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あたりは薄暗くなってきて・・

砂浜には私たち8人のみ


やることはただ1つ










「蝋燭ここに置くからな?」

「おー!見てみて!これ、人魂だって!誰かやろーぜ!これ」








花火!!





「すげー!これ、打ち上げ花火まであるぞ!!」
袋をあさりながら言うブン太

あたりには誰もいなくなり、私達だけになったから誰にも迷惑を掛けない!!
ということで今、昨日射的の屋台で貰った花火をやってます!!

袋の中には大抵の花火が入っていて、結構自由にやってるわけだけど・・


「二刀流!」

「すげー!花火ってそうやるのか?!」

目をキラキラさせた花火を初めてやる1人に・・

「そうじゃよ。で、ネズミ花火は、柳生見たいのに投げるんじゃ」
またもや違う覚え方をさせてる人物が約1名


止めないと;;
私がそう思って近づくと・・

「仁王君、やめたまえ!桑原君、こうゆうのは人のいないところにですね・・」
呆れた顔をして雅治に説教をした後、柳生君はジャッカル君に『正しい花火』を教えはじめた




あぁ、良かった;;
スイカ割りのように違う覚え方のまま終わらなくて・・;;



トントン

「ん?」
そんな3人のやりとりを見ていると後ろから肩を叩かれた

私はゆっくりと振り向く

「海里!これやろうぜ!これ!」
そこにはブン太がいて、手には・・


『蛇花火』


「・・・なんかこれを見ると微妙な気持ちになる・・」

「? なんでだよぃ?」

「んー・・;;なんでだろう・・でも・・」

なんかすごーく微妙だった気がするんだけど・・なんだっけ・・?

「ま、いいじゃん!やろーぜ
おーい!柳!火つけてくれ」
ブン太は柳君の方に大きい声を出して、柳君はは仕方ないなという顔でこちらに向かってきた

「やれやれ・・」

「わざわざごめんね、ありがとう」
早く!と急かすブン太と火を付けてくれている柳君の間に座って、私は柳君に顔を向けた

「・・いや//b「柳ー!はーやーくー」・・・」
柳君は何かを言いかけていたのに、ブン太に遮られてため息をついた

「ブン太、狙ってやってるのなら俺は怒るぞ?」

「さぁ、なんの事だろうねぃ。
それより、前に言った言葉忘れんなよ」

「フ、だが俺も『次は俺の番かもしれない』と言ったと思うが?」

「でも、その前に言ったくせに」
2人の会話は私には分からないけど真剣で・・、
でも、ブン太はその言葉を言った後、小さい子みたいに頬を膨らませた


可愛い・・//

なごむーv


「・・お前はお前で良いポジションに居るんだから、『応援』なんていらないと俺は思うがな」
そう立ち際に柳君が笑いながらブン太に言った

「・・これもこれで、つれーんだよ・・」



「へ?」
小さく何かを呟いたブン太に私は聞き返すように言う

「いや、なんでもねー!
と、狽ィお!!!海里!見ろ見ろ!!」
さっき、何かを呟いたときの表情からは一転してブン太は驚いたような楽しそうな顔をして、花火を指さした

「ん?
狽ィお!」
ブン太の指に流されるようにして花火を見ると・・


大きくなっていく黒いもの・・・




あぁー;;
そうだ。『蛇花火』ってこんなだった;;

「やべ、これ受ける!!」
ブン太はすっごく楽しそうにそれを見つめている

・・・あれ?
なんかこうゆうの前にも・・






「princess!princess!見てみて!これちょーかっちょEー!!」

「あははは!これマジおもしれー!」






・・・ジローちゃんとガックンだ;;




「? 海里、どうかしたか?」

「いや、なんでもない;;」




















「あれ?もう花火無いの?」
花火をやり出して小一時間後、私は次の花火をするために袋をあさりだす

・・・あんなにあったのに・・

「そのようだな。あ、小さい打ち上げが1つ・・・」
言いながらその花火を袋から出す真田君

「なになに?『小さな打ち上げ花火!なんの形かは見てからのお楽しみ☆』・・?」
真田君の持ってる花火に顔を近づけて、私が読むと真田君は固まったままで・・;;

「おーい;;?」

「あ、や・・そ、n//」
顔を真っ赤にして言葉をつなげようとする真田君

どうしたのかな;;?

そんな真田君の肩を持って、柳君がどかして打ち上げ花火の準備を準備してくれた




「火、つけますよ」


「「「「「「「おー!」」」」」」」


その声と同時にチャッカマンで導火線に火が付けられ、花火から少し遠い所で私達は筒状の花火に集中する








「「「「「「「「(ドキドキ)」」」」」」」」









パンッ










そう小さく音を鳴らして、とても低い位置に出てきた花火・・;;



その模様はスマ●ル君で・・



予想とは違う花火に私達は呆気にとられてシンとしてしてしまった



「今ので・・終わり?」

「みたい・・だね」
「ぷ、超微妙ーー!!最後がこれとかありえねー!」
ブン太のその声で私達は苦笑いから笑顔に変えて顔を見合わせながら笑いあった










「来年も・・」
花火の片づけをしている最中、私はみんなを見つめる

「ん?」

「来年も・・一緒にやろうね!」
私が言うと、みんなは声を出しながら笑った笑顔から今度は・・ ・


優しく微笑んでくれた



「「「「「「「もちろん!」」」」」」」
































夜、夕食を済ませると各自お風呂に入ったりと自由行動の時間があった




私はと言うと







カチャ



あの部屋に・・来ていた





明日は、朝一で帰る・・
だから
最後にもう一度入っておきたかったから、、






懐かしい匂い

懐かしい部屋


見るものすべてに・・感じるものすべてに・・

温かさと懐かしさと




寂しさ




が溢れ出る





優斗
あなたは今、どんな暮らしをしていますか?
つらい思いをしていませんか?



私は写真のなくなった写真立てを持ってベランダへと出る




柵の向こうには町全体と綺麗な海


ベランダにはこの部屋を2人で作るときに運んだパラソル付きの机と、、その時の私たちのサイズに合わせて作ってもらった椅子


‘こっち!ここに置いて!優斗’

‘はいはい。こっちは重いんだからそう急かすなって’


なんだかその時の光景を思い出して、私は微笑みながらその椅子に座った


あのときの優斗の笑顔を・・もう一度みたい・・・・な



「きつ・・」

椅子はやっぱりきつくて、今の私は無理矢理座る形になってしまった


私の体は大きくなって

‘おじょー!見てるかー?’

あいつも大きくなって
‘越前リョーガ’

別人みたいになっちゃって


もう、このパラソルの下で






私は目の前の私の座ってる椅子より少し大きめの椅子を見つめる





あなたと笑いあうことは・・・



出来ないの・・・?
















「海里」

「っ!?」

ここでは聞こえない筈の声が聞こえたのと、考えていたからか、私は肩を跳ねらせた



振り向くとそこには精市が居て、、

「せ・・いち、なんで・・」

眉を下げながらも微笑んでいた




「これ、挟まってた」
そう言って親指と人差し指で挟んで顔の横に、ある物を見せる

「? チェーn・・ !!」
私はバッと自分の履いているズボンに目をやる

するとそこには、あったはずのチェーンの飾りがなくなっていた


「これが邪魔してロックがかからなかったみたい」

「・・そっか」
私が答えると精市は「勝手に入ってごめんね」と言ってベランダの柵に手を乗せる

「ううん。みんななら・・・良いんだ」



良いの

今まで何よりも大切にしてきた優斗と私の『2人』を・・

ううん

私の過去をしっかりとみんなは、、受け止めてくれるから


だから

できるだけ


『できるだけ』知って欲しいから




「そっか」
なんて言うか
嬉しそうに、どこか照れて・・・無邪気に笑うその精市が無性に可愛く・・嬉しく感じた


すると、精市はふと私を見つめた

「?どうかした?」
私が言うと、精市は近づいてきて・・
私の頬に触れた


「・・泣いて・・良いよ?」
切なげにそう言う精市にドキリとする



でも・・



「泣かないよ」
そう苦笑いして私は答える


精市は







チュ






おでこにキスを落とした

「泣かなきゃ・・駄目。海里は・・ため込みすぎちゃうから・・」
そう、心配そうに言う精市に一瞬涙腺がゆるんだ



けど


「だーいじょうぶだって!


ここでは絶対に泣かない。





ここで、、ね、私もう十分すぎるくらい笑って・・涙を流したの。
だから、、


もうここでは泣かない・・絶対に」


そう・・ここでは
思い出が多すぎる
‘princessー!いーれーーーてーーー!!’
‘優斗!テメェー!開けやがれ!!’







‘なくな。俺は・・いつまで経ってもお前だけの・・味方だ’







だから、“悲しい涙”なんかで上書きしたくない・・






私の意志の強い瞳を見てか精市は安心したように微笑んだ


その表情(かお)に
ドキッと胸が弾んだ


あぁ・・
私は・・ ・

「ねぇ、精市」
私は椅子から立って、少ししかない光の町を眺めながら柵に両手を乗せた

「ん?」
精市は不思議そうに私を見る


「私ね。精市のことd「海里ー!幸村くーん!どこだーーーーーー!!!!!

「「Σ」」

ブン太の叫び声で静かな空気が流れていたはずの私たちは大きく肩を跳ねらせた


びっくりしたーー!
ブン太どんだけ声大きいのよ・・;;
すごい響いてるし・・



・・て
いうか!
私何言おうとしたの!!?!!?!!?!!?!

「あ、えっと、、、い、行こうか!」

なんだか急に気恥ずかしくなって私はベランダを出ようと、窓に手をかける





パシ

「まって・・」





静かな
でも

焦っている精市の声が





真っ暗な夜空に響いた


















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