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境界線 ブン太sid

俺は海里の部屋に向かう途中
幸村君は海里の部屋から帰る途中・・

丁度目のあった俺ら


「ねぇ、ブン太」

「なんだよ幸村君?」
海里の部屋で寝ることになった俺は、どこかビビリ気味に幸村君に返事をする

「あーやっぱりなんでもない」
そう言い残してすれ違う幸村君の表情は、

読めなかった・・


何か引っかかる物がありながらも、俺は荷物を持って目的の部屋の前に立つ

幸村君が歩いてたって事はもうお開きって事だよな・・
もう消灯時間だし・・
・・って、つーことは二人っきり!?
うーわーうーわー・・緊張してきた
頑張れ、俺!
これはある意味チャンスだ・・っ

スゥ
息を吸って、俺はそのドアノブを回した

「いらっしゃーい!」

瞬間のお出迎えは、いつぞやを思い出すほど・・
とても盛大でした








「・・なぁ」
お互い各々の事をして、ベットに向う
そんな中、俺は二段ベットの上に登る海里の後ろ姿に声をかけた

「うん?」
すると、登りかけた状態の海里はその状態で俺に振り向く

「あの、さ
その・・足・・」

折角海里と同じ部屋になったんだ
本当だったら、わいわいと楽しく話しでもしたい

・・でも
風邪を引いたとき、あの海里があんなに素直に痛いと言った・・足

おかしすぎた

今日の試合で一瞬たりとも顔をゆがめなかったし
気を抜いたら歩くのすらままならなかったのに、先程まで夜風に当たりに行っていた

風邪を引いたあの日まで俺らは確かに全くこいつの足について気がつけなかった
でも、ここまで普通隠し通せるものなのか?

あんなにも、楽しそうにテニスが出来るのか・・?


「そんな顔しないでよ
最近は調子が良いんだ」


幼く笑う海里
でも・・なんだろう・・
違和感がある・・

でも、
「そ、っか」
意気地なしの俺は、何も追求出来ない

俺らに何も告げない海里
それを、追求してしまったら・・なにか溝が出来てしまうような気がした

ああ・・俺ってホント・・

だからふられるんだよな
俺は自嘲じみた笑いを音無くして、布団を頭までかぶった





ごめんね
ブン太

大丈夫・・大丈夫だから・・TLDR


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あきゅろす。
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