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恐怖

〜♪

携帯からメロディーが聞こえる

でれない
でたくない
誰も私に話しかけないで

『怖い』










昨日あの後、私は何とか逃げ切った
走って走って、今までにないくらい必死に
そのせいで今は足が痙攣して自分の思うようには動かない

痛い

その思いもあるけど
なにより



かった


私が涙を流し走っていると男の人たちは笑いながら追いかけてきて

たまに追いつかれて服を破られたり

手を握られたりで
手首にはあの人達のひっかいた跡や手形がついている

それを見るたびに体が震えて脳裏には『怖い』とゆう文字しかなかった


あの時・・精市達が見つけてくれた時
私はすぐに抱きついて力一杯抱きしめてほしかった

でも、なんでだろう
みんなにあった時も私の中には『怖い』の一文字


みんなが大好き

なのに・・なんで体は震え出すの?
みんなを拒否するの・・?



みんなは震える私を見てどう思っただろう

カンジワルイ?
イヤナヤツ?


みんなから後ずさった時

みんな・・一瞬傷ついた顔をした

その顔を見て本当に申し訳なくて

どうしたらいいのか、、分からなかった・・






そう考えながらもうとっくに鳴り終わってる携帯をふと見る


受信14
着信3

そして手には持たずに携帯を開けてみる


受信は真田君や部活のみんなから昨日と今日で来てる
着信は景吾がさっきのと・・・精市から2回

今すぐ会いたい
会って
『大好き』
『ごめんね』
『ありがとう』
って精市に・・・みんなに言いたい


怖いのはあの人達だけのはずでしょう?
みんなは私を息を切らして、汗をかいて、必死に探してくれた
心配してくれた

なのに・・・なんで・・・っ

〜♪
また携帯が鳴る



着信:景吾



出たい
でて、さっき出れなかったのを謝らなくちゃ・・

私は携帯を持とうと手を伸ばす


そして目に入ったその手は

引っかかれた傷が痛々しくて、ガタガタと震えていて、まともに携帯をつかめない


それを見ていると恐怖か自分の情けなさにか・・涙があふれ出す








ガタッ
携帯の音が鳴り終わると同時に廊下からもの音が聞こえる



だれか・・・・いる・・・

“じゃぁ、始めようかv”

一瞬、本当に一瞬その言葉が脳をよぎる

「ゃ・・ぃや・・!」
何も考えられなくなる
『怖い』『恐怖』
それしかない


バンッ

私はドアの方を向くことなくガタガタと震える

やだこないで

いやだ

足音は1人じゃない
いっぱい

どんどん私に近づいてくる


「ゃ・・いや!いや!」
叫びとも言える声が部屋に響く

「princess!どうしたんですか!?」
私は涙で一杯の目で顔を上げると若や氷帝のみんなの姿

『怖い』
だめ!みんなは関係すらしてない
『怖い』

私の体はみんなを見るなり震えを増す


「や・・こないで!」
私の声でみんながビクッと止まり、目を見開いて私を見る


やだ
見ないで
その愛しい仲間の目でさえ今は恐怖に感じるから...



「princess・・?」

「ごめ・・なさ・・」

「どないしたんや!?」

「や・・だ・・ゃ・・!」

「princess、俺たちだぞ!?分かってるか!?」
私はその言葉にコクンと頷き、両手を自分の肩において震えを止めようとする

「じゃぁ、なんで・・何があったんだよ!?」
景吾は私に向かってきているのか足音が近づいてくる

でも
「跡部先輩!」
チョタの声で私に近づく足音は消えた


「princess、なにか・・あったんですよね」
「・・・」
「跡部先輩、行きましょう。ここより、行く場所があります」
「っ・・。princess、その足はどうした」

見なくても分かる
みんなは痙攣した私の足をみてる

「なんでも・・・な」

「なんでもねぇわk「跡部先輩!!」っ。医者を呼ぶ。見てもらえ」

「ゃ・・・」

「これだけは・・・聞いてもらう・・・」

その声を最後にみんなは出て行ってしまった






ごめんなさい

ごめんね




みんな息が切れてた
きっと私が電話に出ないのを心配して来てくれたんだよね・・?




ごめんね・・ごめんなさい









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