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そして、それから数日たって。
俺は、彼女が酷いいじめにあっていることにやっと気付いた

「ねぇ、海里なにがあったの!?」

いつも、どこか怪我をしていたり、おかしいくらい濡れていたり、私物がなくなる彼女。
ずっとごまかされてきたけど、さすがにおかしすぎると思った。

けれども、彼女はただ俺に
「なんでもないよ」
「あたしって結構ドジなんだよね」
そう笑うだけ…


どうすればいい…?
何があった…?

なん、で

そう、ずっと悩んでいた時
俺は自分の隣である彼女のロッカーを間違えて開けてしまったんだ…



『幸村君に近づくな ブス』



幸、村…?


一瞬、世界が真っ暗になった。

そして全て理解してしまう。
俺だったんだ。全ての原因は。


少しでも、大好きな彼女の助けになりたくて、
「大丈夫?」
「相談くらいしてよ」
「俺で良かったら力になるから」
そう、近づいていた時も、俺はただただ…彼女の首を絞めていただけだったんだ。


それを知ってから、俺は彼女に近づかなかった…
何があっても、いつも通りにいてくれた彼女。
だけれども、もう…これ以上見ていることはできなかった。
俺さえ、俺のこの想いさえ消し去れば、彼女が救われるのなら…と、思った。

「おっはよ!精市君」

「…」

「え…。精市君?」

「…何?」

「あ…えっと…」

「用がないなら呼ばないでくれるかな?」

拒絶する俺。
きっと、冷たく突き放されなければ周りは分かってくれないから…
きっと、こうしないと彼女は…俺を嫌いにはなってくれないから…

そんな俺は泣きそうな彼女の泣き出しそうな顔を、見ないようにした…

だって、
見ていたら、…抱き締めてしまいそうだった、から…っ


あの時の、俺の表情は…だれも、知らない




to be continued...

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