Novel
01+07【正当化】
「失礼だと思わない?犬を”ペット”だなんて表現してさ!そりゃあ僕達人間の方が彼らよりも知能があって身体も大きくって色々優れているかもしれない。じゃあもし、人間よりも身体が大きくて頭のいい生物が存在したとしたら?そして人間を飼いはじめたら?その生物…まぁ僕達から見たら巨人だね。巨人が、僕達に首輪をはめたり狭い場所に閉じ込めたり、勝手に身体を洗って来たり命令してきたりしたら?不満じゃないかな。しかも勝手に「人間の知能レベル」を考え出して、一般人の知能レベルは巨人でいうところの10歳程度のレベルで、東大卒の人の事を「稀に20歳程度の知力を持つニンゲンもいます」なんて言い出したら?勝手にランク付けされちゃって、腹立つでしょ。僕達が彼らにしている事はそれなんだよっ!リードに繋がれた散歩、「健康のため」とか言って毎日同じ食事。たまに遊びで悪戯しちゃうと最悪暴力を振るわれる。それが、もし犬じゃなくて僕達に対する仕打ちになったら?皆絶対に怒るよね、自分だけは幸せでいたいんだもの!だから、犬と人間を区別するなんて事がそもそもの間違いなんだよ。命は平等なんて、口先だけの言葉はやめて本当に平等になるべきだよ!」
「だけどさ、羊。」
「なぁに、錫也。」
「それはお前が犬とセックスする事への言い訳にしか聞こえない。」
「じゃあ錫也も犬とセックスしてみればいい。」
「いい加減にしろ。」
「わかった、流石に抵抗あるかもしれないね。でも僕の意見も一理ある事は認めてよ。」
「ただの正当化だな。」
end
2011.9.1
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