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「なんで俺らが新入生のために椅子運び何ざやらされなきゃ・・」
ブツブツ文句を言い、入学式の仕事をジャッカルに押しつけて
俺は誰もいない一階の廊下を進んでいく
そんな俺に、
「うわっ」
ピンクの花びらが降りかかった
いきなりの強風に驚いて閉じた目を、少しずつ開いていく、
と、
そこには、吹いた風に流されて、廊下を舞う桜の花びら達
ほんの一瞬見とれて、俺はその花びらたちが入ってきた方へ目を向けた
開いた窓になびく白いカーテン
足音を鳴らせて近づく俺
「ったく、だれだよ
窓開けっ放しにした奴」
言って、その窓へ手をかける
が、その窓はすぐに閉じられることはなかった
なぜかって
目を奪われたからだ
見慣れた桜の木が満開で、視界を阻むほどの桜吹雪
そして、
その中にたたずむ一人の少女
花びらと共になびく髪は、とても綺麗で
なにより、不思議そうに・・でも優しげに桜の花びらを見上げる瞳に、
時が奪われたような錯覚に陥った
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