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現在

練習試合も順調に進み、

「飯だーーー!」

みんなが大好きな昼食タイムです


今日の夕食からは四天宝寺の食堂で一緒に食べさせて貰うことになっているけれど
お昼は持参のお弁当になるので、みんな各々広げて食べ始めた

そんな中、私を含めたメンバーは輪になって食べているのだけど・・

「はい。ブン太」

「お!サンキュー
俺も、はい」

なんだかブン太以外のメンバーからの視線が痛いです

「・・なんでブンちゃんの弁当を海里が食べて、海里がブンちゃんの弁当を食べるんじゃ?」
ふと、隣同士に座る私たちに視線をよこしたまま雅治が口を開いた

それに、私たちは持っていたお箸を止める

「あぁ、夏休みは昼休みがないからお弁当のある日は交換しようn「わーーーー」
雅治の質問に私が普通の顔で答えようとしたところ、ブン太は身を乗り出して私の口をふさいだ

あ!
『秘密』だったっけ・・

つい、日課のようになっていたものだから・・と忘れていた私は、それを思い出して、おとなしくブン太の行動に従う

「フフ、ブン太?
なにかな?」

「やややや、べ別にっその、えーと
あ、弁当な!弁当は・・そう!きき昨日、交換しようなーって流れで話してたんだよ!」
私のもう片方の隣から精市が恐ろしい笑顔でブン太に問うと
ブン他は汗をだらだらと流して必死に精市をなだめようとしていた

それでも、精市は収まることは知らず、
ブン太に向かってなんか言ったり、お弁当を奪おうとしていて・・

何ともにぎやかな『いつもの私たち』の雰囲気が訪れる


そんな光景を見ていて・・

「ふふ・・」

思わず笑みがこぼれる

「んぁ?なーに笑ってんだよぃ」
俺は必死なのに!とブン太に頭にデコピンされた
そんなことさえ今は嬉しくって、私はまた笑い声をもらした

「いや、楽しいなーって。

へへ、みんな、ありがとうね!もう私大丈夫だから!」


『薬』が届いてから、
私が勝手に考え込んだり、暗くなったりして・・
みんなのテンションを下げたり雰囲気を悪くしてしまっていた

でも、みんなは私に何を聞くわけでもなく
黙って私のサポートをいっぱいしてくれていた


その感謝の気持ちをいっぱい込めて、
みんなに笑顔を送る


と、
みんなは小さく笑った





「おかえり」



やっーと帰ってきたか
長かったのぅ





そう口々に言って、みんなはまたお弁当に集中した



そんなみんなに、
ふわふわとしていた・・
自分の足が、トン・・と地に着いた気がした



「海里、1人が怖くなったらすぐに逃げろ」
「でもっそんなことしたら・・」
「良い。俺のことは良いんだ。
お前は・・逃げても良いんだ・・」



優斗
私が別邸に追いやられたとき・・そう言ったよね

貴方がいなくなってしまってから、
私は『貴方』にこれ以上負担をかけないためだけに、細い糸をピン・・っと張って、頑張ってたの

でも、
もう心配しないでね


私、ここでも良い仲間に出会えたの


どんなに悩んでも
殻に閉じこもっても、
ずっと、ずーーっと手を差しのばしたままでいてくれる
私の細い糸が切れないように支えていてくれる・・そんな仲間が・・。



「みんな、


大好きだよ」



誰にも聞こえないような声で、私は小さく想いを伝えた・・ ・






1人で泣いていた私はもういない
私は、今幸せですTLDR


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あきゅろす。
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