練習
「みんな、お疲れ様!じゃっ今日はお先に!!」
私はすべての片付けを終えて、みんなに挨拶をして急いで家に向かった
「あんなに慌ててどうしたんでしょう?」
「なんか用事でもあるんじゃなか?」
パッパー
!!
家に向かう途中、車にクラクションを鳴らされて私の体はビクッと跳ねる
見てみると黒い車・・の窓から景吾がのぞいていた
「princess!迎えに来たぜ!」
「景吾も乗ってきたの?!練習良いの?」
「良いんだよ。俺様は」
「はは」
私は車に乗り込み、車は発車する
「ねぇ、景吾」
「アーン?」
「若、落ち込んでるの?」
「俺様が見た限りわな。・・でも、他にもなんか悩んでる・・気がするんだよ」
「他にも?」
「それはわからねぇんだが・・なんか・・そんな気がするんだよ」
景吾は窓の外を見て呟くように言った
「そっか・・。にしても、景吾って結構仲間思いだよね」
「なっ//変なこと言ってんじゃねーよ!俺はただ、練習に身がはいらねえのは困るだけで・・」
「ふふ」
「//」
「ついたようだな。princess!」
景吾は私の荷物を持って手を引いてくれる
「ありがとう。景吾」
「フン」
車を降りるとすぐにみんなが見えて私は笑顔になる
「princessー!!」
「キャー!ジローちゃーん!」
私たちは走って抱きつく
ジローちゃんは相変わらずかわいいなぁ//
「みんなも、久しぶり!」
私は周りにいるみんなを見る
「って言うても、この間会ったばっかりやけどな」
「ふふ、でもなんだか久しぶりな気がする」
「だよなー!俺、毎日princessに会ってねーと変な感じするもん」
「ね。私もまだ慣れてないみたい」
「海里、本当に久しぶり!」
私がガックンと話していると後ろから声が聞こえる
その声の方を見ると
滝がいた
「久しぶり!滝」
「今日は『女王様』じゃないんだ」
「だって、みんながいるもの」
私は笑顔でみんなを見ながら答える
「そうだね」
「じゃぁ!早速テニスしよー♪」
私は持ってきた自分のラケットを上に振りかざしてみんなに言う
「って!princessは座ってて下さいよ!」
若が私の肩を持って近くのベンチに座らせる
「えー」
「『えー』じゃありません。」
「大丈夫だよ?足、心配してくれてるんだよね?」
「princessの大丈夫は信用できません」
「わっ若酷い・・」
「酷くありませんよ」
「ふふ」
「何ですか?」
「なんか、若お母さんみたい」
「せめて性別変えてくださいよ・・」
「じゃぁ、お父さん?」
「・・・」
「あはは。ごめんね」
私は笑いながら立っている若を見る
すると、若は右手で顔を覆ってそっぽを向いてしまう
指の間から見える頬は赤い
「日吉、ちょっとこっちこいや」
亮が青筋を立てて笑顔で手招きする
「嫌ですよ・・。ともかく、princessは座ってて下さいね」
「いや」
「『いや』って・・」
「今日は私、教えに来たんだから、教えなきゃ!」
私は立ち上がり、コートに向かう
「みんな!早く!!」
私が歩き出すと、みんなが走ってついてきてくれた
みんなで話し合った結果、私は足に負担をかけないよう、球出しをやることになった
「どんどん行くからねー♪」
私はスライスやスピンの回転を交互に使い分けてボールを速く出していく
「っは」
結構みんなついて来れるのね・・。
それにしても、滝まで・・すごい体力だなぁ
「はー。疲れたぁ」
侑士がドリンクを片手にコートに寝ころぶ
今は休憩時間だから景吾は何も言わない
「princess、なまっとらんなぁ」
「そうかな?」
「そうやで」
「俺もそう思いますよー」
チョタもこっちに来て話に加わる
「princess、俺の苦手なコースばっかり狙うから疲れちゃいましたよ」
「ふふ、でも後半は打てるようになってたじゃない」
「そうですか?」
「うん。最初はネットやサイドアウトばっかりだった
けど、最後の方は入ってたじゃない」
「あぁ・・。言われなきゃ自分で気づかないものですね」
チョタは考える仕草を見せた後、ニコッと笑って私を見た
///
かわいいな
私は無言でチョタの頭を撫でた
「??」
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