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俺の心理 ブン太sid


「・・・ん」



暗闇の中、愛しい声が聞こえた













「・・・なぁ」

俺は静かな空間に誰というわけでなく話しかける

「「「「「「ん?(何ですか?)」」」」」

「って、お前ら全員起きてんのかよぃ;;」
俺はすぐに帰ってきた返答にあきれたように言う

「今日は色々あったしそんな簡単に寝れるかよ;;」

「ん?ジャッカル、それはどうゆう意味で?」
言ってる幸村君の顔は暗くて見えないけど、雰囲気から『まさか、風呂の事じゃないよね』という言葉が伝わってきた


「「「「「「・・・・」」」」」」

伝わったのは俺だけだった訳じゃなかったみたいで、全員口を閉じた






その気まずい空間に耐えられなくて、俺は気になってた事を口に出す

「・・・つーかさ、これ、はずれねぇんだけど・・;;」
言って、俺は自分の腰に回された海里の手を軽くつかむ

「これ?」
俺が言った『これ』が分からなかったみたいで、真田は布団を剥いでこっちに顔を向けて座った

そんな真田につられて他の奴らも布団から出た

それを見て、俺も出ようと海里の手をそっと外そうとする





逆に海里の手の力は強くなった


「っな?!」
俺は思わず声を出すと、



「・・や・・いかな・・で」




とかすれた小さな声が聞こえた




そして、海里の頬には一粒の涙





「・・・ブン太」

「・・分かってるよぃ」
そう、真剣な声で答えて俺はまたその場に寝っ転がった





「・・使用人と話してるとき、なんだか泣きそうな顔しとったな」
ぽつり、海里の髪を撫でながら仁王が言った

「・・そうだな」




「あの部屋に入ったとき、海里・・・辛そうじゃったな」


「・・・あぁ」
間を開けながらもみんなが頷いた



「俺らは・・ここに、、連れてきて貰って・・ よかったんじゃろうか・・」

仁王は、海里の髪から手を離す


「「「「「「「・・・・」」」」」」」



海里は、俺らを信用してくれてる・・


そして、『大好き』って・・仲間としてだけどそうゆう気持ちがすっごく伝わってくる


そんな海里だから俺らは仲間として好きだし、違う意味でも好きになったんだと・・俺は思う


でも、どこか海里は自分を隠してる事が多々ある

それはきっと、自分が嫌われるんじゃないかって不安な気持ちから・・

嫌いになるわけ、無いのに・・な

俺らは、、お前の事が大切で大好きなんだぜぃ?
お前が俺らを思ってくれてるのより、もっと、、もっと・・っ





「いいんじゃないかな」



シンとした空間に、ふんわりと優しい声が聞こえた






「え・・?」

「いいんじゃないかな。連れてきてもらって・・。嫌なら・・、自分の世界に俺たちを入れたくないんなら・・普通今までずっと支えだった跡部達も入れた事がない部屋になんて入れてくれないし、海里は俺たちを『連れてくるんじゃなかった』って後悔するような子じゃないよ」
フッと優しい笑みを海里に向ける幸村君


その笑顔に、、



あぁ


俺はこの


優しさに、

笑顔に、

負けなんだ・・・・




と、心の中でしんみりと考えた


「そう、ですね」
柳生の言葉に、みんなはフッと笑みを見せた




あぁ、なんか・・すげー俺


こいつら好きだ




「・・それにしても・・よ。聞いて良いのかわかんねーけど、、『優斗』って誰だ?・・あと、跡部達と海里の関係って・・」
言いかけるように問うジャッカル

・・俺も知りたい

そう目で知ってるであろう幸村君に目を向けると、
幸村君と仁王がキョトンとした顔で、目を合わせた


「あれ・・;;?言ってなかったけ・・?」



俺とジャッカルを交互に見る2人

それに俺たちは頷いた

「ごめん;;もう知ってるものだと思ってた;;・・真田達は知ってるのかな?」

「・・うむ、跡部達の事は軽くは海里から聞いた。だが、、『優斗』というやつについては・・」

・・・


狽ヲっ?!ちょっ!?!?!?!?何!?聞いて良かったの!?!?!?




えっ・・


俺・・、俺・・






どんだけ話してもらえないの気にしてたと思ってるんだよぃぃぃぃ!!!!







あーーーー、俺の馬鹿!!なんだよぃぃ・・

聞いて良かったのかよぃぃ・・・




俺は言葉には出さずに、心の中で暴れた
多分、顔は引きつっていると思う・・

「ごめんごめん;;じゃぁ、まぁ、仁王が説明するから」

「秤エか!?・・まぁ、、

よか」








言って苦笑いを浮かべながらも、仁王は俺たちに詳しく説明をしてくれた









海里と跡部達の出会い

『優斗』は家で海里を庇っていた人って以外は跡部達は何も話してくれないって事

跡部達が海里を『princess』と呼ぶ理由

2人が知ってる限りの昔の海里

跡部達が海里をどう思ってるかも・・
(これも聞いてよかったんか;;?)




それを聞いて、あぁ、、俺は何も知らなかったんだなって少しだけ・・いや、、もっと寂しい気持ちになった



「俺たちに、話してもよかったんか?」
俺が一応問うと、幸村君は笑みを向けてきた

「当然。ここにいるみんなは海里の仲間なんだから」
その笑顔につられてみんながほのかに笑顔になった気がした

いいな、、こうゆうの


温かい・・


「それにしても、ホント悪かったのぅ;;つい話したつもりでi「や・ゆ・・と・・行かな・・で」
仁王が言ってる最中に俺の隣にいる大切な人から苦しい声が聞こえる



「ごめ・・なさ・・・ひとりに・・しな・・で・・」


その声があまりにも悲しく、胸を締め付ける声で、その娘(こ)の頬を止めどなく涙が流れるものだから、、
俺たちは心配で顔をののぞき込んだ


「ごめ・・いかな・・で・・も・・しないたくな・・みんな・・」


言葉と同時に、俺へと回されてる手が急にきつくなって、海里が俺の胸にくっついた

「っ//」
海里の寝言から、どんな気持ちで抱きついてるのかとか、分かってるのに・・俺の鼓動は速まった


「どうしますか?・・うなされてるようですけど、起こしてさし上げた方が・・」
柳生の声に俺らは「うーん」と悩む声を上げる

そんな中



「はぁ」


1人ため息をついてる人物がいた



幸村君だ


「すーーーーーーごく嫌だし、むかつくけど・・今日は・・今日だけは自分への戒めのつもりに、海里に触れないって決めたんだ」

急に言い出す幸村君の言葉が理解できなくて、俺たちは首を傾げる


「変わりがブン太ってのが気に入らないけど(誰だろうが嫌だけど)、ブン太!海里に手、回して?で、強く・・・抱き締めて・・」

「え!?ちょっ無理//「いいから、早く」
真剣な声で急かすように言ってくる幸村君に、俺は何も言えなくて、


俺は黙って海里の背中に手をそっと伸ばした



そして、

壊さないように
つぶしてしまわないようにギュッ力を入れる




柔らかい・・//




俺も男だし、そんな事を考えてしまった


すると、、
ふっと海里から力が抜けた



「海里・・?」


「安心、したんだよ」
俺の声に答えてくれたのは幸村君で・・

声が、なんだか切ない感じだったから軽く顔を上げて見てみると・・





手を握りしめていて、本当に辛そうな顔をしていた







あぁ、そっか
幸村君も海里の事好き・・なんだよな

でも、、

ごめん

俺も、こいつだけはそう簡単に渡したくねぇんだ



例え、1度失恋しても・・


でも、



好きなんだ





だから、悪い。



今日くらいは・・俺に、


譲ってくれ










「ブン太、耳まで赤いぞ」

「・・うっせ//」
言ってきた柳は少し笑っていて、俺はふくれるように答えた





少し、間が開いて、俺は時間が経つに連れ、規則的に海里がする呼吸に緊張していた

「こ、これ、いつまでやんの・・//」

「海里が起きるまで。 ・・ち」
俺が震える声で問うと幸村君は心底不機嫌な声で答えた
語尾の、完全に感情をむき出しにしている幸村君の本音に、その場にいた全員は顔を青ざめさせた



「ね、寝ましょうか」
この場から逃げたいのか、言う柳生

でも、その気持ちはみんなと一緒だったらしく、みんなは無言のまま布団に潜った


















そして、しばらくすると周りから聞こえてくるいびきや、寝息




俺はと言うと、それどこじゃなくて、、

海里の静かな呼吸と

たまに発する小さな声と、



一定なリズムで鳴り続ける自分のではない心臓の音に、ドキドキしていた・・












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