Lv.0-20* しかし、俺はしたくなくてもヤマトはしたいみたいだ。というか、そこに俺の意志の介入はやはり許されないようで、もう俺のことなどお構いなしにヤマトは指を進めてくる。 そして引き伸ばされた直腸に3本目の指が入りそうになって、俺は嫌々と首を振って拒否を示した。 けれども、2本目と同じように無理に押し入ってきたそれは、またいとも簡単に俺の腹の奥へと侵入してきた。 「ぁぐっ、ぅ、うー…っ!」 終いには、俺は悲鳴さえ上げられずに鼻声で呻く音しか零せなくなってしまう。 幾度となく指が狭い穴の中を進退し、指同士がぶつかり合う。 その度にじゅぷっと濡れた指同士によって空気を含んだ粘液が爆ぜたような音が、耳元に直接響いたような錯覚に俺は陥る。 同時に、引き伸ばされて捲れ上がっているだろう入り口の粘膜へヤマトの指の付け根の部分がゴリゴリ押し付けられて、俺は背筋を走り抜ける痺れに眩暈を起こしそうになってしまう。 まずい、まずすぎる。 あまりの異物感と気持ち悪さに涙が眦から、冷や汗が額から流れ落ちてくる。だらしなく開いた唇からは唾液が零れそうになっているし、相当危険な顔になっているに違いない。 それでもそれを可愛いと零すヤマトの目の異常さはこの際置いておくとして、俺としてはいただけない。そんな顔を他人に晒したくない。 それ故に必死に顔を逸らそうと首を捻ると、ヤマトは駄目だといわんばかりに穴に突っ込んでいる指をグッと奥へと進めてきた。鬼だ。 「ぎゃっ! ぐっ、痛っ!」 痛かった、今の物凄く痛かった! 俺はハッハッと浅い呼吸を忙しなく繰り返して、うっかりぎゅうと力んでしまった穴の筋肉、括約筋から力を抜こうと努める。 そうしないと、もう3本も突っ込まれている穴の粘膜が裂けそうなんだ。奥のほうはまだいいけれども、入り口の皮膚と繋がった部分が引き攣れて痛みを俺にもたらしている。 そもそも、いくら俺が力を抜こうとしても、ヤマトの指が突拍子もない動きばかりするので、驚いて無意識にグッと力が入ってしまうんだ。そしてその度に穴が収縮して、俺に痛みをもたらしてくる。 もう、ずぷぐぷいう―――いや、いわされている、が正しい―――俺の尻の穴は俺の支配下にはなく、好き勝手に出入りする指の持ち主であるヤマトのもとにあるも同然だった。力にものをいわせやがって、許せない。元々許すつもりもさらさらないけどな。 「ちゃーんと慣らしてあげるー」と楽しそうな弾んだ声でヤマトは言いながら俺の腹を抉るが、俺はそんなことはしなくていいからやたら熱くひりつくような粘膜の擦過感や、入り口の粘膜が指の動きに合わせて直腸の内外に出たり入ったりする異様な感覚、そして湿った下着の気持ち悪さ、その他諸々の全てから解放されたかった。 けれども悔しいかな、俺の穴にはずっぽりヤマトの指が突っ込まれているし、手首はいまだヤマトの手の中だ。 もう、このままグロテスクでヤマトに持たせるには勿体ない、いや危険すぎる性器を突っ込まれてぐちゃぐちゃにされるしかないのかと、ヤマトが満足するまではどうにもならないのではないか、という恐ろしい結末が一気に俺の脳内に繰り広げられる。経験も嫌なものだ。すぐに想像できてしまう自分が悲しくなってくる。 [*down][up#] [戻る] |