勘違い
「うーん・・・」
次の日の昼休み、私とブン太は屋上で昨日と同じようにお弁当を交換しながら作戦会議をしていた
「思うに、タイムも温度もあってる」
「うん」
「でも、炭になる」
「うん;;」
「だからもう少し時間を短くしてみるか」
「昨日それやって生だったじゃない」
「やっえーと今度はしっかり様子を見てだな・・」
「ふふ、うん。それでダメだったら温度の調節も考えよう」
「だな」
その後、今日部活帰りに一緒に私の家に来る約束をして私たちは教室に戻った
「海里」
私が席に着くと後ろから呼ばれる
「ん?何?精市」
「どこ行ってたの?」
「あっおくzっ」
私は急いで口を手でふさぐ
昨日、ブン太に
『ここで俺らが昼飯食ってるのは誰にも言うなよぃ?』
『なんで?』
『だって、、せっかく静かに食べれる所・・だから・・さ』
『?』
『と、とかく言うなよぃ!』
『うん?』
と言われたことを思い出したからだ
「海里?」
「あー。。秘密!」
「・・」
「えーっと、、えーっと;;あっそうだっ!精市、ごめん;;今日も、一緒に帰れないの;;ごめんねっ!いつもありがとう!」
私は何度も謝罪の言葉を含めて頭を下げる
すると、鐘が鳴って精市は席に着いてしまった
・・・怒っちゃったかな・・?
時は変わって部活中
私は洗濯をしているときだった
「海里、髪ゴム持ってなか?」
その声に振り向くと、普段とは違い髪を下ろしている雅治が居た
「雅治?どうしたの?お風呂の後も結んでたのに」
私は言いながら手についていた髪ゴムを渡す
「お前さんだって滅多におろさないじゃろ?」
「そうかな?で、さっきまで結んでたのにどうしたの?」
「急に切れてもうた」
「不吉だなぁ;;」
「それはそうと、最近ブンちゃんと仲がええのぅ」
そう言って雅治は私の近くにある椅子に座る
「そう思う?」
「ああ」
「あー;;
近いうちに精市とブン太の誕生日パーティーがあるの知ってるよね?」
「あぁ。真田から聞いたぜよ」
「それでね・・あっ!これ、秘密だよ!?」
「ククッ分かった」
「私ね、あんまりお菓子作り・・ってゆうか料理得意じゃないの」
「ほぅ。そうは見えんな」
「そんなことないよ。それで、この間精市がシュークリーム食べたいって言ってて・・」
「ブンちゃんに教えてもらっていた、と」
「そう。雅治話分かるねー」
私は雅治の肩を軽く叩く
「ククッ幸村のため・・か」
「?」
「気ぃ付けんしゃい」
「へ?何に?」
「勘違いされるぜよ」
雅治はそう言い残して部室を出て行ってしまった
「勘違い・・ねぇ」
私は洗濯物を干していた手を止めて小さく呟いた
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