お試し箱
4
時間は、どんどん過ぎていき。
この前まで赤ん坊だった真辺さん家の双子も
もう五歳になりました。
相変わらず学くんも○○ちゃんも互いにソックリです。
言葉もちゃんと話す様になりました。
そんな双子は、幼稚園の年長さんです。
あと一年で二人は小学校に行きます。
今回は、そんな双子の幼稚園での生活を見てましょう。
学くんと○○ちゃんは、基本的に二人だけで遊んでます。
どの子供達の輪にも入らず
二人だけでパズルや積み木をします。
たまに京子ちゃんや翔くんを誘って遊びますが
基本的に二人だけです。
そんな二人の友好の輪を広げたいと思った保育士さんが
二人を子供達の輪に入れてみた所
学くんも○○ちゃんも話しかけてきた子供を
無視して二人だけで遊んでました。
今度は二人を離して遊ばせて見ましたが
片割れが居ないと落ち着かないみたいで
仕舞いには二人とも泣き出してしまいました。
さすがの保育士さんもお手上げなのか
もう無理には二人を子供達の輪には入れませんでした。
ある時、双子は一人だけで遊んでいる子供に興味を持ちました。
暗い雰囲気を漂わせ一人だけで積み木をしている少年です。
「いっしょにあそばないの?」
『ひとりってさびしくない?』
一人で遊んでいる姿を見て
寂しく思った双子は少年に声をかけました。
少年は、そっくりな双子を見て
一瞬おどろいたあと首を横に振りました。
「いい、ひとりがいいから」
そんな悲しい事を言う少年を無視して
双子は、どんどん質問をぶつけます。
「なまえは、なんてゆーの?」
「・・・みやむら」
『みやむら?』
「・・いずみ」
『ねぇ、まなぶ』
「うん?なに?」
『まなぶより、かっこいい名前だね!』
「うっわ、ひどいよ○○」
少年の名前は、いずみくんらしいです。
無視されずに名前を聞けた双子は、おおはしゃぎ。
双子は、いずみくんの前に座り
一緒に積み木をしはじめました。
『わたしは、○○』
「ぼくは、まなぶ」
「『よろしくねー』」
「・・・うん」
一人が良いと言った、いずみくんでしたが
やっぱり友達が欲しかったのか
双子と仲良くなれて嬉しそうです。
それから双子は、頻繁にいずみくんに構いました。
いずみくんが寂しくない様に双子が気を使ったのかもしれません。
保育士さんも何時も一人だったいずみくんが心配だったのか
双子が友達になったのを見て微笑んでいます。
一人ぼっちだった宮村さん家の伊澄くんに
学くんと○○ちゃん、二人の友達が出来ました。
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