[携帯モード] [URL送信]
Did not know 5






確か…海里の席は…っと
自分の記憶を頼りに窓側の席へ着く。

そして、確認のために机の中に手を入れる。
するとそこにはちゃんと幼なじみの名前が書かれた教科書があった。

…置き勉なんてするから馬鹿なんだよ…

なんて内心呟きながら、教科書を元に戻そうとする
と…

ん?

そこには…たくさんの封筒…。
文字は…


…男の、文字…?
その考えが出ると同時
「おっはよー!
って…おやまぁ、またですかい?
モテモテだねぇ〜」
座っている俺の背後からいつも海里と連んでいる女子…なんだっけ…“ユズハ”だっけ?
いいや、とりあえずその子が飛びついてきた

「あ、えっとおはよ」

「え、あ、おはよ…。
どうしたの?」
その言葉に、少しばかり焦る。

あれ、なんて返すべきだった…?

「いつもだったら
『どうせ何通かはオヨビダシだから〜』とか言うくせに」
海里の真似をする彼女に、笑って、出来る限り海里のように返す。

…海里の物まね似てるな。
なんて思いながらも、

“オヨビダシ”

内心では穏やかではない気持ちがあった。

「とか言っても、大抵は本物なのは結構有名なんだからね!
…で?この間のサッカー部の子にはもう返事したの?
海里、何だかんだで彼氏ほしいって言ってたじゃん」

俺はその場では「えー、秘密―」とかなんとか軽く受け流す。

そして、

授業中…

脳裏に浮かぶは、先程の海里の友人の言葉。



…彼氏…ほしい…ねぇ。



確かによく口癖のように言っている。
でも、幼稚園児の頃から君の周りの邪魔な虫は排除してきたし…。
中学になってからはそうゆう話を聞かなかったから…

…モテないものだと安心してた…っ

…よく考えれば
モテ無いわけないじゃん!!
この俺が大事に見守って(見てるだけじゃなかったけど)きた海里だよ?

中学になって、こんなに胸だって出てきて…って…

俺は自分の見てしまっていたその視線をずらす。

何見てんだ俺…

なんて頭を抱えている、と
ポン、と頭の上に鞄のような物が置かれた。

「おーい、姫海里
次、水泳だよー」

「 ・ ・ ・ 」

その言葉に、俺は瞳を閉じて違う世界に飛び立とうとした…




(神様、何の試練ですか…?)




[←]

11/11ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!