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痛み



キィィィ

そう、音を鳴らして開くドア

ホントだったら手動で開けられる分けないんだけど、ここは、『私』のものだから

どうやったら開くかとか、全部知り尽くしてる


「「「「「「「「!!」」」」」」」」
「え・・? ! お嬢様!?」
ドアの目の前にいた使用人の声で皆が騒ぎ始める


本来、ここには誰もいないはず・・

昨日、船を頼むときに使用人が何かおかしかった
何故かは分からなかったけれど、、

こうゆう事ね



「騒々しいわね」

「! 申し訳ございません・・」
そう、血相を変えて頭を深く下げるその人に私は冷たい目を向けた

「あら? いいの?私なんかと口をきいて」
私は嫌みを言うように口角をあげて言う

「!!」

「クス、今頃媚でも売るつもり? 裏切り者さん達」
そう笑顔で言って、コツコツとミュールを鳴らせて中に入っていく

と、

そこへ、、







「お嬢様! 何故ここに!?」






そう声を上げて出てきたのは





綾先・・!








なんでここにいるの・・?

綾先は本邸の使用人のはずじゃ・・



それより、なんで
綾先の服が・・っ

「悪い? ここは私の物なのだけど。 それより」
私は綾先に無言で近づく



「なんであなたが、使用人頭の格好をしているの?」



「・・今夏、昇格致しました」

昇格・・ねぇ。

本邸に行ったときに私なんかに車を使わせて、よくできたものだわ

「では、なぜその昇格した者がここにいるのかしら?」

「・・・」
綾先は無言で俯く

「ここには来るなと、代表にも私にも言われてると思うのだけれど?」

「・・こちらは、もう何年も使われていないようでしたので、奥様方が海外へご出張の間に清「頼んでないわ」
私は綾先の言葉を遮り、続ける


なぜか、心がモヤつく
良いじゃない

これくらい冷たくしたって


私はもっとこの人達に辛い事をされていた


なのに、、なんで

こんなに






胸が痛いの・・?







「使用人頭ならば、今ここにいる者を連れて早急に立ち去ってもらえるかしら?」

「・・それは、、いかしかねます」
言い、手を握りしめながら顔を上げる

「なぜ?」

「・・・お嬢様がお連れのお客様方におもてなしをしたく存じます」


は・・?

何を言ってるの・・?


意味が分からないわ


「結構よ。今頃・・何?」
だいたいこの人達が用意した食べ物や何まで信用できるわけない・・

「っ・・お嬢様」
苦しそうな、、
悲しい目で
私を見る

やめて


やめてよ


そんな目で


見ないで




「・・第二館の方になさい。そしてできるだけ速く立ち去って、『もう二度とここに来ないで』」
私の言葉に、そこにいた者全員が硬直した

この言葉は、私が本邸を出るときにお祖母様に言われた言葉

そして、この人達にも・・っ







「っ、、もう、元には戻らないのです、、ね」





綾先が私の横を通るときに涙声で言った



私はその言葉に酷く胸を締め付けられた


私だって・・
許せるものなら・・



でも、



「当たり前でしょう?」




そう冷たく言う事しかできなかった










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