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Lv.0-25
 俺はああ、と自分の愚かしさを嘆いた。
 さっきまではちゃんと言質をとられないように気をつけていたのに、同時に他のことを考えると途端に片方を忘れてしまうその鳥頭加減に自分でも情けなくなってくる。ああ、本当に自分が恨めしい。
 同時に、そこをついてきたヤマトが憎々しくてたまらない。いや、これは大抵いつもだけれども。
 とにかく、頷いてしまったものは仕方がない、と俺は開き直ることにした。事実、言葉は覆せないからな。
 俺はグッと身を捩って尻を掴んだままのヤマトの掌を抓った。それにヤマトは「痛いじゃんー」と心にもない言葉を吐く。

「いい加減離せこの変態!」

 俺がそう吐きつけると、ヤマトは「あれ」と首を傾げる。

「もう名前で呼んでくれないのー?」

 そしてあからさまにシュンとした顔でヤマトはいうが、これ以上のサービスなんてしてやりたくもない俺は、フンと鼻を鳴らして顔を背けてそれに答えた。
 そうすれば「仕方ないなー」とぶつぶつ零してヤマトの掌が尻から離れる。
 同時に、ズルリと湿った指も尻の上、その肌から離れて行き、俺はヤマトの言葉にカチンと来たが、それ以上にようやく訪れた一時の安息にホッと息を吐く。
 やはり俺の下着のなかにあっていいのは俺の一部のみだ。他の奴の肉なんていらん。

「サッサと始めるなら始める! 俺は一刻も早く帰りたいんだ!」

 そしてシャワーを浴びてすっきりサッパリしてあの人に会いに出かけるんだ! と、最後までは言わなかった。そこで色々突っ込まれると厄介だからな。
 特に、ヤマトの前で『あの人』の話題は厳禁だ。
 どういうわけか犬猿の仲と言っていいからだ。
 しかもヤマトが一方的に嫌っているというか、突っかかっているというか。あの人のどこを取って嫌うのかが俺にはわからない。あんなに素敵で出来た人なのに!
 怒りに任せて俺がそう怒鳴れば、ヤマトは「じゃあ始めよっかー」と緩い声で応える。

「そうすれば早く終わって長くいられるし。今日は彼方の新居でやる? ちょっと壁が薄そうだけど、まぁそれもいいよなー」

「死ね!」

 俺はそう吐き捨てると、ヤマトに背を向けて走り出した。
 背後で「彼方は恥ずかしがりやなんだからなー」と笑うヤマトの声が聞こえたが、俺は耳を塞いで前へと駆ける。
 ヤマトの言葉なんて聞いている暇はない。俺はできるだけ遠くへ、出来るだけヤマトがわからないような場所へ逃げなければならないんだ。その一心で俺は前を、ヤマトのいない先の景色を見据えた。

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あきゅろす。
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