様子見段階
「もう、我慢できない」
「せい・・いち・・?」
真剣に・・
でも、いつもと違う精市・・
私は自分を見つめてる精市がなんだかすごく・・
怖く感じた
「・・・っだめだっ・・みっ」
精市がうつむいたと思ったら急に普段の顔に戻って
また下を向く
・・鼻をつまんで
「精市・・?」
「ちょっ//こっち見ないで!本気で俺かっこわるいから・・・//!」
言って精市は私からできるだけ遠ざかろうと後ろにさがろうとした
その時
《ゴン》
「・・っーー」
ドアの方から桶が飛んできた
そして、それは・・見事精市の頭に命中した
「幸村、迎えに来てやったぜよー」
言って、近づいてくる桶を投げた犯人・・
雅治・・
・・?
「海里、大丈夫か?」
言って私をキュッと抱きしめてくれる雅治
「え、う、うん」
あれ・・?雅治・・?
なんかいつもと、、
そんなことを頭の隅で考えながら、一瞬脳裏をよぎった『あのとき』の記憶を消そうと、雅治に軽く寄りかかった
「はぁ、嘘つくんじゃなか。体、ふるえちょるぞ」
「!」
「や、ちが!これは・・寒いから、」
「・・ほぅ。なら、先あがれ。俺たちは話がある」
「まさh「先あがれ。すぐすむ」・・」
雅治の言葉に、私はぐっと口を閉ざして走って脱衣所へ向かった
***
タッタ
海里がここから出て行ったのを耳で確認する(目で確認したらまた倒れるからのぅ;;)
「さて、、幸村。お前さん、海里の事が好きなんじゃったよな」
『俺』は立ちつくしてる幸村君の横の岩に腰掛ける
「・・・」
黙り・・ですか
「あんな事があって、今そんなことをしたら・・ふるえるのも無理ないと思うが?」
「っ・・」
「・・まぁ・・俺も男だから気持ちは分からんでもなか。もし、お前さんじゃなく、俺が海里とここに2人きりになっとたら同じようになってたかもしれん。
でも、それをお前は見て、俺をどうする?」
「・・殴り飛ばす」
俺の言葉に、ぐっと拳を握り、ポツリと呟いた
「クック。なら、俺も殴り飛ばしてもええよな?」
言うと、幸村君は俺の前に立って顔を上げた
「あぁ。殴ってくれ」
・・・
・・あなたは・・・
そうゆう人ですよね
「・・おぅよ。歯ぁくいしばりんしゃい」
そう言って俺は幸村君に拳を投げる
が
顔の前で止めた
「・・仁王?」
「殴りたいとこなんじゃけど、、お前さん、正気に戻って、鼻血我慢しながら海里にあやまっとったからのぅ」
俺はその言葉と同時に立ち上がり、湯から出る
「まぁ・・そうゆうことじゃ『幸村君』」
そう言葉を残してその場を俺は後にした
理性は戻っていたけど、何だかんだ言って今回仁王が来てくれたのは、、良かったのかもしれない
俺はそう思い、仁王の後ろ姿にポツリと
「ありがとう」
と小さく呟いた
その言葉は聞こえていないと思っていたけど、聞こえていたらしく、、仁王は後ろを向いたまま手を振った
「・・・。あれ?」
“お前さん正気が戻って、海里にあやまっとったからのぅ”
って・・・
あいつ、分かってて投げやがったな・・!
その幸村の声は『仁王』には届くことはなかった・・・
***
「うぉわ!?俺!?・・って、柳生か。お前さん何しとるんじゃ・・;;」
ブン太と真田とジャッカルが着替え終わり、先に出て行って、俺が1人で着替えていると、『俺の格好』をしている相方が立っていた
「・・・仁王君!」
「どうした?」
すまなそうな顔をする柳生に俺は優しく聞いてやる・・と
「すいませんー!」
俺の顔でそいつは泣きそうな顔になった
その格好で止めてくれ;;
「あー、何をやってきたかは分からんが、その謝罪はまだ様子見段階の俺たちの『変装』をしたことに対してと、とってよか?」
そんなことを考えながら、確認するように聞く
俺たちの『変装』っつーのは、部長が
「多分、これからダブルスを変えることはないと思う」
っていっとったから、俺が柳生、柳生が俺に変装してプレイをするという、俺たちで考えた物
否、俺が考えて柳生にやらせようと話したもの
・・なんじゃが、あんなに嫌がっていたこいつがまだ本当にやるか分からないものを自分からやっとるとは・・
何かあったんじゃろうか?
(つーか、なんで今カツラ持っとるんじゃ;;?)
「そ、それもあります。・・」
「『も』ってなんじゃ!?『も』って!!!俺の姿で変なことするんじゃなかとよ!?」
「・・・あとで幸村君に殺されるかもしれませn「どうゆうことじゃぁぁ!?」
俺はともかく他の奴らが来る前に柳生の変装をといて、きっちりと話を聞いた。
状況がわかっとるのに、桶を投げる・・とか、お前さん案外怖いのぅ;;
つーか、俺の姿で幸村に説教・・
さらには海里を抱きしめr・・(恥ずかしくて言えない
「す、すいません・・。でも、なぜか見てられなくて・・」
「・・・。それは良いが、なぜ自分の姿でやらなかったんじゃ?」
「・・・」
「黙るな。そしてうつむくな」
「・・この姿で桶を投げる勇気はないというか・・」
うじうじと頭を抱える柳生
「俺だったら投げると!?」
「・・・」
こいつ・・ッ!
「柳生よ」
「・・はい?」
「この変装の話はなかったことにしよう」
「・・はい・・。す、すいませんでした;;」
「今回は状況が状況じゃ。よかとよ」
「はぃ・・」
それにしても、あんなに嫌がっとった柳生が、自ら変装をして・・
しかも、あの幸村に桶を投げる・・
普段の柳生からは全く持って想像出来ん
やっぱり・・柳生も
俺と同じ気持ちを持ってるんじゃろうか・・
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