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あなたの本当


「んぅ〜!」
私は大きく背伸びをする

書類をさっさと終わらせたくて一昨日の夜と昨日頑張っちゃったから、私にとっての夏休みは今日が最後・・

今頃みんな親の実家とかに帰ってるんだろうな〜・・



コチ


コチ


時計の針の音だけが響く我が家



「・・暇だなぁ」
























と、言うわけで!散歩をしていた


ん だ け ど


「あれ?海里?」

「へ?」
振り向くとそこには・・・
















噴水のところに座っていると、向こうからその人が走ってきた
「はい。紅茶で良かったかな?」

「ありがとう。滝」

「いや、気にしないで」
そう言って滝は私の隣に腰かける

さっき、出会ったのは滝で・・成り行きでこうやって座って話す事になった


・・滝と2人きりで話すなんて初めてだな・・



「それにしても偶然だね。何してたの?」
「あ、ちょっと散歩」
私は緊張してるのか・・なんなのか、あまり話題が思いつかなかった

「そっか」

「滝は?」

「あ、俺? 今日さ、このあと跡部たちと約束してて、だから今待ち合わせ中」

「あ、そうなんだ」
私の声を最後にシンとなる2人の間


周りで騒いでいる子たちの声が妙に小さく聞こえた





「・・あのさ」




その静かな空間を破ったのは私じゃない滝で・・

滝の口調は真剣だった




「俺、



・・海里の事好きだったんだ」




呟くように私には目を向けずに、、優しく言うその言葉に、私は缶を飲む作業を止めた



私達の間を心地よい風が通り抜ける




「え?」



一瞬・・
時が止まった気がした

「はは、何度もそう告白させないでよ」
滝は眉をハの字にして私にクルッと顔を向かせた

「え、えぇ!?」

「あ、やっぱり気づいてなかった?」

え、やっあの?!
気づくも何もッ 
私は口をぱくぱくと動かした
「あ、安心してよ?あくまで『だった』だから・・。
まぁ、今も好きって言っちゃ好きだけど、もう・・吹っ切れた好きだから」

「・・」
寂しく笑う滝に私は口を閉ざす


「跡部たちとさ、よく遊びに誘ってくれたじゃん?初等部の頃」
滝はまた前を向いて、手を座っている噴水の台において・・空を見上げて話し出す

「・・うん」

「海里には、卯月の名前がひっついてたからあんまり話せてないって思われてたけど、内心、恥ずかしくて話せなかったんだよ?」

「・・」
そんな事知りもしなかった私は驚いた顔を滝に向ける

「だから、ほら、俺って初対面からprincessって呼ばなかったじゃん?」

「・・!」


「はじめまして、岳人達の友達の滝萩之介です。宜しくね、海里」


そう、だよ。
滝は・・
滝は一度も・・私をprincessとは呼ばなかった・・

「でも、さ、海里はやっぱ俺とは他のみんなと違って一線引いてたじゃん・・?
それに、俺には何も告げずに・・中等部の入学式には居なかった・・。
だから、さ。『あぁ、やっぱ俺はだめなんだな・・』って思って・・自分でけりつけた。」
少しずつ自分の気持ちを言葉にする滝はどこか切なげなのに・・優しく笑っていた
「それに・・、優斗君とのラブラブっぷりがすごかったしね」
ハハッとさっきとは違う笑いをして、そう付け足す

「ごめ・・ん・・私・・」

滝が・・
そんな風に思ってくれてるなんて知ろうとも・・私はしなくて、、
滝が私から一歩引いているのを・・ずっと・・
『他の人たちと同じ』と決めつけていた

そんな自分が嫌になって今度は私が眉をハの字にして滝を見る

「・・(・・吹っ切った・・はずなんだけどなー・・//)そ、そんな顔、しないで?
それに、自分から入ろうとしなかった俺も悪いし、ね?
あ・・あとさ、跡部達にと同じように・・って訳にはいかないと思うけどさ、これからレギュラーとか、そうゆう練習で俺もいるけど・・さけないでね?」
寂しそうに笑うその表情に・・私は罪悪感でいっぱいだった

ずっと・・私は・・

「さける・・訳無いよ・・。
今頃、私が言えた事じゃないし・・もう遅いけどっ
ごめん、ね・・。ごめ、たk」
私が言いかけたとき、ス・・と私の唇に滝の人差し指が触れた



「ありがとう。遅くなんてないし・・

すごく、嬉しい」


こんなに優しい子を・・
『他の人たち』と一緒にしていたんだ・・



屈託のないその笑顔に・・
私は、
なんで・・気付けなかったんだろうと悔しくなった






「おーい!滝ー! って!?princess!?」



そんな私達の間に元気な声が聞こえてきて・・
私達は目を向ける

「あ、みんな遅いよー!
さ、海里も一緒に行こ!」
言って微笑みながら手をさしのべてくれた彼が、太陽と被さってるからか・・
それともその笑顔のせいか・・

とても眩しく見えた・・









ねぇ、滝・・



ありがとう



「滝も・・来るのか」

あなたみたいな心強くて優しい仲間・・
なんで・・私は気づけなかったのかな・・・?

でも、

“遅くなんて無い”

そう言ってくれたから



これから、

どうぞ

宜しくね・・

My important friend(私の大切な仲間)









「princess?どうかしたぁ?」
ジローちゃんが急に私の顔をのぞいてきた

「ううん!なんでもない!」

「? そu《ヒュー




バシャ




「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」」



慈郎ちゃんが言いかけたその時・・
大きな風が吹き・・


噴水の水が・・









私にもろ掛かった!!








「ちょ、えぇぇぇ!?何これ!?何この展開!?」

「いや、その前にprincess前!前!」

「へ?」

若に言われて、私は自分の洋服を見てみる

・・・

今、私が着ているのは・・





白のワンピース





んで、今水がかかった



つまり



白のワンピース+水













 す け る !!





「ちょおおおお///!?」
私はとりあえず手を前にやって隠す

「いやいやいや//!!隠れてませんって//!!!!!」

「テメーら見てんじゃねぇ!!」
景吾が、周りの一般人の方々に大声を出した

景吾、そっちのが目立つからやめてぇぇぇ///!!



「わー//えっとえっと、す、すみません//!!」
ガバッ

「え? っきゃ!」
慌てるみんなの前を走ってきて・・

チョタがいきなり私を抱き締めた

「「「「「「「「・・・・」」」」」」」」


「鳳・・てめぇ・・!」

「えちょっ!これは仕方ないじゃないですかぁぁ!!」
チョタは泣きそうな顔で、冷たい目を向けてくる他のメンバーに言い聞かす


「よし、この後の練習で全員鳳しごいてやれ!」

「まかせときぃ・・!」

「本気で行くCー」

「ウス!」



「そんなの酷いですよぉーー!」


青い空
白い雲の下


チョタのそんな言葉が響き渡った・・














「チョタごめんね;;ありがとう」
「いえ、それに嬉しかったs・・何でもありません//!」
「?変なチョタ。  ヘクチョン!」
この連載好き?TLDR


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