[携帯モード] [URL送信]
後輩

「princess」
ふいに後ろから声が聞こえる

振り向くと若がいた
「ん?」
「あの・・その・・」
若は深刻な顔をして目を泳がしている


「ふふ、若、あっちで少し打とうか」
『打ったらスカッとするよ』そう付け足して私は笑顔で言う

「えっでもっ!」
「平気平気♪ここは景吾の別荘だし、なんかあったらお医者さん呼んでくれるわよ」
「でも・・」
「良いって!ほら、」
私は若にラケットを投げて、反対側のコートに立つ

「いくよー」
私はサーブをする

長続きするように痛くない左足で着地して

「はっ」
若は一生懸命打ち返してくる

「若、ステップちょっと遅い」
「はい!」
私が指摘すると、すぐにとはいかないけど徐々に直ってくる

さすがだね若




「若、強くなったね!」
ラリーを終えて私はドリンクを飲みながら言う
「なんなこと無いですよ・・。この中じゃ・・俺、一番弱いですし・・」
若が少し下を向く

「若、周りばっかり見てちゃダメだよ。まずは『自分』の上達をほめないと」
「・・・」
「よし。若は自分の事ほめるの苦手だから私がほめる!」
私は若の頭を撫でる

「確実に若は強くなってるよ。だからこの調子!ね?」
「はい・・」
「ふふ、良い子良い子♪」
私は言いながら若のほっぺたにキスをする

「わぁ」
「「「「「「なっ!?」」」」」」

滝やみんなが声を上げる


「ご褒美♪」
「//////」
「princess、日吉ばっかりずりーぞ!!」
「だって、今日は若のために来たようなものだもの」
「お、、俺たちはどうでも良いの・・?」
ジローちゃんが私をうるうるとした目で見てくる

「やっ、そうじゃなくて;;」
「日吉ばっかりずるいCー!」
そう言ってジローちゃんは私のほっぺたにキスをした

「えっへへ〜」
「なっジローまでっ」
「ちょい、2人は後でお仕置きが必要みたいやな」
「あぁ、そのようだな」
景吾と侑士は腕をぽきぽき鳴らしている

それを見て、ジローちゃんと若は私の後ろに隠れた

「えー、なんで私が盾なのよ」
「princessならあの2人も手ださないからだC〜」
「っち。後で覚えとけよ」
「なんかそれ、悪役の捨て台詞みたいですよ」
「! 日吉、やっぱりちょっとこっち来い」
「嫌です」
若が答えると景吾が走ってきて、追いかけっこが始まる

それを見て、私は他のみんなと笑った







練習も終わって、あたりが薄暗くなってきた
「princess、今日泊まってかねーか?」
みんなでコートから出るときに景吾に聞かれる

「んー、今日は帰るよ。明日学校あるし」
「そっかprincess、帰っちまうのか・・」
亮が寂しそうな顔をする

「ごめんね。今度、またみんなで夜通しパーティーやろうね!」
私がそう言うとはにかみながら亮は笑った
「おう!」
亮と拳をあわせて笑いあう


「princess、車y「あの!跡部先輩!ちょっと・・」
景吾が何か言おうとしたとき、若が景吾の手を引っ張って私たちから声が聞こえないくらいのところで止まり、何か話し始めた

***
「跡部先輩、、今日、俺にprincessを送らせて下さい」
「何でだ?」
「それは・・」
「・・・分かった。いい。なにか大切なことなんだろ?」
「はい・・」
「じゃぁ、お前が送ってやれ。でも、変な事したらただじゃおかねーからな」
「そんな事しませんよ・・」
***

数分して2人が戻ってくる
「何、話してたの?」
「何でもねーよ。よし日吉以外全員、各自の部屋に案内するからついてこい!」

「なんで日吉はこないん?」
「princessを送らせるからだ」
「なんで今日は日吉ばっかりprincessと一緒にいるんだよー!」
「うるせーぞ、向日!」
「くそくそっ」
みんな渋々私に別れを告げて景吾について行った


「若、じゃぁ帰ろっか」
「はい」
私たちは歩き出す

「ねぇ若、なんで滝もいたの?」
そう言えばあんまりしゃべらなかったなーと思って聞いてみる
「あぁ、なんか先輩達の代になったらレギュラーになるらしいですよ」
「あー。強いもんね」
「えぇ」
滝を入れてこの子達は9人・・
誰かが・・レギュラーから落ちちゃうのか・・






「若、ありがとう」
電車を何回か乗り継いで私の家に着いた

「いえ」
「車呼ぼうか?」
「あっ大丈夫です」
「本当?」
「えぇ。princessが家にはいるのを確認したらしっかり帰りますよ」
「なによ〜。子供扱いしてー」
「してませんよ」
若はクスリと笑って言う

「そう〜? ま、ありがとうね!しっかり家に入るから」
私はそう言って手を振り、門に手をかける



「princess!!」


急に若が大きな声を出したと思ったら、門に手をかけた方とは反対の手をつかまれた







[←][→]

3/4ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!