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突然・・?

ソファーで寝ころんでボーっとしているとベルが鳴り、外にいる人物を見るため私はインターフォンの画面に近づいた


そこには帰りにあったままの格好の赤髪の少年


「ブン太?」
その人物が見慣れた仲間だと知り、私は受話器を取る

「お!海里?こんばんわ!」
「こんばんわ。・・って、どうしたの?」
「えー・・と。。すぐ終わるから外きt・・やっぱいい!結構寒いし、玄関来て!!俺も向かうから!」
「えっ、う、うん?分かった」
受話器を置き、私はスロープを使って玄関に向かった





そして、玄関が見えてきたところでドアは開いた

「ハァ、、ハァ」

ブン太は膝に手をつき、息を整えている
その姿を見て、私も急いで駆け寄る

「大丈夫?お水とか汲んでこようか?」
「いや、いい・・ハァ・・ハァ」




呼吸が正常に戻ってきたところでブン太は膝から手を放して私と向き合った

「あんな。俺、気づいちまったんだ」
「?」
『何に?』そう聞こうとするとブン太はまた口を開いた

「今回、海里を守る事ができなくて、、氷帝の奴らに、色々言われて、、本気で悔しくて・・自分が嫌になって・・」
ブン太の顔はどんどん俯いていく

「・・・」
「俺・・な、」
真剣な空気が流れてブン太は私から目をそらした






「俺、、、」
そして、もう一度私の目を見る










「海里が好きなんだ」











「え・・?」
状況がつかめなくて、もう一度聞き返すように呟く

「もちろん、仲間としても好きだけど、、今言ってるのはlikeじゃなくてloveの方」
ブン太は顔を真っ赤にしながらも今までにないほど真剣な顔をした

その顔から本気なのが分かる



え・・?
ちょっと、まってよ

状況がつかめない



・・ブン太が・・私を・・?

私は・・



その時、私の脳裏に写った顔は...






「あー・・ なんつーか・・その、驚かせちまった・・よな・・?」

「あ、あの・・えっと・・」
どもりながら一呼吸おく

「ご・・」
私はそこまで口に出して言葉を止めた


このまま私が言ってしまったら、ブン太はもういつものように笑いかけてくれなくなってしまう・・・・?
くずれてしまう・・?

そんな言葉が私の中を走り抜けた





「ええよ」



辛そうな・・でも、澄み切った私を落ち着かせようとする声


その言葉が静かな家の中に響く

同時に私の中にも響き渡り、思考が止まった


顔を上げ、ブン太を見ると
眉が垂れ下がり今にも目にたまった涙がこぼれ落ちてきそうな顔で私を見ていた


「ええよ。答えは元々、分かってたんだ・・。だから、何言われても、覚悟はできてるから」




ブン太・・

途切れ途切れにつながれた言葉に胸が締め付けられる



「・・ごめん。。私、好きな人がいるの」



精市・・



「あぁ。・・はっ」
ブン太は前髪をクシャリとつかみ無理に笑う

「ごめん...」

「謝んなよ。。俺が惨めになるだろぃ・・」
片手で顔を覆いながらしゃがみ込み、私と目線が同じになる



ガシャン!



目線が同じになったとたん、車いすが大きな音をたてて倒れた






「ブン・・・太・・・?」




私はブン太に抱き支えられ、立っている形になっている



「悪い..最後だから!最後にするから・・もう・・こんな事・・二度としねぇから・・」



ブン太の声は震えていて、でも力が込められていた


私を抱きしめる腕にも力を感じる





「ごめん・・。」


ブン太はそう言って私の顔を上げさせた





そして
















キスをした














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