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気づいた事 ブン太sid

「ジャッカル!先帰ってて!俺、行かなきゃ行けない場所思い出した!」

「え、おい!ブン太!」

俺は後ろから呼んでくるジャッカルを無視して走った



気づいちまった


いや、前から知ってた
この気持ち







海里が学校に来れなかった間も俺は屋上で昼飯を食ってた
いつの間にかきっとあの笑顔でいつものように屋上のドアを開けてくれるような・・
そんな気がしたから






誕生日パーティーの時、海里が幸村君にシュークリームを渡すのを見て・・・

すごく

悔しかった

悲しかった


だってそれは俺が『海里に』教えたのに・・って・・・

海里には聞こえなかったかもだけど、あの時俺はすごく小さい声で・・
消えてしまいそうな声で呟いた

「そうゆうこと・・・かよぃ・・」







そしてあの日、幸村君が海里を抱き締めた時、もう分かってしまった
2人の気持ち







でも、先に俺が想いを伝えたら・・
って浅はかな考えを持って

海里のもとへ走った






家の前についてベルを鳴らすのに緊張して心臓が爆発しそうだった
でも、勇気を振り絞っていつも通り平然とベルを鳴らす



玄関に向かうのも本当にドキドキして、俺ってヘタレだなって思った
だからその気持ちを吹き飛ばすようにして俺はがむしゃらに走って急いで海里のもとへ向かった



「あんな。俺、気づいちまったんだ」



「あっ卯月 海里です。よろしく」

あの時の笑顔も、

「あ・・いや、何でもないよ」

泣きはらした目の顔も

「コート整備と片づけは私がやるから!!!みんなテニスやってるのに怪我したらどうすんの!!!!??」

「大丈夫だよ!!あと少しだから」

俺らを心配したり、無茶をする顔も

「へ?」

鈍くて天然な顔も

「そう? ・・・ん!!やっぱブン太のおいしい〜♪」

俺の料理を食べたときにしか見せてくれない顔も

「ブン太せんせーい!!とうとう材料がなくなりました!」

ふざけてる顔も

「可愛いなぁーと思って」

素直な幼い顔も・・

「んーわかんない。ここ作ったお父さんしか分からないよー」

たまに見せる今にも泣き出しそうな顔も・・

全部が好きなんだ
全部が愛しいんだ


「俺・・な、」



「俺、、、」




「海里の事が好きなんだ」




傷つくのが怖い
でも、伝えずにはいられないんだ

いや、今

伝えなきゃいけないのかもしれない

俺は弱いから
だから勝とうってもがいてるだけなんだ





勝算はないのに









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