(ちょっと休憩)
「それから、ね」
「どうかしたん?」
様子の変わった私に、白石君はキョトン、として私の顔を歩きながら覗き込む。
「自転車…」
「自転車?」
「盗まれちゃっ…た」
様子を伺うように彼を目だけで見上げると、彼は足を止め、ピタリと全ての動きを止めた。
遠くでは、せかすような部長の怒鳴り声が聞こえる。
あ、やばい固まっちゃったよ…!
そりゃそう、だよね。いきなり、話し変わりすぎたとか以前の問題だよね。
「……え…!?」
「ご、ごめんなざい!!」
そう、頭をさげると、白石君は徐々に固まった表情から、それをちゃんと理解した表情に変わっていく
「え、ええって!
どうせオサムちゃんが大体の犯人やろ?」
その言葉に、私は彼をまた見上げる
すごい、さすがというか…顧問をわかっている。
そう関心するのと同時、また白石君が動きを止めた。
え、私また何か…
思うと同じくして、白石君はすぐに動き出し、口元に手をやってそっぽを向いてしまう。
かすかに見える耳は、赤い。
「白石君?」
そう、不安の混ざった表情で彼を見上げるけれど、彼は一度こちらを見て、またピタリと動きを止めて。
そして、またそっぽを向いてしまう。
え、え!私、何かした!?
更に不安になって声をかけ続けれけれど、彼の反応は変わらなかった。
(アカン。
ここベストポジションや…)
「どうしたのー!白石君!!」「お前ら!休憩終わりって言ってるだろ!!」
TLDR
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