ち ょ う た ろ う
「ちょっ、ちょ長太郎!」
「ん?あ、どうしたの?」
「や、あの、えっと」
「うん?」
「み、右手と左手、どっち?」
「えっと?」
「いいから、えらんで!」
「じゃあ、左?」
「(ほっ…)
はい!ハッピーバレンタイン!」
「(…まさかの市販…)」
「じゃっあたし他の人たちにも配ってくるね」
「あ、ちょっとまって」
「どうしたの?」
「ちなみに右手は?」
「(ギクッ)
お、おお同じだよおおおお」
「あっちょっと!
…いっちゃっ、た…。
やっぱ、イベントと重なる誕生日って、覚えててもらえないよね…」
「あれ?おい海里この紙袋なんだよ?」
「あっ勝手に開けないで下さい!!!」
「って、これ…」
「〜っ」
「本命…と、チョコとは別のプレゼントって、こ・と・わ…!」
「ちょっ違いますからね!たまたま同じ袋に…」
「へ〜?」
「なんですかその顔は!!」
「気づいてないんは、岳人と本人どうしくらいなんやしさっさと渡せばええのにな」
「向日先輩がからかってるところ見ると、また今年も後で泣きながらあれ俺らに押し付けてきますよ」
「あー…目の前で泣かれながら食べさせられるん去年辛かったわ…」
「…」
「…」
「「はぁ…」」
「…他の人たちは手作りなのに、俺だけ市販…て…。
やっぱ望みないのかな…」
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