N 放課後、説教をくらった。 まずは担任、授業に来なかった理由とかなんやらたくさん聞かれた。全部ごまかした。隣りで虎ヶ峰はひたすら黙っていた。 次にマナミ。高棟に来た理由やらなんやらたくさん聞かれた。こっちは正直に話した。虎ヶ峰はいなかった。 「雄志くんと秋くんがケンカねぇ」 ケンカではないけどな。虎ヶ峰が勝手に怒った感じ。 「んで屋上に逃げた雄志くんを、こっちの棟から飛んで捕まえて説教ねぇ」 願いの件は伏せておきたいので言わなかった。多少事実と異なるが、まぁ大体あってるから、いいだろ。 「にしても、修のチカラが読心術だったなんて……」 人間ゼウスが前に言ってた『ブルーマインド』な。オレもびっくりしたよ。 「好き放題使えなくてよかったわね」 どういうことだ?ていうかなんで使えたかもわかんないし。 「ヒトの心なんて見たって、疲れるだけっぽいじゃん?」 だるいしぃ、と大きく伸びをしながら笑う。 まぁ、な。でもおかげで虎ヶ峰の……。虎ヶ峰の怒りを鎮めることができた。 「何、今の間?」 いや。べつに? 危ない危ない、願いのことをもらすとこだった。コイツにバレたら探りにくくなるからな。気をつけないと。 それより、問題なのは…… 「何。練習よ練習っ」 なんのだよ。 「見りゃわかるでしょ。チカラの練習よ、せめて日用品くらいはラクラク浮かせないとね」 さいですか。 せいぜい頑張るがいいさ。 「これで世界中の情報をかき集めるのよっ、あはははは」 さぁてオレはちょっと出掛けてくるかなー。 「……そろそろ馴れてきたわ」 制服に着替えないとな、あー面倒くさいだりぃ嫌んなるわ。 「ていうか、どこ行くのよ?こんな時間に」 ちょっと用事が、たぶんすぐ終わると思うけど。 「まさか秋くんと密会!?そうなのねそうなのねそうなのね!!」 そんな確認するなよ。何、密会って。オレって一体何物? 「許さないわよ、あたしも連れていきなさい!!まだアンタはまだガキなんだからねっ」 お前もガキだろっ。つうか違うっつぅぅうの!なにが悲しくてわざわざあんなヤツに会わないといけないんだよっ。 「何よなによっ、ほぼ毎日会ってるからってわざわざ会う必要なんてないですって?笑わせないでよっ」 笑ってねーじゃん。しかもなんか解釈間違ってるし、ややこしくなってるし。 こいつの相手するだけ時間の無駄だ。もう面倒だからこのまま行くか。 「ちょ、待ちなさいよ、逃げるつもり!?そーゆーの敵前逃亡って言うのよ!ちょ、聞いてる!?ねぇ、ちょっ――」 バタンっ こんなこと前にもあったな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |