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大人の魅力?

あの後、事情を説明すると
「あー…まぁ、とりあえずのりぃ」
そう言われ、私は先生の助手席に腰を下ろした

こんな時に思うのもなんだが…
『助手席』という物に乗ったのはコレが人生初体験で…
どこかワクワクする思いがあるのにそれ以上に先ほどの事が大きかった

「まぁ、チャリは後で警察に届け出しとくから気にせんでええで」

「すみません…借り物だったのに…」

「だからええって!ええって!どうせ白石のやし」
ふふん、と音符が浮かぶように言う渡邉先生…

え…?
白石君の…!?

「え、これ、あたし渡邉先生に借りましたよね!?」

「ん?あぁ、近くに白石のんがあったからこれでええかなーて。
部員のモノは俺のモンや!」

なんですかその某ガキ大将的発言は!!

と言いたくなったけれど、つっこむのは心の中だけにしておいた…
ごめんなさい、白石君…
後で改めて謝らせて頂きます…。

遠い目で、そう内心から白石君に謝罪をしようと決意した

「にしても…どうして?」

「迎えに来たことか?
近いしチャリっちゅーても、やっぱ初めてくるとこやし危ないかな思うてな」
ニコ、と笑うその人に、一瞬感動した、モノの…すぐにその笑顔が胡散臭いことに気が付いた

「…本当は?」

「部屋で二度寝しとったら、両校の部員から『暇なら迎えに行ってきぃ!』って怒られたからや!
…って、お嬢ちゃんうまいなぁ!東京モンにしとくのがもったいないで!」
渡邉先生はそう言うと、大きく笑う
その横で私は、苦笑いで返した…

「ま、君のこと心配だったちゅうんは、嘘やないから安心しぃ」
一瞬瞳をこちらに向けたその表情

に、不覚にも心拍数を上げてしまった


本当に、『不覚』にも…。




TLDR

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