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せ ん り


「私はねー、放課後が良いな!」

「えーベタすぎ!」

「そんなことないよー!」


「(ふーん?)」












「ちちち千歳先輩!」

「ん?なんね?」

「ああああ、あの!」

「あ、すまんね。今急いでるばってん、また後でにしてくれると?」

「あ…はい。ごめん、なさい」

「いや。すまんね。」




「あ!千歳先輩!」

「お?あぁ、卯月さん。」

「あああああのですね!今日バレンタ…」

「…と、悪か。ちょっ忘れ物したったい。
教室に急いで取りにいくばってん、また後でも良か?」

「…はい。遅刻、しないように頑張って、ください…」

「ありがとさん。…じゃ」




「ちぃいいいいとぉおおせぇえええ」

バァアアン

「ん、白石に謙也に光。どげんしたと?」

「『どげんしたと?』じゃないわ!!
お前ええ加減海里ちゃんいじめすんのやめぇ!!」

「え…あぁ。見てたと?」

「あんなあからさまにしとったら見る気なくても目に入りますわー」

「千歳…モテるののなにが不満なんや…」

「モテない男子代表の謙也くんは黙っててくれませんかー」

「っなんやとお!!お前かて白石より「ああ、はいはいお前らはあっち行きぃ」

「えーっと、部活始めんの?」

「始めるわ。けど、その前にお前に説教するのが先!」

「説教って…」

「おっまえなぁ!
いっつもいっつも海里ちゃんに対して酷すぎんねん。あんなに健気に、ふらふらしとるお前を一生懸命追いかけてるってのに、それをお前は」

「…(にこにこ)」

「千歳、ちゃんと聞いとるん!?」

「聞いとるよ」

「お前危害なさそうに見せてそうゆうとこたち悪いわ。もっとちゃんと相手の気持ち「はぁ…部長、いきますよ」
「は?俺はまだ「良いから」

「(にこにこ)」

「…え、(もしかして)」
「(見てれば分かるデショーガ)」

パタン

「(くすくす)…一生懸命、ね。
それがむぞらしかよ」

「(あ、あかん!!なんや千歳がブラックや…!)」






「(部活終わるまでまってる私って……
重、いよー…。
だいたい、貰ってもらえるかすら、分からないのに。
…というか、私今日は特にすっごいあからさまに避けられてたし…

あー…やっぱり、渡すの、やめて帰ろう。)


って、あれ…光くんだ」

「あ。(まだおった)」

「…。そーだ、私光くんにチョコあげてないね。
良かったら、これ…」

「…。(…だれにもあげてへんくせに。)
いらん。」

「え、」

「俺、チョコよりぜんざいの方が好きやねん。
だから、チョコは全部いらんって断っとる」

「そっ、か」

「じゃ。」

「うん。また、明日」

「ん。


…今日」

「え?」

「今日、海里の星座のラッキープレイス、俺らの教室やで」

「へ、え?
光くん?」

「…ほな、また明日」






「(俺は、お前が誰にもチョコやってないって、知っとるんに、
お前は、俺が誰からももろおてないこと、知らないんやな…。)

なんて、
そりゃそう…か。」



「(げ)
千歳先輩」

「光。部活お疲れ様ったい」

「千歳先輩も、お疲れ様っす。…じゃ」

「ん。また明日」

「…」
「…」

「…俺らのクラスに、いますよ」

「…。
ありがとう」

「あんたのそういうところ、嫌いですわ。」

「俺は、光のそうゆうところ好いとうよ」

「…あんたの、全部分かってて、そうやって勝ち誇った顔するところ、本気で嫌いや」

「嫌われたもんやねー…。」

「…。
もし、泣かせでもしたら、許さへんから」

「それは困ったばい。
俺は泣き顔とか好きな性分やけん。」

「そんなじゃ早々に嫌われますよ」

「それは…、それも…いかん…」

「…っさっさと嫌われてまえ!」

「お…ククッ。
廊下は走ったらいかんよー!」

「…」

「光、」

「…」

「ありがとう」

「っ…あんたなんか、大っ嫌いや…っ」








「(結局…
なんか帰るのも、なんだし…来ちゃった。
光くんがああゆうこと言うときって、いつもなんか良いことあるんだよねー…。

でも

そのジンクスも今日で終わりかな…。)

結構、がんばったんだけど、な。
…お前は人気がないね。」

「そんな事なか。
俺は欲しかよ」

「!?」

バッ

「なん、で…」

「んー?
キューピットさんがここやって教えてくれたけん」

「キュー、ピット…?」

「…なんでもなか。
そぎゃんこつより、それ」

「え…あ、いやこれは…」

「くれんと?」

「…」

「なんね。折角、まっとったんに」

「え?」

「いつだったか、言っちょったやろう?
誰もいない放課後に…って…あぁ、そっか」

「え、え?」

「相手から、だったか?」

「ど、どうしたんですか?千歳先輩」

「前、放課後教室で他の女子と話しとったの聞いとったけん」

「なに、を…?」

「ん?告白のされかたば。」

「…え…」

「まぁ、どっちかと言うと俺も自分から言いたい派だけん、良か。
ちゃんと、聞いっとって?」

「ち、とせ先輩…?」

「(おーおーいじめたくなる顔しよって…。
あー…やば
こん子、

むぞらしか。)

海里、」

「え、え、?」


「…好いとうよ」


「…そ……う、そ。うそです。」

「えー…
嘘じゃなかよ」

「だって、ずっと、今日避けてた」

「折角やから、乙女の憧れば叶えようと思ったばい。」

「だったら、もっと…」

「俺ば、好きな子をいじめる性分だばってん、せっかくやから、いじめてみようと。」

「なっ」

「気づかんかった?
今日ほどじゃなかったばってん、今まで、海里にだけそうゆう態度とってたつもりだったい」

「(あ…、名前…)
…嫌われてると、思って、ました」

「…」

「だって、千歳先輩、あたしにだけあからさまに冷たいし、いつも、いつも…っ」

「逆。それは、トクベツだったからばい。
不安にさせた、なら…悪か。

まぁ、でも…
それでも、俺の事好きやんか」

「〜っなんで、そんな笑顔なんですか」

「悪か悪か。でも、ちゃんと反省はしとる。
流石にちょっと、自分でも今日は調子に乗ったと思っとう。
ばってん、海里のしょげた顔、好きやけん。しょんなか」

「仕方がなくなんて…って、な、え、あ、あの」

「俺は、海里のしょげた顔も、怒った顔も、必死に俺を追いかけてくるときの顔も、もちろん、笑顔も…愛しとうよ。」

「…」

「なぁ、…海里、ちゃんと、返事、聞かせて」

「そんな、の…」

「ちゃんと、言葉にせんと分からんよ?」

「っ…き…です」

「聞こえなかったけん、もう一回」

「っ〜」

シュッ

「あたっ」

「それで分かってください!」

「…しょんなかー。
なぁ、これ俺だけのために作ったと?」

「それ以外何があるっていうんですか」

「んー、嬉しかー思って」

「(うわ…笑、顔)」

「これからよろしく、彼女さん」

「なっ、え、うっ」

「(当分はこうゆういじめ方もよかね)」








「あ、おった。光、一緒に帰らん?」
「…」
「そんな嫌な顔すんなってー」


「…なぁ、もしかして光がチョコ断ってる理由って…」
「なんのことですか。」
「…いや。
せやなー今日はお財布が潤っとるから、冷たい身体にしみるぜんざいでも光におごったろうかな」
「…気持ち悪いっすわ」
「それでも来るやろ?」
「…」




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あきゅろす。
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