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「さぁ、ゲームも終わったし寝るか!!」
ブン太が背伸びをしながら言う

「ん。そうだね。じゃぁ、部屋に案内するね」
私は立ちながら言う



ふと、考える
「みんな、同じ部屋が良い?それとも個別?」
全員が顔を見合わせ笑う

「もちろん一緒だぜぃ」

そう言ってまた笑うみんながなんだか微笑ましくて、うらやましくなった

「分かった。じゃぁこっちの大きい部屋に案内するね」
私はみんなを背に歩き出す








「ここで・・良い?」
私は部屋を見せて言う

「すげー。。広い。。」
ジャッカル君が口を開けたままポカーンとしたように呟く

「ベットが10個もならんどるぞ・・」
「なんかね。ここの部屋あんまり使わなかったんだけど、、ベットが異様に多いのよね;;」





「じゃぁ、おやすみ」
私は部屋を出ようとドアに手を掛ける

すると
「え!海里は!?」
ブン太が私に呼びかける

「へ?私は自分の部屋行くけど・・」
「違くて、さっき『今日は同じ部屋で睡眠をとっても良い』って柳と約束してただろぃ?」

・・・
・・
「あれ本気なの?!」
「本気じゃない事を言ってどうする」

「えーっと・・・なかったk「『無かったことにする』はなしだぞ?」・・・・すみません」

「ええじゃなか。同じ布団で寝ろとは言わんから、一緒にいるだけじゃ」

「まぁ・・それなら」
正直言うとみんなと一緒にいたかった
きっと今、1人になったらまた寂しくなっちゃうから・・
1人だとゆうのを思い知らされちゃいそうで・・
怖かったから





「電気消しますね」
柳生君が電気をパチンとゆう音を鳴らせて切る






しばらくするとブン太やジャッカル君の方からいびきが聞こえ、私はそっとベランダに出た



この間、同じようにベランダに出た時は胸が締め付けられるようで、、消えてしまいたい気持ちがあった


けど、今はなんだかあたたかい。
家族がバラバラになる前のように・・とまではいかないけど
でも、これからそれ以上にあたたかくなる気がした



「海里」
不意に声を掛けられる

声で分かる
この人は私の大好きな人
私のこの胸をあたたかくしてくれるきっかけを作ってくれた人
とっても優しい心の持ち主

「精市」
「・・大丈夫?」
ほら、真っ先に私の心配をしてくれる

「はは、大丈夫だよ。ありがとう。  それより、起こしちゃった?ごめんね」
「フフ、良いよ。大丈夫」


「みんなに話してみたの・・失敗だと思うかい?」
精市は私の隣に立って外を見る
私は横に首を振る
「ううん。失敗どころか、、大正解だよ。ありがとう」
「フフ、それは良かった。みんな、良い奴だろう?」
「うん。私なんかがここにいて良いのかなって思っちゃうくらいあたたかい・・優しい人たち」


チュッ



私が言い終えた瞬間、精市が私の顔の前に現れて・・唇に柔らかくて温かい物があたった

「え・・」
「『自分なんか』なんて・・・そんなこと、言っちゃだめだ。人は誰でもその優しさに触れて良い権利があるんだから」
精市は真剣に私の目を見て言う
でも私は驚きを隠せない

「次、そんな事言ったら・・また口ふさいじゃうから」

そう言って精市はまた、いつもの笑顔を見せた

「な//な/////」

「フフ」












「ここは寒しそろそろ寝ようか」
「うん」
私たちはソッと部屋に入る


「・・・なんで私のベットの方に来るの?」
私は小声で聞いた
「フフ、海里が寂しそうな顔をするから」
「そんなのしてないよ」
「嘘。してる。それに、いつもうなされてるから寂しくないように一緒にいてあげる」
「そんなことないよ。てか、私が寝てるのいつも見てるの・・?」
「フフ」
「笑ってごまかさないでよ!!」
そんな会話をしつつ、精市はいつものように私を抱きしめながらベットに入ってくる
「みんな同じ部屋にいるんだよ・・?」
「別にやましい事して無いし、いいじゃないか」
「でも・・」

「じゃぁ、明日みんなが起きる前にしっかり自分のベットに戻るから」
「本当?」
「もちろん」
「守ってね?」
「うん」


「良い夢見てね。おやすみ」
そう言って精市は私のおでこにキスをした

「ありがとう・・おやすみ」





その日は、なんだかよく眠れて・・テニス部のみんなの夢を見た

もちろん優しくて楽しい夢・・・・

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あきゅろす。
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