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あの言葉 幸村sid

話をするために全員でミーティングの時のように円を描いて座る


すると、ちょうど樺地も帰ってきて、そのまま話しに加わった。





「・・とりあえず優斗の事は後で話す。
まずは、princessと関わるに連れ、絶対にこれだけは・・守れ」
跡部の重々しい口調にその場はシンと静まりかえる


「・・princessに、大きな怪我をさせるな・・・か?」
そんな中、宍戸が跡部と目を合わせて呟いた
それに跡部はコクンと頷く

「柳生、お前の父親は確か医者だよな?」

「え、あ、はい」
いきなり話を振られた柳生は慌てながらもしっかりと答える

「なら、分かっていると思うが・・
今、この世界の大半の病院の系列は、




『feather』だ」




「!」

その言葉に俺らはハッとした

知っていた
そんな事・・
でも、それが当たり前すぎて・・


俺らは見落としていた






え・・

あれ
それって

もしかして

「それに、、」


・・あの時の言葉は・・


この事だったんだ・・!




なんで・・なんで今まで俺は気づかなかったんだろう・・っ



「つまり、princessの家だ。
・・分かるな?」
言って俺らを見てくる跡部・・
俺らは、少し放心状態のまま頷く

「だから、princessが病院に行くと取り締まり代表役・・princessのお祖母様の耳に触れてしまう

それだけは・・どうしても避けなくてはいけないっ」
手を震えさせて、宍戸はゆっくりと言葉を口にする

すると、
「・・なぁ、ちょっといいか?」
ジャッカルが少し控えめに手を挙げた

それに対して、跡部は『なんだ』と目で聞く



「足・・海里は足の病院に行ってるんだよな・・?」



考えるようにしてゆっくりと話すジャッカルにブン太は『そういえば・・』と呟いた
他の面々も、それに対して疑問があったような顔をしてる

「それは、跡部さんがprincessじゃない『princess』を紙の上で作ったんです」

「海里じゃない『海里』・・?」
鳳の言葉に真田が復唱する

「お前らの学校でもそうだ。
お前らの学校ではprincessのお祖母様が作った『feather』の家にいるprincessではなく、この世にいないはずのprincessだ」

「それは、つまり居るはずのない人間を紙の上で作って、それを海里がなりすましている・・と言う事か?」
跡部の言葉に、蓮二は分かったらしく、確認を取る

「そうゆうことや」

「ちょっちょっとまてよぃ!それってどうゆう「はぁ、これだから馬鹿は・・「慈郎!」
ブン太が声を出すと、芥川が呟いて・・それに対して滝が怒るように名前を呼んだ

すると、芥川は『フン』と、そっぽを向いてしまった


やっぱり、芥川は、、俺たちの事を嫌っているみたいだ
そんなすぐに認めてもらえるとは思っていないけど、、やはり、人に『嫌われる』のは・・いい気はしない

「・・つまり、『卯月 海里』というprincessと同じ人間をもう1人作るんです
でも、それはfeatherの家柄にいる『卯月 海里』ではなくて、一般庶民のごく普通の家にいる・・
まぁ、簡単に言えばprincessの家族とは血の繋がってない居るはずのない人間・・ですかね」
気を取り直すように日吉が説明をしてくれて、ブン太は眉を寄せていたが、前よりは理解出来たような表情になった

「それって、戸籍とか・・「そんなの、featherにとって、朝飯前だぜ?」
今の説明を理解したのかジャッカルが言うと、真剣な重い口調で向日が答えた

「あぁ。でも、俺の家ではそんな簡単な事じゃない・・。
だから、足の事など俺の顔だけで受けられる診察とかなら良いんだが・・
大きな怪我で家族とかを呼ぶくらいのものになると・・・・もう、俺の力ではどうする事もできない」
自分の力のなさになのか、どこか寂しそうに言う跡部・・

「まぁ、そんなあることじゃねーが・・これは覚えていろ」
言われて、俺らは無言で頷いた

と、

「・・・・あと」
さっきよりも、低い声で日吉が急に呟いた
それに、日吉以外はどうしたのかと目をむける

すると、少し俯き気味だった顔を日吉はバッと、俺らに向けた





「princessを怒らせないでください。
・・それと、悲しませないでください」





真っ直ぐした瞳・・
その目に俺も、真剣な目を向ける

「だな。princessの怒りと悲しみがマックスになると、もう優斗以外止められねぇ・・から」
宍戸がその言葉に、続く

「・・その『優斗』って奴は止められるんか?」
仁王はどこか嫌そうに、でも『なんで』って気持ちも入った複雑な顔をして問う

・・・きっと、俺も今・・仁王と同じ顔してる

『なんで優斗さんばっかり』って・・




「あぁ・・。彼奴は・・特別だ。」

そうはっきりと言った宍戸に・・
『特別』というその言葉に・・
また、


胸が痛む


はやく・・はやく彼の事が知りたい・・っ
・・でも、・・知ってしまったらもう自分は海里の事を想っちゃいけないんじゃないかって・・

不安な気持ちもあった



俺らの曇った顔に、宍戸は一瞬目を向けて、言葉を付け足した

「あいつは、princessにとって、家族であり、友人であり、世界であり、それから・・・

・・っともかく、princessにとって彼奴はすべてなんだ。
だから、彼奴は『特別』だ」


なんだか・・
傷をえぐられるような気がした

・・でも、宍戸はそれが目的なのかもしれない
心のどこかではまだ『優斗以外認めない』と・・








「・・じゃぁ、俺からも、もう1つ。


『何があってもprincessを信じろ』」
次に言った跡部の言葉にジッと目が合い、その真剣な藍色の目を俺は見続ける

「princessは、何かあった時、すべて自分で解決しようとする。だから、端から見たら疑う行動をしている時もある。
・・でも、それは自分の大切な仲間を助けるためだから・・
だから、、
何があっても信じろ。信じ抜け」
そう、跡部が口を開くと、俺らに切なそうな・・でも確かめるかのような氷帝陣からの視線が集まった



フ・・

それに、俺は静かに口角をあげる








「「「「「「「ハッ、言われなくとも」」」」」」」






口にしたその言葉は、思っていた事が全員同じだったらしく・・同時に出て、俺らは目を丸くして顔を見合わせた



「真似すんなよぃ!」

「それは俺のセリフじゃ」

・・ブン太と仁王はそんな事を言っているが・・

・・・俺にとっては、
なんだか『同じ気持ちなんだ』って

嬉しい気持ちがあった


そんな俺らを見て跡部達は静かに笑いを零して、微笑んだ




その笑顔にあえて気づかないふりをするが、また



俺は口角をあげた・・ ・







やっと気づけた君の言葉の意味・・TLDR

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