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銀の魂
グラサンとの出会い
公園についた咲は、これから
自分は、どうすればいいのか考えた

新八君に教えてもらった
万事屋銀ちゃんに行くのも良いが
自分自身で考えてもいないのに
行き成り行くのは、失礼というもの。

公園のベンチに座り
思わず溜息をついた

しばらく、ベンチで考えていると
隣の席にグラサンをかけた人が
青い顔をしてリ●ルートを読んでいた
どうやらその人は、仕事を探しているらしい

はぁ、咲とグラサンの人の
溜息が重なった

顔を見合わせて
お互いに苦笑してしまった

「何か悩みでもあるのかい?」

『いやーおじさんこそ、
 仕事とか見つからなくて困ってますよね』

あっはっは、・・・はぁ。
二人の息は、ぴったり
ハモリまくりである

ちなみに、グラサンおじさんの名前は、
長谷川さんらしい
最近、仕事をクビになり
仕事を探しているが中々見つからないらしく
パチンコに没頭しているそうで
あと、妙な連れが出来たとも言っていた

『あれですね、長谷川さんも苦労してますね
 でも、仕事を見つけないとヤバイですよ
 最近じゃぁ、フリーターとか世間で言われて
 貶されるのがオチですからねー』

「あれ、咲ちゃん、妙に毒舌!!
 毒舌なんだけどぉおおお!!」

ぐぉおお!と長谷川さんが
頭を抱えて悶えていた
どうやら、本気で言葉が心に刺さったらしい

『長谷川さん見た所、30代っぽいですけど
 それぐらいの歳だと雇ってくれる所ありませんよー
 フリーター貫く気ですか?パチンコ止めてみては?
 パチンコの玉って鉄で出来るじゃないですか
 鉄の漢字って「金」を「失う」って書くんですよね
 まぁ、大当たりが出たらスゴイですけど
 出ない確率高いですからねー、あっはっは』

「ちょっ!咲ちゃん、最初あったとき
 こんな毒舌じゃなかったのにぃいい!!
 しかも説得力あるんですけどぉおおお!!
 あ、やべ、何か泣けてきた」

長谷川さんは、ポケットからハンカチを
出して、目元を拭いていた

『まぁ、いざと言う時は、
 グラサンを売るんですよ』

「駄目だからぁあ!グラサンだけは、
 売らないからね!グラサンとったら
 まったく ダインディーじゃない おじさん
 マダオになっちゃうからぁああ!!」

自分のグラサンをがっちり握って
放さない長谷川さん
よほどグラサンが大切らしい

『・・・もうなってますよ、マダオに
 まるで だめな おっさん ですからねー』

「そのフレーズ、聞いた事があるんだけどぉおお!!」

『ま、自殺願望とかは、止めてくださいね』

にっこり、長谷川さんに微笑んで言う

「そんな慈悲なる微笑みで言わないでくれる?
 おじさん、心折れちゃいそうなんですけど!」

『あれですよ、散々言ってから何ですが・・
 生きてればそれで良いんじゃないですか?
 生きてるうちは、好きな事いっぱい出来るし
 マダオさんは、マダオなりに頑張ってください』

「おじさんの名前、間違えてるよ!
 マダオじゃなくて長谷川なんだけどぉおお!」

長谷川さんの言葉を軽く無視して
ベンチから立ち上がった

『じゃ、マダオさん
 私、もう行きますんで、
 また会えたらスゴイですねー
 じゃ、さようなら』

「ああ、色々聞いてくれてありがとな
 咲ちゃんも元気でな」

って、マダオから直らないんだけどぉおお!
公園を去っていく時に後ろから
長谷川さんの声が聞こえた
思わず笑ってしまう


歌舞伎町の皆さんは、優しい人達ばかりで
人情溢れて、とても居心地が良かった

長谷川さんの仕事が見つかる様に
神社か何かあったら、祈っておこうと思う

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