伝えたい気持ち
「みんな!お疲れ様!」
私はドリンクをみんなに渡す
「ありがと」
「サンキュー!」
いつもみたいに先輩もみんなも笑顔で受け取ってくれる
何日か前もこんな光景を見ていたのに、すごく懐かしく感じる・・
朝練も終わり、私は着替えのはやかった雅治と教室に向かった
「それでな、ブンちゃんとジャッカルがダブルスを組んだ方がええと思うんじゃよ」
「あー。なるほど」
雅治はここ3日間の事には触れずに他の話をしてくれる
こうゆう時、優しさが温かく感じる
「っと・・」
私は階段の前で止まる
車いすでは上れない
「私、エレベーターで行くから先行ってて?」
言って車いすをこぎ始める
・・・
;;;;;
進まない
「どうしたの;;?雅治?」
振り向くと雅治は車いすの持ち手を握っている
「そんなめんどくさい事せんでよか。よっ!」
「キャァ!」
雅治は良いながら私を持ち上げた
いわゆるお姫様抱っこって奴だ
「えっちょっ//!」
「おっ!真田、良い時に来たのぅ。この車いす、上まで運んどくれんか?」
「うむ」
真田君は頷いて車いすを持って上に行ってしまった
えぇぇぇ!?つっこもうよ!!この状況!!
「雅治・・みんな見てるし...それに、私1人でも大丈夫だから・・」
やば・・女子の視線が痛い・・・
こ わ い
「大丈夫じゃ」
私の様子に気づいたのか、雅治は私を持ち上げている手に力を込めて階段を上り出す
「芥川達がな、もうお前さんがあんな目にあわんように一線引いといてくれたぜよ」
「ジローちゃん達が・・?」
私は顔を上げて雅治を見る
「あぁ。・・・俺たちは・・何もできなかった・・」
雅治は辛そうに私とは目を合わせない
かすかに目が潤んでる気がする
「雅治・・・」
「悪ぃ・・」
声にも力がない
「ううん。何もしてなくなんて無いよ。今こうして私を運んでくれてるじゃない。あの日だって、息を切らして私を捜してくれた。それに出れなかったけど、電話もメールもしてくれた。昨日も笑顔で私を迎え入れてくれたじゃない。それがどれだけ・・・私を救ってくれたか分かる・・?」
言った時、私は自然と笑顔になった
これは雅治やみんながしてくれた事が嬉しかったってゆう証拠
雅治は驚いた顔で私と目を合わせてフッと笑い、私のおでこに自分のおでこを当てた
綺麗な銀髪が顔にかかってくすぐったい
私は顔が近くて、少し恥ずかしくて、目を細める
「好いとうよ」
雅治は顔を上げた
そしていつの間にか目的の階についていて、私を車いすにそっと下ろした
「ふふ、私も雅治の事大好き」
私は心を込めて雅治を見る
すると雅治は一度そっぽを向いて頭をかいたあと、私に笑顔を見せた
「それは光栄じゃのぅ」
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