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「卯月、ちょっと来なさい」

何とも言い難い笑顔で呼ばれ、そちらへと席を立っていくと・・


精市や真田君、とおなじみのメンバーも何とも言い難い表情をしていた

「えー・・と」
その数名からの視線に目を泳がしていると、精市がポンポンと自分の隣の席を叩いて、座るように促された
それに、私は促されたままに腰を下ろす

「なんで呼ばれたか分かるか?」

「・・・。?」

「とぼけるな」
座った私を見届けた後の部長の言葉に、何となく分かっていながらも分からないふりをすると、即答でそう言われた

やっぱだめだよねー・・ ・

「その格好についてはここに来るまでの間、つっこんだからあえて言わないとして・・。
あのトーナメント・・お前、試合に出るつもりか・・?」

「、はい」
ため息混じりにあきれた声で言われて・・、みんなに怒られることを覚悟しつつ私ははっきりと答える

と、


うっ

みんなから痛い視線が帰ってきた

「お前足まだ完治してないのに何考えてんだよぃ!
そんな1人分の穴くらい俺が埋めるって」
そう、少し怒った口調で言うブン太

ブン太・・、
でも

「だめだよ
そしたら、ボーラーが足り無くなっちゃう。
私もボーラー入って、できるだけみんなに試合して貰えるようにするけど向こうの方が人数が多いから、どうしてもこっちが厳しくなるんだよ
でも、だからってあんまりハードにやりすぎて
集中力が切れかかった状態でやっても、せっかく呼んでくれた向こうに失礼・・、
1つ穴があるのにはしっかり理由があるんだよ」
言ってくれたのを嬉しく思いながらも、私はそうはっきりと告げる
と、みんなは視線を落とした


ごめんね、心配してくれてるのに・・

「・・だから、と言っても、

・・自分がやりたいってのもあるんだけどね」
そんなみんなにどこか申し訳ない気持ちがあってか、私は苦笑いをしながらできるだけ明るく言う


うん、これは正直な気持ち。

きゅっと私はポケットに入れていた『薬』を握る

テニスが・・したい


「だけど、」

「・・私さ、中学入って団体戦出るの楽しみにしてたんだ
でもさ、女テニ入れなかったし無理じゃない?
だから、

お願い・・公式戦じゃなくて良いの。『仲間』と一緒に戦いたいんだ」
止めようとしてくれたジャッカル君に笑顔を向けて、そう言うとみんなは苦しそうな顔をした

「だめだ」
言いにくそうに片眉を垂らしながら、部長は私に向く
そして、
小さく溜めていた息を吐いた

「足のこともあるし、しかも相手は男。
部長として、お前を大切な部員の1人として見ているからこそ許すことはできない」

「・・・」

「でも、お前に頼らなくちゃいけないのは確かだ。
今、他に頼る奴はいない。」
私が何も言わず俯くと、部長は私の目の前まで歩いてきた

え・・

「・・入らなくてはいけない試合は3試合
1試合1時間以上かかるようだったら途中で止めにはいるからな。
絶対に・・無理はするな」

「ぶちょu「お前らを、卯月のボーラーに付ける。
何かあったら、すぐに俺の所にこい」
決定事項だ、と、もう誰の意見も受け入れない部長の瞳に、私たちは口を閉じる

そんな中、
私の口角は部長と目を合わせると徐々に上がっていった

「・・えへ、へ」

表情が、綻ぶ


「ありがとうございます」


「「「「「「「っ//」」」」」」」







男装姿をどこか良い・・と感じてしまった俺らは末期だろうか・・by立海次期レギュラーTLDR

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あきゅろす。
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