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「ごめん・・な。俺じゃ・・やっぱ・・ダメだな」

私を見てブン太は涙を零しながら言った



ごめんねごめんね
ブン太が嫌いな訳じゃないの
怖い訳じゃないの

なのに・・
震えが止まらない


「ごめ・・」

「いや。悪かった」

私とブン太は俯き、沈黙が流れる





パンッ


静かな空間に乾いた音が響き渡った


ブン太が自分の頬を両手で挟むように叩いたのだった



「うしっ! ごめんな海里、今日の事は忘れてくれぃ!!そんで、明日からは今まで通りに戻ろうぜぃ!」
ニカッといつもの笑顔を私に向ける
でも、その顔はどこかさっきのように辛そうだった


・・ブン太

「うん。・・でも、今日の事は忘れない」

私は顔を上げ、まっすぐとブン太を見る

ブン太は目を見開き、驚いていた


「だって、さっき言ってくれたのがブン太の本当の気持ちでしょ?」



「そんなの...忘れられるわけないじゃない」


きっと今日、ここまで来るのにすごく勇気が必要だったと思う

緊張して、心臓がバクバクなって・・

それでも、私に告げてくれた
そんな気持ちを・・想いを忘れられるわけないじゃない・・・


「海里....」


「想いには答えられないけれど、、、でも、・・ありがとう」

好きになってくれて

ありがとう


私は精一杯の笑顔をブン太に向けた




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あきゅろす。
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