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重なり

「ジャッカル君!」
部活が終わり、私はブン太と帰ろうとしているジャッカル君を呼び止める

「ん?どうした?」
ジャッカル君は優しく振り返り膝を折り曲げて私と目線をあわせてくれた


なんだか小さい子扱いされてるみたいだな


「これ」
私は紙袋を手渡す

「ありがとね!返すの遅くなってごめんね。寒かったでしょ・・?」
紙袋の中にはこの前、ジャッカル君が置いていってくれたジャージ

「あ、いや。サンキュな」
「ううん《ドカッ》ジャッカル君ーー!?」
「おわっ!」

ジャッカル君はいきなり後ろに立っていたブン太に殴られた

「ブン太!?」
「っにすんだよ!!!!」
「それはこっちの台詞だ!!ジャッカルのくせに、赤面して海里と話てんじゃねーよ!」
「差別!?ってか、意味わかんねーよ//!!」
「ほら、今!今した!!」
ブン太はジャッカル君を指さして連呼する

「っだー!うるせーぞブン太!」
「うっせーのはお前だ黒いの!!」
「関係ねーよ!!」
「それに、海里も何最初からナチュラルに『ジャッカル君』って名前呼びなんだよぃ!!?」

ん・・?
あぁ!
「ホントだ!!名前だ!!」
「だろぃ!?おかしいぜぃ!!俺は勇気を出して・・その、名前呼びにしてくれぃって言ったのに・・」
「ん?ブン太?」
ブン太の言葉がだんだんと小さくなっていて、私にはあまり聞こえなかった

ジャッカル君は苦笑いをしてる
「なんでもねー」
ブン太はなんだかすねてるようだった

可愛い//

私は無言でブン太を撫でる


「だー!!また可愛いとか思ってるんだろぃっ!!」
「そんなこと、、ないよ!」
「今、間があった!!間が!!」
「気のせいだよ」
私は笑いながらごまかす

ん?
2人は止まってしまった
「どうしたの?」

「笑った」

「へ?」

「久々に笑ったの見れたから嬉しいんだよぃっ//」
ブン太は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった

ジャッカル君は私を見て優しく笑っている


あぁ・・
やっぱりみんなは優しい
温かい・・──






















あっ!ジャッカル君に名前呼び嫌かどうか聞くの忘れてたっ!!










「海里、一緒に帰ろう」
ブン太達が帰って精市から呼ばれる
「うん!」









門の前について精市は立ち止まった


?
いつもなら・・入ってくるのに・・


「精市・・?」
「ん? ほら、入んないと風邪引くよ?」
精市は私の背中を押し、優しく言う

「精市は?」
「え・・」
「入んないの?」
私の言葉で時が止まる

いつも泊めてとか言われて嫌がるそぶりをしていたけど、正直言うと一緒にいてくれるのが嬉しかった
・・一緒にいてほしかった

特に、、今日は・・


「今日は・・帰るよ」
いつもの笑顔で言う精市
でも、どこか申し訳なさそうな顔をしている気がした

「・・なんで・・?私、なんか、、悪い事した・・?」
なんか・・突き放させた気がする

「海里は何も悪くないよ。ちょっと今日はこれから寄るところがあるんだ」
そう言って頭を撫でてくれた精市がなぜか
アイツと重なった

「・・・」
「海里?」

「あ・・。なんでもない!そっか!ごめんね!」
私は慌てて笑顔を作り、建物へと向かった




なんで・・

アイツが出てきたの?
なんで精市と重なったの・・?

・・・・

きっと
言葉のせい

アイツがあの時に言ってくれた台詞だったから・・ ・

ただ・・




それだけ






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あきゅろす。
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