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人肌

ご飯を食べ終えお風呂の支度をする

幸村君にタオルとパジャマの代わりの服・・と言っても私の持っている服で一番大きい服を渡す

「幸村君はここのお風呂使ってね」
ここの家には1人しか住んでいないのにお風呂が二つある

だから大きい方に幸村君を案内した

「うん。ありがとう」







湯船につかりながら少し考える

幸村君は私の気持ちを知ってどう思った?

幸村君は、、私をどう思っている・・・?








「お風呂ありがとう」
お風呂から上がりソファーに座ってテレビを見ていると後ろから声がした

「どういたしまして・・てやっぱり洋服小さかったね;;」

「あっごめんね。のびちゃうかな・・?」

「ううん。良いよ。それにそう簡単にはのびないよ」

「そうかい?」

幸村君はそう言って私の横に座った

濡れた髪
ほんのり赤い頬
潤んだ瞳と唇

なんとも色っp・・・

・・・何考えてるんだ私////!!!


「?どうかした?」

「ややや!何でもない!! あっそうだ!部屋案内するよ」

そう言って私は立ち上がり、その部屋を後にした


この家に何十個もある部屋のできるだけ綺麗な部屋に案内する

「幸村君、この部屋使って」

「・・・」

「俺、海里の部屋で寝たいな」

「・・・えっ!!だめ!!」

「なんで?」

「いや、普通に、、、さすがにダメでしょ」

「俺は気にしないよ?」

「私が気にするの!!」

何考えてるんだい!!幸村君!!

「え?何って、『そうゆう事』?」
「まだ言うか!!!!」


幸村君、、それ、前回の話しだよ
てか、心まないで・・(泣


「じゃぁ寝ないから海里の部屋行ってみたいな」

「・・行くだけだよ?」

「フフ、できればナニかして遊びたいな」

「『何』をカタカナにしないでぇ!」

「フフ、気のせいだよ」

絶対気のせいじゃないし!!

そう思いながらも渋々私は自分の部屋へと幸村君を案内した

「ここだよ」
言いながら私はでかい扉を開く

「へー綺麗だね」
幸村君は部屋をキョロキョロしながら見ている


ふと、幸村君がある一点を指さす
「このトロフィーとかってテニスのかい?」

そこを見ると私が今まで取ってきたメダルや賞状、トロフィーが飾ってあるところだった

「うん!小学生の時取った奴だよ」

「結構強いんだね」

「そんなこと無いよ」

そんな事を話していながら部屋のやや真ん中にあるベッドに徐々に近づいて行く


えーと・・幸村君?
何で私をベットに追いつめようとしているのかな・・?



ドサ





「幸村・・君・・?」
案の定、私はベットに押し倒されて上に幸村君がいる





しばし沈黙が流れる

ど、どうしよう。なんか・・気まずい・・







「ダメだよ。むやみに男の人部屋に入れちゃ」
急に口が開いたと思ったら幸村君は私のおでこにデコピンをした

結構・・・否、かなり痛い!!

「まぁ今日はこのまま寝ようか」

「え!?!」

何言ってるんですか!?

「明日も朝練があるんだよ。だからそろそろ寝ないと起きられないよ」

「っや、そうじゃなくて・・」

「大丈夫。今日は襲ったりしないから」

・・・・『今日は』????????

「フフ、いつかするかもね」

そう言って幸村君は私を抱きしめて布団に入った


・・・。

「暑いよ・・幸村君」

「俺はちょうど良いよ」

「・・恥ずかしい」

「意識してるんだ」

「してないもん」

「フフ」

幸村君は一向に手を放す気配がない

すると・・





モゾ




!!!////////

ゆゆゆ幸村君のが私の太ももにあたった/////

えっあの・・ど、、どうすればいいですか?!この状況!!

私は固まってしまう

「海里?」

「・・・///」

「どうかした?」

「・・てる・・・///」

「ん?」

「その・・・あたって・・る///」

私は幸村君から顔を背ける



「あぁ、仕方ないじゃないか。女の子とベッドで抱き合ってるんだから。ならない方がおかしいよ」

幸村君は淡々と言った

うう〜////











・・・幸村君、そろそろ寝たかな?
あれから30分くらい立つし・・

私はそっと幸村君の手を自分から話し、身体を起こす

そして部屋に付いているベランダに出る

もう春だというのに風は冷たくて身震いした





お母さんの事や、家の話しをした日は眠るのが嫌だ
別に眠くならない訳じゃないけど、あの時のことが夢に出てくるのは嫌だ。耐えられない。苦しい。


幸せだった。大好きだった。でもそんな日常は儚い物で、すぐに壊れ果てた


お父さん。あなたがいなくなってから家はバラバラです
あんなにも暖かかった家は一瞬にして崩れ落ちました



もし、あの時・・お母さんに泣きながら突き落とされた日、私がテニスじゃなくてお母さんを選んでいたら・・?
どうなっていた?
元の優しい・・温かな家に戻れていた・・?


もし、私がお兄ちゃんみたいにやりたいことを押し殺してすべてを完璧にこなしていたら壊れなかった・・?




私が



・・・もし・・いなかったら・・どうでしたか・・?





それか、、今、私がここから飛び降りたら誰か・・泣いてくれますか・・?

私はもういらない子。必要ない子。どこにいたって歓迎されるわけがない

もしかして・・ううん、きっと、マネージャーなんて仕事、引き受けちゃったけど・・今日は必要とされる眼差しを少し・・受けたけど・・でも、また同じように必要ないと言われる・・?
邪魔になる・・?

なら・・いっそ飛び降りてしまおうか。
お父さん。あなたがいた時はこんな事はなかった。
だからあなたの元に行けばすべて元に戻りますか?
お母さんは・・お兄ちゃんは・・お祖母ちゃんは・・お祖父ちゃんは・・笑ってくれますか・・?

そして・・アイツは・・今日本に、、





私の近くにいてくれましたか・・?







私はベランダの手すりに手を掛ける

ガバッ
「海里!!」

私の名前へと同時に、ガクンと急に体が後ろへ行ったと思ったら

幸村君が私を抑えるようにして後ろから抱きしめていた

「な・・に?」

「何じゃない!!変なことを考えるな!!!」
幸村君は私を正面に向かせ両手で頬を挟み言い聞かせるように私に怒鳴る

「変・・じゃないよ。私がこんな事したって別に誰も何も・・」
私は言いかけて唇をかみしめる
分かってる。でも改めて言ったり言われたりするのは・・嫌なの。これ以上傷つきたくない

「何も思わない訳ないじゃないか!!今、現に俺は君の事を心配で止めたじゃないか!!」

「うそ。嘘!そんなの嘘!!幸村君はただ目の前で人が死ぬのを見たくなかっただけ!!」

パンッ


「っ・・」
幸村君は私の頬に添えていた手で強く・・でも手加減をして私の頬を叩いた


ギュッ

そして、今度は抱きしめられた
「そんなこと無い。本当に、今俺たちは君を必要としている!だから、、そんなこと・・言うなよ・・」

「っなして!」
私は精一杯幸村君を押す
でもビクともしない

「放さない」

「・・めて・・よ。そんな優しくしないで。そんな事されたら嫌われるのが・・必要とされなくなるのが・・怖いから・・だから・・お願い・・やめて」

「必要としなくなる時なんて無いよ。君はいつまでもここに・・俺たちの所にいて良いんだよ」

「うそ。嘘嘘嘘!お母さんも・・みんなもそう言ったけど・・現に今私は本邸から離れた別荘で暮らさせられてるし、必要とされてない!消えることを願われてる!!」

「っ・・。確かに、君の家族は・・そうだったのかもしれない。でも、俺たちは君のことをもう仲間だと思ってる!大切だと思ってる!俺たちはそんな風に君を傷つけない!!」




「しんじ・・られないよ。もぅ・・信じて、傷つきたくないの・・」
私は涙をこらえる

「信じて。この気持ちに嘘はないよ。みんなだって一緒だよ。・・だから・・」
幸村君の手が急にきつくなった



・・んで?なんで優しくするの・・?

やめてよ。。本当に・・信じちゃうじゃない・・。




「ぅ・・ひっく・・」
とうとう私は我慢できずに涙を流す

幸村君は私の背中に回していた手を片手だけ上に持ってきて私の頭を撫でた

「泣いて良いよ。今まで・・苦しかったんだね。大変だったんだね。同情に聞こえるかもしれない・・。でも、これが俺の本当の気持ちだから。。」

「ぅ・・うわぁぁぁぁん」

私は声を出して泣いた
まるで赤ん坊のように・・

でも、そんな私を幸村君はずっと抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた







「もう・・平気・・?」

「ぅん・・。」

「じゃぁ、そろそろ寝ようか」
そう言って幸村君は私を持ち上げて元のベットの位置に戻り、また抱きしめた

「ねぇ・・」

「ん?どうした?」

「・・ぁ・・ぁりがとぅ・・」

「フフ。おやすみ」




それから数分すると私は眠りについていた

きっと、、久々に人の温もりを感じて安心したんだ・・・




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あきゅろす。
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