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Did not know2


私は、成績が悪いけど高校・大学と進学したいため、出席日数を傷つけたくない
いつ戻るか分からないこの状況なら尚更だ。
そして、精市は個人戦とはいえ、テニスの試合が近いため、部を休みたくない

から、

「ちょっ精市下見ないで!」

「見ないよ海里の裸なんて」

「ちょっ!それどうゆう意味!?」

私たちは学校へ行くことになりました…








「…ねぇ、私思ったんだけどさ」
学校へ向かういつもの道
でも、それはまるでいつもとは違う世界のように感じた

高い視線に、不思議な歩幅
チラッと隣にいる中身精市の私を見て、彼からはいつもこんな風にみえているのかと不思議にも思った

「その姿で私とか言わないでくれる?
で、何を思ったって?」

「大丈夫だよ。精市見た目可愛いから男子制服着た女子にしか見えないって。
あ、でね?精市は部活に出るために学校行きたいって言ってたじゃん?」

「ねぇ、それ喧嘩売ってんの?
言ったけど、何?」

「…その姿じゃ部活出れ無くない?」




「…」




あ、固まった

精市はハッとするように私を見たまま時を止める
こんな簡単なことに精市が気付かないなんて…
やっぱり、精市なりにかなり今回の出来事には戸惑っているようだ

「…帰る」
「ままままっ!まって!」
くるりと身体を学校と反対側に向ける精市(私の姿)の制服を掴んでぐっと引く
と…

「うわっ!」
「え、」

普段力一杯引っ張ってもビクともしない精市
だから、つい癖で力一杯引いてしまった


…今の私は精市なわけで男なわけで。
…力が強いらしい
そして、自分で言っていて嬉しいが、私の身体はどうも軽いみたいで…

「いっったあ」

私の身体は吹っ飛ぶように地に尻餅をついた

「え、ええ!ご、ごめん!」

「…」
キッと視線を向けてくる精市…
でも、

…あれ、自分の姿だからかな…
怖くない…かも?

「って!精市足閉じてよ!下着見えてる!」
不意に目に入った自分(中身精市)のその姿に私は手をさし出しながら言う。
すると、転ばされたことも、自分が学校に行く理由が無くなったこともあってか、不機嫌に精市は私の手を取った。

「こんなスカート短くしてる方が悪いんだろ」

「普通だよ!」
ため息混じりに言う精市の手を引き、私はそのまま学校への道を歩み出す

「俺…これからどうしよう…」

「『私』って言ってよ」

「…はぁ…」



落ち込む精市の足音は、とぼとぼ…と響いた





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あきゅろす。
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