[携帯モード] [URL送信]
ち ょ う た ろ う



「ちょっ、ちょ長太郎!」

「ん?あ、どうしたの?」

「や、あの、えっと」

「うん?」

「み、右手と左手、どっち?」

「えっと?」

「いいから、えらんで!」

「じゃあ、左?」

「(ほっ…)
はい!ハッピーバレンタイン!」

「(…まさかの市販…)」

「じゃっあたし他の人たちにも配ってくるね」

「あ、ちょっとまって」

「どうしたの?」

「ちなみに右手は?」

「(ギクッ)
お、おお同じだよおおおお」

「あっちょっと!
…いっちゃっ、た…。
やっぱ、イベントと重なる誕生日って、覚えててもらえないよね…」



「あれ?おい海里この紙袋なんだよ?」

「あっ勝手に開けないで下さい!!!」

「って、これ…」

「〜っ」

「本命…と、チョコとは別のプレゼントって、こ・と・わ…!」

「ちょっ違いますからね!たまたま同じ袋に…」

「へ〜?」

「なんですかその顔は!!」



「気づいてないんは、岳人と本人どうしくらいなんやしさっさと渡せばええのにな」

「向日先輩がからかってるところ見ると、また今年も後で泣きながらあれ俺らに押し付けてきますよ」

「あー…目の前で泣かれながら食べさせられるん去年辛かったわ…」

「…」

「…」

「「はぁ…」」




「…他の人たちは手作りなのに、俺だけ市販…て…。
やっぱ望みないのかな…」





[→]

1/6ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!