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雛ちゃんより頂きました!




『精市〜……私ね〜〜〜』


『えっ?そんな事無いよ』


『たまにそう考えちゃうんだ……私は』










































最強彼氏 最恐彼女




海里「あっかやーーーー!!」

切原「……せ、せせせっ海里先輩!!

手を振り笑顔を撒き散らしながら歩いてくる海里を見た瞬間だった

切原は目にも止まらぬスピードで逃げて行った



海里「うん?何故逃げるのかな赤也君、やましい事でもあるのかい?

切原「だって海里先輩が笑顔で俺のところに来る時って大抵……アレじゃないっスかーーー!!

それでも彼女が切原に追いつくのは彼女がテニス部R陣の部活に参加しているからだろうか……

こんなの日常茶飯事だ

特に追いかけられていいるのは真田、切原、丸井、ジャッカルの四人だ








海里「うぅっ、そっか赤也は私が精市に如何されてもいいって言うんだ」

その場に崩れ泣き出す

それを見て切原の男心がくすぐられる筈もない




切原「海里先輩……俺、そんな訳じゃ」

海里「赤也つ〜かまえた♪


切原「っ!?(やられた)」

バッと顔を上げた海里は満面の笑みを浮かべており

右手で目薬を持ち左手で赤也の腕を掴んでいる



切原「誰か助けてくれぇーーー!!

助けた者の末路など明々白々だ







柳「これで30回目か……」

仁王「懲りないのぉ……アレじゃいかんぜよ」

遠巻きから見ているのはいつも被害を受けないグループである

被害を受けないからこそ言える意見である気がしてならないのは

気のせいだろうか……






























IN 理科室



海里「精市〜ただいまーーー!!」

精市「お帰り海里♪」

微笑みあっている二人はまさに麗しき恋人図

だが、今の切原にはそれが見たくないものトップになるほど見たくなかった



丸井「なんだよぃ、赤也お前も来たのか」

切原「丸井先輩……つ〜か、来たよりは連れて来られたが正しいっス」

被害にあった二人組みは『もう終わりかもしれない』と窓の外から空を眺めた

これもいつものことである


いつも『終わり終わり』と考えても結局ギリギリのところで生きているのだから

ある意味自分達は強いのかもしれないと心の奥底で思ってはいる

だが、いざこうして理科室に来ると話は別だ





何とも言えない空気が理科室内を流れていた


ひとつは二人の恋人から放たれているラブラブオーラ

もうひとつは……この世の終わりだと思っている二人から出ている

負のオーラ である






幸村「よく来てくれたね二人とも」

切原「いや来たと言うよりも連れてこられたって意見の方が……」

そこまで言った切原を幸村は凄く冷ややかな眼で見ていた



切原「いえ、部長のため喜んで来させていただきました

海里「赤やんは優しいモンね〜〜〜」

海里が切原の頭を撫でる

幸村さえ居なければ喜んで甘えるところだが今は鬼が居る


丸井「ところで、今日は何の用だよぃ?」

風船ガムを膨らましながら机に座っていた丸井は幸村に尋ねた




幸村「実は二人に聞きたいことがあるんだ」

改まってまじめな顔をする幸村に二人は驚いて姿勢を正した



切原「如何したんスか部長、いきなり改まって」

幸村「赤也!!俺のこと如何思う?」

声を低くして言う幸村

意外な質問に赤也は拍子抜けをして目を丸くしている




切原「どどどど如何って、どういう意味ですか!?


丸井「赤也どもり過ぎだろ」

切原「言うか、如何したらそういう質問になるんですか?

焦りすぎていまいち自分の言うことが理解できない切原

それとは裏腹に幸村と海里は冷静な目で切原と丸井を見ている




切原「えっと……テニスが強くてカッコイイ先輩だと思っています」

しどろもどろになりながら何とか言葉を紡いだ

丸井「まぁ綺麗だしな男でもファンとか居るんじゃねぇのか?」

丸井のその一言がこの場の崩壊の繋がりになる





海里「ひっく……うぅ〜ほらやっぱり」

幸村「……丸井、よくも余計なこと言ってくれたね

幸村にすがり付いて泣く海里

反対にすばらしい笑みで丸井を見る幸村




切原「……あの部長?」

幸村「海里が『精市は私より綺麗だから私なんだか自信なくすんだよね』って言ってたから丸井達に否定してもらおうと思ったのに」


丸井・切原「……(早く言えよっ!!)」

二人はそのときそう思った

事前に打ち合わせかなんかをする機会を持てと



海里「やっぱり……私じゃ駄目なんだよぉ〜」

切原「先輩……」

俯いている海里に切原は言葉をなくした

目薬を片手にといった始めのパターンとは違う

本気で海里は泣いていた





幸村「海里は如何したいの?海里は俺と一緒に居たくないの?」

海里「そんな事無い!!でもっ」


幸村「俺は海里の良さを充分理解してる、他の奴等がなんて言ったって関係ないだろ!!

静かな理科室に幸村の声が重く響いた

丸井と切原はゆっくりと顔を見合わせた後二人を見た



海里「精市……うんありがとう、私はやっぱり誰がなんと言おうと精市の傍に居る」

幸村「海里……」

二人はしばらく何も言わず、その場で見つめ合っていた

そして海里が先に一人で理科室を出た




幸村「さてと海里を泣かせて罪は重いとして、今日は覚悟するんだね二人とも

切原「(俺らって結局……)」

丸井「(この馬鹿ップルに振り回されただけ……)」

切原・丸井「(ふざけんなーーーーー!!)」




























放課後の部活では屍と化した切原と丸井が居たと同時に

いつに無くいちゃついている海里と幸村が居ましたとさ

おしまい♪









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あきゅろす。
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