[携帯モード] [URL送信]
和解


私が渡したそれを、彼は自分のハンカチに包むと、大切にポケットにしまった

そんな彼に、一瞬、私はすがるような表情を見せる

…あいつのことが…知りたい
お願い…

「み…っ」
「休憩終わりー!合同練習に移るぞー!」

言いかけた、白石君に、私は普段の表情を向ける

「どうか、した?」

すると、少し出ていた手を、白石君は引っ込めて…
眉を垂らして、笑った

「何でもあらへん
ほな、いこか」
足を踏み出した白石君
それに、私も追いかけるように足を踏み出した

「海里ちゃん、」

「ん?」

「今朝は、ほんまに…ごめんな」
表情の見えない彼
私は一度瞳を閉じてから、彼の前へ進んだ

「ううん
私もごめんね」
眉を少したらして、そう告げる。
そして、一度言葉を切ると、彼の名を呼ぶ。

「白石君」

すると、彼はキョトン、と目を幼くする。
そんな彼をどこか、可愛いと思いながら、気持ちを込めて私は微笑んだ。

「ありがとう」

表情をしっかりと見て言うと、
彼は…



優しくはにかんだ



この優しい少年にも、いつか…
心が開けますように… ・
TLDR


[←][→]

9/33ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!