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選択 幸村sid



〈「・・・」〉

頭を下げ、道を造る人々の中を黙って歩いている海里







から一転






〈「みんなーーーー!」〉
撮ってる優斗さんを尊敬するほどの速さでSPの人をまいて、中庭のような場所で小声で叫びながら少年達の元へ駆け寄った


「・・・なんか、ギャップがすごいんだけど・・」
つい俺は呟く

だって、、

・・ねぇ?


だけど、安心したのも確か。
こうやって、俺の知っている海里の姿が確認できたから・・

でも
〈「ジローちゃん!がっくん!可愛さ充電させてーーー」〉

・・・はは・・
こうゆう海里はこの時からなんだなって俺たちは軽く笑った

〈「princess、うまくまけましたか?」

「えぇ。あのSP、私なんかにまかれちゃって良いのかしらね?
まぁ、それのおかげでみんなとこの時間一緒にいられるから良いんだけど」

「俺もうれしーです」〉
そう、海里が幼い・・可愛い笑顔で笑って、周りの少年達・・幼き日の跡部達も優しく笑った

「敬語なんだな」

「あぁ。もし、聞かれていたときのために、な」
どこか暖かくなった雰囲気の中、柳が言うとその返答が返ってきて、、
こうやって会うのにも、最前の注意を計らなければならなかった事が分かった

今までの話とか、、
その事から・・
やはり、海里は本当は遠い存在なんだと再確認した



〈「と、そうだ・・。優斗!出てきなさい!」〉
海里は声の音量を変えずにそう言って・・
周りに目を向けた

と・・

〈《ガサッ》
「あいよっと」

「「「「「「「「煤v」」」」」」」〉
木の茂みを通って、アングルが近くなる
そして、目の前に立つ事によって跡部達にも優斗さんがいたことが分かり、8人は驚いた顔をした

〈「なっ優斗!?」

「だーかーら、その名前で呼ぶな。
そして一応年上なんだから『さん』をつけろ『さん』を」〉
言って、カメラを片手に持ったまま優斗さんは、言った向日の事をバシッと少し痛そうな音を鳴らして叩いた

「この時はこんな感じで冗談交じりに言えるようになってたんやけど、その前は本気で俺らのこと嫌がっとったんやで」
クスクスと、思い出深そうに笑いながら忍足がそう言って、周りも懐かしそうに画面を見つめた

〈「ん?あ、優斗「だから「そのカメラどうしたんだよ」

「あぁ。これ?良いだろ!とーさんが誕プレにくれたんだ」〉
優斗さんは宍戸の言葉に、不機嫌そうに口を挟んだ後、何とも嬉しそうな声と共に当たり前のように海里の隣に腰掛けた

・・また・・なぜかイライラとした気持ちがこみ上げてくる

でもその無邪気な声色が今までどこか大人気だった優斗さんを一瞬、幼く感じさせて・・
なんだか、イライラが少し収まったような気がした


「あ、これあれだよな。
あいつ、普段何にもねだったりしないから、引き取ってくれた庭師の人がさ、
出かけたときに店で優斗が見つめてたビデオカメラ、秘密で買ってプレゼントしてくれたんだよな」

「そうでしたね。あの時の優斗さんはほんっとうに嬉しそうで・・微笑ましかったですよね」
向日が思い出すように言って・・それに鳳は優しい笑顔を浮かべた

〈「へー、お前が物ねだるなんて珍しいな」

「あ?いや、欲しいとは言ってねーよ?
それに、俺誕生日忘れてたし」〉

「誕生日忘れてたって・・」
画面の中で頭をかきながら普通に話す優斗さんにブン太は驚いた声を上げた

「言っただろ?優斗は『母親』の事を憎んでるんだ
その親から生まれた日なんて、、覚えてたくもないんだと。」
その言い方はどこか皮肉めいていて・・その言葉を発した跡部の気持ちが・・分からなくなった

〈「・・で、お前は1日中そうやってprincessを撮ってるのか・・」〉
跡部がため息混じりに言うと、テレビ画面の少年達が優斗さんに冗談の暴言を吐いたり、引くような動作をして騒がしくなる

その光景に、一時流れた微妙な雰囲気も消え、
また、柔らかい雰囲気が訪れた

ん?・・あれ?

俺は表情は周りと同じ笑顔のまま、疑問にぶつかる

・・そう言えば、
「・・・ねぇ・・優斗さんって、学校は?」

「行ってませんよ」
ポツリと言った俺の質問に日吉が平然と答える

「えっ」
俺の代わりに、柳生が驚いた声を出して
周りの視線を集めた

・・だって、義務教育・・

「まぁ、頭は確かだけどな」
そのことについては跡部達から笑顔は消えずに、悪魔で平然と言葉を発してくる

その言葉に、俺らは首を傾げた・・
学校に通わずに・・頭は確か・・?

「pricessが教えてたからだよ」
俺らの表情に苦笑いして、宍戸が教えてくれた

海里が・・?

「あいつ、今は暇そうに見えるけど、
何げにprincessの家のことやってたんだ。
本当は、まぁ住み込みだけどただの庭師の息子・・だから、特に何もしなくて良いんだ。
けど、あいつ・・『はじめて『家族』が分かったんだ』って・・『少しでも役に立ちたいんだ』って言って・・さ、そこら辺の執事よりかなりハードに働いてたんだよ。
だから、学校に行く暇ないって言って、行ってなかったんだ」

そう優しそうに・・でもどこか悲しげに言葉にする向日に、俺らはそうだったんだ・・と「その話は・・ちょっと、、違うな。 あ、若、そこにあるタオル取って」
「はい。princess!?
「「「「「「煤v」」」」」

何ともナチュラルに俺たちの会話に入ってきたその声に、俺たちは声の聞こえた方に一斉に振り向いた
すると、俺のすぐ後ろにやはり声から分かる、海里の姿があった

気付かなかった・・!

「んー、、あつ・・」
驚きで声が出ない俺たちのことを気にせずに海里は手で仰ぎながら目をこすr《トンッ》


・  ・    ・・


「みっ海里!?」

「・・っは、ぁ・・ごめ、精市・・頭、クラクラする」

・少し荒い吐息混じりの言葉
・上気した目で上目遣い
・はだけて少し下を向いてしまったら見えてしまいそうな谷間





・・・どうする?俺

TLDR

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