[携帯モード] [URL送信]
欲情

「わー、すごい。この銭湯、しっかりした露天風呂まであるよ」
私は1人で呟きながらピチャと音を出し、足の指の先から湯に浸かる


・・・

シンとしたところに1人になるとまた考えてしまう



優斗・・ううん。今は、リョーガ、、なのかな・・


ずっと、自分を施設に置き去りにした本当の親につけられた『優斗』とゆう名前を、彼はずっといやがっていたから・・

これは、、これで良かったのかな・・




でも、『リョーガ』なんて・・・知らない人みたい



・・・それに、、「養子として」だけど引き取ってくれた庭師の影宮さんとは、本当の親子のようだった・・
その大切な『影宮』の名字も捨てて、、『越前』になって良いの・・?



私が・・







私が







彼らを引き離したから・・?








涙が頬を伝うのを拭かずにそのままにして、私はドアとは反対の方向の景色が綺麗な方を向いていた







すると、



ガラガラ


ドアが開いて、でも、『誰か来たんだなー』くらいしか思わなくて、、

そのまま外をむいていた



「おー?先客だぜぃ」

「ホントじゃのぅ。。気づかなかったぜよ」


・・・・。

『だぜぃ』?

『ぜよ』?

どっかで聞いたような・・


「結構本格的だね」

「な」



・・それにしても、この子たち女子にしては少し声低いな・・






ま、私には関係ない







少し気になりつつ、私はその一言で片づけた

なんて言うか、、
今は静かにしていたかったから・・

だから私は振り向かずに黙り(だんまり)を続けていた


「ん?お前、俺らと同じくらいだよな?」
その子たちが何か話してたけど、その時の私の中は優斗のことでいっぱいで・・


「・・・」

「?おーい、どうしたー?」
水をかき分ける音がだんだんと近づいてくる気がした


「どうした?ブン太」

「ん?ぁ、こいつがジャッカルが話しかけてもピクリともしないからよぅ」

「ん、、?もしかして、それのぼせてるのではないか?」





・・若は、どんな気持ちで聞いてたんだろう・・
なにか、言ったりしたのかな・・





あー!そう言えば若には悪い事したな・・

この間もう、、優斗の事をそんな風に思ってないから・・

って言ったのに・・
それに若は安心したように笑ったのに・・

私は・・


やっぱり、なんだかんだ言って私はまだ優斗のこと・・


でも、そしたら、精市は・・?

「狽ィ前大丈夫かよぃ!」



ガシっ








「へ・・?」


重要な疑問点まで来たところで、私は後ろから急に肩をつかまれ、振り向かされる


「あれ、お前細すg・・!」









その衝動で、私の頬を伝っていた涙の雫が宙をまった








「え?」

「「「「「「「え?」」」」」」」








私が振り向くとそこにはなぜかみんなが居て、、全員がこちらを向いていた





「き、








きゃーーーーーーー///!!!!!!







私は本当にいきなりのことだったから、前を隠してなくて、だから、叫ぶと同時に一気に体を水の中に入れた

な、なんで!?
っていうかまず、、

みないでぇぇぇえ///(涙


私はみるみるうちに真っ赤になって何も言えないでいた



もう、お嫁に行けない・・(泣

すると、みんなも同じようでこちらを指さしながらパクパクと口を動かしている


「煤@なななななんでっ////」
やっと沈黙を破ったと思ったら、ブン太は肌を真っ赤にさせて何故か鼻を握り、私から遠ざかった

それに続きみんなも赤くなってザバザバと私から遠ざかっていく

「ブッ//」

バシャン

「真田ーーー!!!」

真田君がすごい勢いで鼻時を吹き出して、お湯に浮いた


うわーん(涙

私はさっきより体を狭めた



すると、また


バシャン






「仁王ーーーー!?!?!?」

「ちょっ!仁王君?!鼻血!大丈夫ですか!?!?」

「えぇ?!まさかの仁王!?!?!? なに?こいつなにげに純情ボーイ?」

「ブン太、鼻血出しながらお前が言うな;;」


まーーーーさーーーーはーーーるううう;;////!!!





「D」

「Σ//」
急に口を開いた柳君の言葉にドキッとする

「フッ、また大きくn《パコーン》

「柳ー!!!」
私はとっさに近くにあった桶を柳君めがけて投げた

Σしまった!本気で投げちゃった;;

「ご、ごめんっ!!」

「いや、お前は正しい反応d ○▲※☆×//こっち向くんじゃねぇ//!!!」

バシャン

「ジャッカルーーーーー!!!」

「ごご、ごめんなさいいいいい//!!!!!!!」
私は目の前で倒れたジャッカル君に謝って、みんなに背を向けた


「と、とりあえず、皆さんを脱衣所に運びましょう//!」

「そ、そうだな//」


「柳君、真田君、大丈夫ですか;;?」

「よっ おい、仁王、ジャッカル、出来るだけ自分で歩け!特に仁王!」

「む・・r ブファ!」

「Σうぉぉぉい!!俺の肩で鼻血を再度吹き出すなぁぁ」



カラカラ


「・・・・・」

みんな・・出てったかな・・?



今のうちに・・

私はそっと振り替えr

「ブッ」

「はは、ごめん。後ろからびっくりさせようと思って」

そこには、



精市が居た







振り向いたところに精市が居て、
だから今、私たちは密着している状態・・




・・・この状況いろいろとやばくないですか//?



「海里」
真剣なその声に続くようにして私の顔に近づいてくる精市の顔と手





えええ//!?!??!


ギュッと私は目をつむる





きゅっ
「泣かないで」

「・・え」
精市の両手は私の頬を包むようにして、親指でまだ目に浮かんでいた涙をぬぐってくれた


「優斗・・さんの事でしょ?」
そう言う精市は笑って私を安心させてくれようとしてるけど、どこか悲げだった
「・・・違うよ」

「嘘」

「・・・違う・・もん」



「じゃぁ、質問かえるね。聞いて、いいかな?


海里にとって・・優斗さんはどんな存在?」





「それは・・」



『どんな存在?』


その言葉がエコーがかかったように私の脳を侵食する



そんなこと、言われても困る・・よ





私にとって、、今、『優斗』は・・何・・?





バッ


「ごめん。やっぱ、、聞きたくない」

「や、ちが!精いt」
悲しそうに私を抱きしめる精市に必死な声で言う



違うの

違うの。


優斗のことはもう、あの日に忘れなきゃいけないって・・

必死に、

っ必死に想いを押し殺して
しっかり、鍵を閉めたの

それで、いつの日かその想いは・・・


・・わからない
けど



きっと・・風化したの




ううん。風化させた・・の






だから・・精市を好きなのはきっと・・確かな気持ち・・だよ・・?



「・・」

「精市・・」
自分の気持ちが分からなくなって、私は不安な顔で精市をみる

「・・っごめん、俺、もうあがるね」
言った精市の顔が見えなくて、

私の目からはなぜか、涙がこぼれた




あぁ、
気持ち・・少し分かった



「・・やっ」



「・・!」

ギュウ
私は背を向けて行ってしまいそうな精市を後ろから抱きしめる

体が密着とか、もうどうでも良い

精市が行ってしまわないのなら....




分からない気持ちがいっぱい



でも、
こんな形で、精市が行ってしまうのは



いや




「いや 行かないで・・精市」

ポロポロと落ちてくる涙を止めるように精市に回す手を強めた



「海里、放して」

ズキ



胸が、なんだか痛い

















「//別に怒ってないから//ちょっ、本気でやばいってっ//」

「・・・へ?」

さっきとの反応の違う声に、止まらなかった涙が急に止まった


「『へ?』じゃなくって//! ・・











あーもう、無理だから」


ポチャン












「せ、いち?」

私は湯船の周りにある岩の1つに頭をついて、両手は精市の手によって、横の岩につけられている



そして・・目の前には満天の星空と、







みたことのない・・でも、いつもみていた精市の顔











「もう・・我慢できないから」










[←][→]

13/26ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!