぷりの表情で俺を見下ろす。ぎゅうっと締め付けられ、我慢に我慢を重ねていた俺は、それに耐え切れずに手首を締めるベルトを軋ませながら呆気なくイった。


「イっ…あぁぁっ、イく…イ、くぅぅっ!あ…、ひっ!ああああああぁぁぁ!!…あぁ……ん…っ」


「……ぁ…っ!」


焦らされたり、悍ましい程の媚薬をいれられたり…、やっと吐き出せた長い長い射精に、俺は息をつく。しかし一度イったくらいでは熱は治まらず、梓君がまた腰を上下に動かした事でまた一気に熱が高まった。おまけに、ヒュドラの毒に塗れたバイブを抜き差しし始めて、前と後ろからの刺激に俺はいやいやと首を振る。


「あ゙っ…あぁぁぁ!!イっ、た、ばっかなの、に…ああああ!!!!!バイブ…っ、ぐちゅぐちゅしたらぁっ、また…またイっちゃ、あ、んううぅぅ!」


「あっ…、ん…!……先輩…またイきますか…?」


「んん!くぁっ、あ…!ひ、いぃっ またイく、イ……っ!ひゃああああああっ!!」


びくんっと身体を痙攣させ、続けざまな二度目の絶頂に視界は白み思考が止まる。


「まっ、て…!もう…そんな連続じゃムリぃ…!!んっ、ぅあ゙あ゙ああぁぁぁ!梓くん…っ、もうやめ…っ、ああ、あっ!きもち、よすぎて…おかしくなるぅぅぅっ、あ、やぁぁあ゙あっ!!!」


何度も何度も、俺の精液が殆ど出なくなるまで無理矢理イかされ…ようやく終わった頃には、俺の声は完全に枯れていた。
























幸いサソリとヒュドラの毒…というか媚薬は精液を出し尽くしたら一緒に抜けたようで、俺はようやく元の感覚を取り戻した。それにしても、結局流されてしまった事が悔しいやら…遣る瀬無いやら…。ヒュドラの媚薬にやられた後は頭がぶっ飛んでて記憶が曖昧なのだが、思い出さない方がいいという事だけはハッキリしていた。


「じゃあ梓君、俺行くよ…」


掠れた声で梓君に言う。涼しい顔をしている梓君に、それこそ媚薬を盛ってやりたい気持ちになった。いや、冗談だが。


「扉まで送りましょうか?」


「送るような距離じゃないだろ!…あー、とにかく………もう神話の乱用はするなよな」


「神話の乱用って…っ、なんですかそれ」


クスクスと笑う梓君に、べーっと舌を出してやる。やれやれ偉い目に遭ったもんだ!しかしようやく全ての部屋を回ったのだ………これで帰れる…!


「んじゃ、またな!」


「はい、楽しかったです」


「う、うるせぇよ…。つか、忘れようとしてんだからそういう事言うな!」


梓君に背を向け、扉に向かう。出口の扉はいつも、特に特徴のない地味なものだったが…今回は初めて扉に模様があった。


「蛇…?」


可愛らしい蛇がドアノブの上に描かれていて、それは神楽坂の蛇のぬいぐるみと同じデザインだった。なんか和む。


「神楽坂……」


廊下が消えたりしたが、どうか無事でいますように!
俺は最後の扉を開け、"射手座の部屋"の紫色の星に別れを告げた。














continue











2012.6.1

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あきゅろす。
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