[携帯モード] [URL送信]
理解

席に座ると友達が私の元へやってきた
「大丈夫?風邪だって?」

どうやら私は風邪を引いていた事になっているらしい

「うん。もう大丈夫!」





そう言えば・・と机の中を見る
中には前に図書室から借りた本が2冊


そろそろ返さなくちゃ










昼休みになり、私は1人で図書室へ向かおうとした
すると
「海里」
柳君に呼ばれた

「どこに行くんだ?」
「えっとね、図書室に」
「では、一緒に行こう。今日は俺が当番なのでな」
「あっ!そう言えば図書委員だっけ?」
「あぁ」
軽く会話をしながら柳君はエレベーターホールへと私を押してくれた

「ふふ、ありがとう」
「いや」









「返却お願いします」
「あっはい」
私は図書委員の人に本を渡す

柳君は本の整理とかで図書室につくなりどこかへ行ってしまった

「まだ、時間あるし・・何か見ていこうかな」
そう呟いて私は広い図書室をゆっくりと見ていく事にした




しばらくして図書室の端の方に来ると聞き慣れた声がした

「真田君?」
私は言いながらそちらの方に行ってみる

「あっ海里さん」
そこには柳生君と柳君もいた

「本は返せたか?」
「うん!今は、暇だから見てるの」
私はクスリと笑う

「そうか」
そんな私につられてか3人も笑顔を見せた

「3人で何、話してたの?」
「いや、特にこれといった話は・・。っと、これを渡しておくぞ」
そう言って渡されたのは1冊のノート

「?」

「ここ3日の数学だ」
「えっ!?」
私はノートを開いてみる

線はすべて定規で引かれたようにまっすぐで、色も使ってあってとても見やすい

「他の教科は完璧なのに数学は苦手だと言っていたからな」
「あ・・」

覚えててくれたんだ・・

「ふふ」
「なんだ?」

「ありがとう」
私は笑顔で言う



「柳君、ずるいですよ」
「蓮二」

「あぁ、そうだったな。このノートは3人でまとめたんだ」
柳君は付け足すように言って2人は苦笑いをする

「2人もありがとうね!」

「いや」
「いえ、もし分からないところがあったら言ってくださいね」

「うん!」



「・・ねぇ」
間をおき、私は引っかかってた事を聞いてみる

「・・景吾達・・ここに来たの・・?」
私の言葉を聞いて3人は顔を見合わせて今朝の雅治と同じように辛そうな顔をする

「あぁ・・」
「そっか。ありがとう」
何故か触れちゃいけない気がした・・
本当は聞きたい
なんでみんなは景吾達の話になるとそんな顔をするの・・?
景吾達もなんでみんなの話をすると無言になるの・・?

「聞いても・・良いですか?」
柳生君が口を開く

「うん?」

「跡部君達とはどのような関係なんですか・・?それと、、『princess』とは・・」

改まってる柳生君に私はハッと思い出した
そう言えば・・;;

「あ。話すの忘れてたね;;柳君は知ってるかもしれないけど私ね、小学校までは氷帝に通ってたの」
言うと真田君と柳生君は驚いた顔をする
案の定、柳君は知っていたみたいだ

「それで、みんなは・・景吾達は・・昔からの『本当の私』を知っていて、一番辛い時、、近くにいてくれた・・大切な・・『仲間』なの・・」
「・・・」
3人は黙って聞いていてくれる


もう一つのは・・
「『princess』は・・」

・・・景吾達、他の人の前でも呼んでるのか;;

「分からないな・・。学校での呼び名だったから・・かな?」
「学校での呼び名?」
「あ〜;;私家柄とかもあったし、態度悪かったから」
「!?海里さんがですか!?」
「ふふ、うん。気高くしすぎて、景吾達以外には心を開かなかったから」
「・・・」
「まぁ、そんなとこかな?」


「だから、、ね。なんてゆうか、、口は悪いかもしれないけど・・景吾達は、本当は良い子だから・・その・・っえっと・・」
私が言おうとすると真田君に頭を撫でられる

「俺らは彼奴らを嫌いなど言ってないぞ」
「そうですよ。彼らは海里さんの事をとても大切に思っているようですし」
「それに、確かに跡部達はこの学校に来たがもっともな事しか言ってない。だから、安心しろ」

私が言いたかった事が分かっていたかのように話す3人になんだか笑顔がこぼれた




「良かった・・」







[←][→]

3/7ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!