先約
部活の朝練でブン太と顔を合わせる
「おはよう、ブン太」
私が笑って言うとブン太は綺麗な赤い髪を風で揺らして
笑い返して手を振ってくれた....
***
「・・・」
着替えながら外をふと見ると海里が幸村君と柳生と楽しそうに教室に向かう姿があった
俺はその姿をボーっと見つめていた
「どうした?丸井」
ふいに柳に話しかけられて俺の体はビクリと跳ねる
「あ、いや!何でもねぇよ!」
柳の方に振り返ると、部室には俺とソイツしかいない事が分かった
「フム・・」
「ホントなんでもn「傷心・・か?」
「!」
なんでこいつはこうも・・;;
「・・・」
ポン
柳は俺の頭の上に手を置いた
「・・・」
ワシャワシャ
「っな、ちょっ!やめっ」
今度は髪をワシャワシャと掻き乱しだしたので俺は止めようと頭の上の手に、手を伸ばした
そしたら、柳は眉を垂らしながら笑って
「・・次は、俺の番かな」
とポツリと言った
「え・・・?」
俺が聞き返すように言うと、柳はいつもの顔に戻った
「早く着替えた方が良いぞ。授業が始まる」
そう言ってもう一度俺の頭に手を置いて何かを乗せて、部室を出て行ってしまった
俺は、頭の上に置かれたそれを手に取る
「あ」
『それ』は俺の大好物のグリーンアップル味のガムだった
***
授業中、精市と柳君は真面目にノートをとっていて、、
私はノートをとりながらボーっとしていた
ん?
私は視線を感じて振り返る
雅治だ
雅治は私と目が合うとなにやらノートを切って書き出した
そして、先生が黒板に向いた瞬間、その紙は私の机へ投げられた
その紙に書いてある事を読んでみると、、、
【この授業、暇じゃ(´M`)】
顔に似合わず、顔文字を使ってる雅治にクスリと笑って私も返事を書く
【ね。なんか睡魔に襲われかけてるzZ】
それを雅治の机に回して、様子をうかがっているとフッと笑っていた
そして、雅治がまた書き始めた時
キーンコーンカーンコーン
鐘が鳴った
礼をして、雅治の席へ向かう
「よう。眠らんかったんじゃな」
「いやー、眠いのに変わりはない」
「ククッ、次は昼休みじゃ、たんと休みんしゃい」
「ふふ、うん。・・・あ!!」
私は急に大きな声を出した
昼休み!
お弁当!!!
「? どうしたんじゃ?」
「私!お昼ご飯食べに行ってくる!」
「?俺らと食わんのか?」
「ごめんね!先約があるの!!」
私はそう言い残して急いで向かう
屋上へ
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