[携帯モード] [URL送信]

お試し箱
4ページ
○月○日 ×曜日 (雨なのかな)

今日は、ちょっと過去のこと
思い出してみる

私の両親が赤い箱にされた時の話
いつも通りに学校に行って
家に帰ってきた

いつもなら「ただいま」って行った後
「おかえり」って言われる筈の挨拶が聞こえなくて

買い物かな?って思って
リビングに入った

そしたらリビングが血だらけで
その中心に二つの赤い箱があった

最近ニュースとかで騒がれてた赤い箱
そんなことが自分に起きるなんて思ってなくて
まるでドラマを見てるみたいだった

恐怖もなんも感じなくて
悲しさも感じなくて
感情が麻痺したみたいに冷静だった

警察に電話して
警察が来て
赤い箱を見て驚いてて
私に詳しく聞いてきて
でも、わからなかったから
冷静に淡々と帰ってきた時の事を答えて
淡々と話してる私に警察官は溜息を吐いて
どっかに出て行った
きっと冷静に話してる私を気味悪がったんだ

残ってたもう一人の人が名乗って
たしか笹塚さん?って言ってて
頭をポンと撫でられた後
出てって戻って来てココアをくれた

少し悲しい気持ちが戻ってきた
でも涙は出なかった
感情が欠落?したみたいだった
まだ少しあるかな感情

そのあと、色々現場を調べるからって言われて
仕方なく両親の残ってる貯金を使って
現場検証が終わるまで
街をウロウロ歩いてた


歩いてたのが夜だったからかな
変な人たちに絡まれて
動けなくなってた所に
背の高い男の人が立ってた
眼光が鋭くて鷹みたいな目
上に立つ人の目みたいだった

その人が何時の間にか
私に絡んできた人達を倒してた

「ガキがこんな時間に何してんだ」
「さっさと帰れよ」

『家』

「あ?」

『家、今はいれないの』

その人は、早乙女國春って名前だった
可愛い苗字だなって思った
國春さんは、家がないって言った私を
國春さんの家に連れて行った

國春さんの家で訳を話したら
現場検証が終わるまで
ここに居ても良いと言われた
単純に嬉しかった

でも普段は、早乙女金融って所で
社長をやってて居ない時が多いから
何かあったら会社に来いって言われた
地図も貰った、今も大事にとってある

何かあったって程、大げさな事は起こらなくて
ゴキブリが出てきてパニックになった時はあったけど
(その時に呼んだら怒られた)
無事に家の現場検証が終わって
自宅に帰れるようになった

短くて長い間、國春さんにはお世話になった
恩返ししたいって私が言っても
國春さんは笑って私の頭をぐしゃぐしゃにしながら

「恩返しなんていらねぇよ」
って言ってた

最後に思いっきり抱きついて
家に向かって走っていった

國春さんの驚いた顔が面白かった

で、家に帰って沢山時が過ぎて
今に至るって訳ですよ

また会いたいな
笹塚さんと國春さんに。

[*前へ][次へ#]

4/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!